やっぱり今年も行ってしまった。藤崎八幡宮秋季例大祭。帰郷して以来、毎年、この時期になると落ち着かない。太鼓、鐘、ラッパの音が町に流れ始めると、ついつい浮き足立ってしまう。一昨年も昨年も最初から最後まで、飾り馬を見てしまった。今年も家族から馬鹿にされつつも、最後まで見た。

僕は、特に祭が好きなわけではない。しかし馬追い祭だけは別だ。ご幼少のみぎり、叔父に連れられて、参加したことがある。日の出前に起こされ、印半纏に草鞋をはいて、ドンドコ、ドンドコ歩いて・・・記憶は定かではないが、鮮烈に焼きついている。それ以来、高校時代までは欠かさず見に行った。さすがに出稼ぎに行っている間は、諦めていた。

それだけに3年前に飾り馬と再会した時は、「ドウカイ」の掛け声を聞いただけで目頭が熱くなった。親子の勢子を見ると、グッとくる。歳のせいか、どうも涙腺が緩くなったようだ。他のところも緩くならないよう、気を付けなければ。一瞬、子供時代にタイムスリップする。これもある種の刷り込み現象だろう。

飾り馬はみんな似たようなものだろう、という人もいるが、それは違う。口取りの静止も聞かず、走り、蹴り、暴れまわる馬がいる。あたかも「俺が主役」と言わんばかりだ。そうかと思うと、どんなに追い立てられようと、ノッタリ、ノッタリとしか歩かない馬がいる。これはマイペース型か手抜き派だろう。怯えた眼をしたのもいれば、鼻面を口取りに擦り付けて、ゴマをすっているやつもいる。それぞれの馬ぶりに、どことなく社員の顔が目に浮かぶ。

勢子もそれぞれチームカラーがあって、面白い。一致団結したチームがあるかと思えば、バラバラのところもある。次はどんな組がくるか、その期待もあって、見飽きることもない。結局、最初から最後までみることになる。社員の中には「若い女性の勢子が楽しみなんだろう」という輩もいる(ギクッ)。そんなことは断固としてない。誤解されると、来年から行き辛くなる。「やたらと強調するところが怪しい」なんて、言わないでほしい。

昔は男の祭だったような気がする。その面影は薄れ、やたらと女性の姿が幅を利かせている。花笠やマトイもほとんど見られない。どこか野性的で、「悪」の香りがあった勢子も、個性が乏しく上品になった。その分、勇壮さや迫力が乏しいともいえる。いろんな規制もあるようだ。よくいえばだれでも参加できる家庭的な祭になったということか。これも時代の流れで、しかたがないのだろうが、少し寂しい気もする。

もうひとつ。昨年より参加チームが減ったのも気になる。見物人も昨年より少なくなったように感じる。もっと沢山の子供たちに祭を見てもらい、参加もしてほしい。熊本を代表する伝統的な祭であり、貴重な観光資源でもある。博多の山笠や徳島の阿波踊りなどと較べても決して遜色はないと確信している。もっと県外にPRしてもいいのではないか。県内だけの祭に留まっているのはもったいない。

祭が年々、盛大になり、県外からの見物客がどっと押しかける。単なる懐古趣味からではなく、そうなることを祈っている。

コケボウのひとこと

お祭りも女性が幅をきかせる時代なんだ・・・
社内では、とっくの昔に、幅をきかせているのは女性だったような(笑)
いえいえワタシの事ではありません。