ここだけの話だが、僕には若い恋人がいる。いま東京ディーズニーランドのある街に住んでいる。だから遠距離恋愛なのだ。日ごろは電話で話すしかない。もちろん僕には妻子もいる。「なんと不謹慎な」とか、「ジジイのくせに不潔だ」とか言われるかもしれない。しかし妻も諦めて公認している二人の仲なのだから、第三者の他人にあれこれ言われる筋合いはない

その恋人が夏休みを利用して遊びにきた。その前に会ったのは5月の連休の時だったから、3ヶ月ぶりだ。僕の口から言うのも何だが、またまた美しくなった。若いということは日々、美しさに磨きがかかるらしい。残念なのは二人の年齢の差が若干、あることだ。「恋愛に年齢の壁はない」とはいうものの、やはり多少は気になる。いくつ差があるかって?あまり公表したくはないが、年の差は六〇歳ぐらいしかない

そう、僕の恋人は僕の孫なのだ。2歳になって間もないが、女の子だけに、 片言ながらもよくしゃべる。この子に絶対に「ジィジィ」とか「オジイチャン」とか言わせたくない。僕はそんなに年をとっていないからだ。というわけで「大きなオニイチャン」と呼ばせることにした。もちろん息子夫婦は反対で「無理だ」という。そんなことはない。ちゃんと教育してやったら、帰るころにはちゃんと「ニィニィ」と呼ぶようになった。

実は、まだ孫ができる前、孫がいる同僚、友人たちを僕は馬鹿にしていた。孫の話をする、あのデレデレした口調は何だ。定期入れには孫の写真を入れて、ことあるごとに眺めている。別に美男子や美女でもない、普通の子供なのに、ヤニ下がった顔は見るに耐えない。大の男が家族にかまけていていいのか。軟弱極まる。男の風上にも置けない。てな調子で批判していた。

ところが孫が誕生したとたん、硬派の僕は軟派に変身してしまった。何といっても他人の孫とは出来が違う。どこか高貴で、美しい。神様が僕のために特別に授けてくれたに違いない。なんと言うこともない。あっという間に、普通の「孫持ちジジイ」に転落してしまったのだ。もちろん僕の携帯電話の待ち受け画面には、彼女がほほえんでいる。

誰彼に見せては「どうだ可愛いだろう」という。ほとんどは「そうですね」と相槌を打ってくれる。だが、ある日、気が付いた。目が笑っていない。「この半ボケジジイが困ったもんだ」と、その目が語っている。所詮、他人にとってはそこらへんに寝転がっているガキと何の変わりもないということだ。かっての僕と同じ表情がそこにあった。ああ、僕はこれまで「孫持ち」に対して、なんという残酷な批判をしてきたのだ。というわけで爾来、できるだけ他人は批判しないように努力している。人それぞれの立場で感じることも考えることも違うのだから、安易に批判してはいけない。そのことが身にしみて分かってきた今日この頃である。

俗に「来る喜び、帰る喜び」という。孫が来るとうれしいのは当り前だが、数日も付き合うと、体力的にくたびれてくる。帰るのは寂しいが、どこかホッとする。人間とは勝手なものだ。早く東京出張がないかな。その時は隠れて恋人に会いに行こう

コケボウのひとこと

「ニイニィ」ですって?!アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(大爆笑)
千葉のかわいいお孫ちゃま!おじいちゃんは、今日も元気に働いてますよ~!
10月になったら、おじいちゃんが出演する新しいCMも、ホームページでも見られるようになるから是非みてねっ♪

社長!思わせぶりに書かれても、だーーーーーーれもホントに恋人がいるなんて思ってませんから。
すぐに本題に入っていただいてよかったのに・・・