いまKABでは「ふるさとCM大賞」の作品を募集している。僕は、これまで2回、この大賞の審査員をしたが、いずれも力作ぞろいで審査には大変、苦労した。事前に何度も作品を見ておおよその見当を付ける。ところが段々、情が移ってきて、「あれもいい」「これも捨てがたい」なんて迷い始めると、みんなに大賞を贈りたくなる。そんな時、どうするかというと、しばらく時間を置いてみる。そうすると、印象に残る作品と、そうでもない作品に分かれてくる。

昨年の行政部門の大賞は、いまKABで放送しているので、ご覧になった方も多いと思う。霧の中から列車が出てきて、駅に停まる。同時に「これっきりですか。これっきりですか。これっ、霧ですか」という歌が流れ、あさぎり町のCMだと分かる。大変、シンプルだが、妙に印象に残る。おまけにあの(決して上手ではない)歌を聴くと、つい笑いがこぼれてくる。なんど見てもニヤッとしてくるから不思議だ。審査会でも、この作品は全員一致で大賞に決まった。ユーモアもあるし、アイデアも相当なものだ。

CMといえば、僕もKABのCMに強制的に何度も狩り出されている。なにせ限られた短時間にアピールするものを盛り込まないといけないだけに、制作者はすごく苦労する。僕はといえば、制作者やコケボウたちの言うままに動くだけだ。本当は僕にも「ああしたらいいのに」とか、いろんなアイデアが浮かんではいるのだが、悲しいことに完全に無視されている。要するに、僕は「でくの坊」と同じ扱いなのだ。CMに出演するごとに、僕のプライドは引き裂かれていく「悲劇の社長」とは僕のことなのだ。

さて「ふるさとCM大賞」は、30秒間で「ふるさと」をPRする。この30秒というのが微妙なのだ。自慢のものを何でも盛り込もうとすると短すぎる。かといって印象を強めようと、訴えるものを絞り込むと長すぎる。まさにアイデア勝負の時間なのだ。応募は2部門に分かれ、一般の部のグランプリは賞金10万円と作品をKABで30回放送。行政の部は賞金はないが、50回放送する。金額にすると相当な額だし、ふるさとをPRするのに、こんないい機会はないだろう。ほかにアイデア賞、ユーモア賞などもある。アマチュアなら誰でも応募できるし、個人、グループでもかまわない。

審査委員長は映画の山本晋也監督。体は小さいが(これは関係ないか)、なかなかユニークな監督さんだ。映画作りの視点から、「えつ、そんな見方もあるのか」と目から鱗が落ちるような指摘をされる。素人の僕なんか、ビックリさせられることばかりだ。審査会は厳しいが、一方で面白くて勉強にもなるし、今から楽しみにしている。ぜひ沢山の町や村の人たちに応募してもらいたい。

ところで次のKABのCMだが、僕にも出演依頼が来ている。その内容は極秘だとか。どうもハチャメチャで、僕を笑い者にしようという魂胆がみえみえだ。もちろん僕は出る気はさらさらないが、どこまで抵抗できるか。なにせ相手が、あのコケボウだもんね。正直いって撮影日は無断欠勤することも考えている。でもあいつ等のことだから、自宅まで押しかけてくるかもしれない。ああ、「悲劇の社長」の悩みは尽きない

コケボウのひとこと

ふるさとCM大賞、いま作品を募集しているところですが、年々レベルも上がってきているようで、CMを作ることを生業のひとつとしている身にとっては、脅威を感じるところであります。
今年もどんな作品が寄せられるのか楽しみにしつつ、自分がやらなきゃいけないCMの制作に励みたいと思います。
「悲劇の社長」???(爆笑)
視聴者のみなさんの目には「喜劇の社長」としか映ってないと思うなぁ。
テレビはおもしろくなくちゃ♪
みなさん、期待してください。
ハッキリ言って今度のCMは笑えます