40年ぶりに東京から里帰りして、まもなく2年目になる。
今浦島の最初のころは時間がたっぷり、ゆっくりと流れていた。

第1に・・・通勤時間がかからない。
第2に・・・過密スケジュールがなくなった。
第3に・・・仕事の中身ものんびりしている。
第4に・・・どこに行くにも時間はかからない。

自分の時間がたくさん取れて、好きな本も読めるし、ゴルフ(社員からはあれはゴルフではないといわれるほど下手)もかなりの頻度でできる。

時間と仕事に追いまくられていた東京時代とは隔世の感がする。
それこそ「人生もうけものだ」とすら思っていた。

ところが一年前、社長になってから事態が急変してきた。どんどん日にちが経つのが速くなる。一週間、一ヶ月があっというまに過ぎていく。

今年も正月休みが終わったと思ったらゴールデンウイークまでもが消えてしまった。間もなく夏休みがくるだろう!次は秋の連休か。失礼、ついつい休みのことだけ書いてしまったが、仕事はきちんとしている(つもりだ)。

こんな仕事をしていると、付き合いが次ぎ次ぎと広がっていく。当然、来訪者も増えるし、いろんな会合、会議も多くなる。もちろん夜の付き合いもそうだ。スケジュールが次々にふさがって行く。本来の仕事も慣れてくるにしたがって、あれもやらなければ、これもやらなければと、どこからか湧いてくる。

もともと貧乏性なのか、自分で自分の仕事を作って、ついでに自分の首を絞めているようなもんだ。こう書くと、いかにも仕事師のようだが、社員にいわせると「単に仕事がのろいだけ」だってさ。おまけに社員に隠れてやっているテレビゲームの影響も大きいのが悲しい。

もうひとつ忙しくなる原因がある。例の広報担当の実力派(本当は暴力派)社員の存在だ。時々、部屋をのぞいては「社長、暇?」とくる。

?は付いているが、口調は「社長は暇だね」と断定している。

「いやぁ、会議や仕事が多くてね」とは言ってみるものの、全く無視されるだけ。
ああいうのを随意性難聴症というらしい。自分に都合のいいことだけしか聞こえないのだから。

コケが生えてきた社員が、えてしてかかる病気だそうだ。
で「今度は、こんな仕事をしてくれない」と、これまた断定口調。聞きようによっては命令でもある。かくてちょっぴり、ちょっぴり仕事が増えていく。社員を選べないというのは悲しいね

なに「ジジイになると時間が経つのは速いもんだ」だって。たしかにそれはあるだろう。

少年時代は一日が無性に長かった。
学生時代も時間はたっぷりあった。
就職してから少しずつ自分の時間を失ってきた。
どうやら余命の長さと時間経過の速さは比例しているようだ。

つまり余命が短くなればなるほど、時間の流れも速く感じられるようになるのではないか。てなことを考えるのはやはり基本的には暇なのかもしれない。

これからは時間がたっぷり、ゆっくり流れるように工夫していこう。