このところ2回も続けてKABの生番組に出てしまった。正確には引っ張り出された。新社屋記念の「駅前TV」と「サタブラplus」だ。断っておくが演技したわけではないから「出演」ではない。あえていえば「強制出演」か「泣きつかれ出演」か。僕は気が小さくて弱いから、頼まれると「イヤ」とはいえない。そこを付込まれた。

それなのに社内の評判は散々だ。いわく「社長の地位を利用した売名行為」「目立ちたがり屋のでしゃばりオヨネ」「KABの赤っ恥」「視聴率が下がる」・・・ときりがない。もちろん表向きは「面白かった」とか「評判よかった」とか言ってはいる。しかし、社長たるもの、その言葉の裏側にあるものを読み取らなければ、勤まらない。女子社員の昼食の話題にもなっているらしい。それは「あの顔を思い出すと食欲がなくなるので、ダイエットにちょうどいい」とか。酷い。

しかし、テレビに出るのは大変だ。本番の2時間前には待機して、リハーサルがある。台本はある。が、僕の出番のところはチョコ、チョコとしか書いてない。「ここで感想をひとこと」「掃除をしながらぶつかる」「スタジオの裏側を案内する」てな程度だ。あとは「その場の雰囲気で、何かしゃべってください」だって。そう言われると、サービス精神が旺盛な僕は、ついあらぬことをしゃべってしまう。すかさず女性のディレクターが「あっ、それ面白い。その調子で、どんどん行きましょう」と誉め殺しにかかる。以後、この女性を「ホメコ」と呼ぶことにした。

いま流れているCMの撮影の時は、コケボウが先頭に立って、いろいろ指図をした。それも「ハイッ、ダンボールに頭を突っ込んで」とか「足をもっとバタバタさせて」とか「腕の角度が違う。格好わるい」とか。僕がやるのは演技という代物ではない。コケボウの指図といっても、日ごろの鬱憤晴らしみたいなものだ。多分、家庭生活でストレスが溜まっているのだろう。それでも逆らうと、言葉のムチがビシビシ飛んでくるから、従わざるをえない。

生番組もCMも撮影には共通していることがある。よくよく考えると、僕はサル軍団のサルにしか過ぎなかったのだ。サル使いのホメコもコケボウも僕の首にヒモをつけて、自由自在に操っている。2人の違いは、持っているヒモが長いか、短いか、餌を与えるか、ムチで叩くかの違いだ

ホメコは長いヒモで、僕を遊ばせながら、「面白い」という誉め言葉の餌を与えて、逆立ちさせたり、反省のポーズをとらせたりしたのだ。本業の真面目な社長の素顔を見せようとしても、ヒモをキュッと引っ張られると、お笑い路線になってしまうのだ。

どちらも僕の素顔はみなさんの目に届かない。本当の僕は、経営の重荷を背負ったシリアスな性格俳優的役割が一番、よく似合う。そういえば生番組もCMもビデオでよく見たら、僕の間抜けな笑顔の底にそこはかとない、えもいわれない哀愁の影が潜んでいた。鋭敏な皆さんは気が付いただろう。

だれだ、いま笑ったのは。
ホメコかコケボウか。まさか社員全員ということはないよね。

コケボウのひとこと

休日で、まさに「サタデーブランチ」を決め込んでテレビのスイッチを入れたら、そこにはなんと見覚えのある中年(サービス・・・ホントは初老)のどアップ!!

おかまタレントとからんでいるのは・・・まぎれもなくカドガキ社長。
しかも掛け合いも実になめらか、タレントにひけをとってない。

ギャラもバカにならないし、ここはノーギャラの社長に、もっともっと働いていただかなきゃ♪

ご希望とあらば、哀愁漂う役柄をご用意しますわ。
もう少々お待ちくださいねっ社長!