いい季節になってきた。ここはやはり美しい秋の草花の話でも・・・と考えていた。ところが気配を感じたのか、コケボウがすっ飛んできた。「真面目な話は困りますからね」と相変わらず、居丈高だ。何でも、以前、薀蓄(うんちく)を傾けて草花の話を書いたところ、視聴者から「面白くない」とか「ファンの心が分かっていない」とか、抗議のメール何通も来たそうだ。

そんなことは知ったことではない。書きたいことを書くだけだ、と言ってやった。僕の断固とした姿勢に、コケボウ「何を寝惚けているんですか」捨て台詞を残して、帰っていった。今回は僕の勝ちだ。と思っていたら、今度は紙切れを振りかざしながら、すぐ戻ってきた。その紙切れはメールのコピーで「今週号の社長のコラム、確かに期待はずれでした。何を期待してるのかって・・・ご想像にお任せしますが、皆のKABですから、そこんとこ間違わないようコケボウさんから社長様にお伝えください」とあった。

別のメールには「このところどうしたのでしょうかね。2週もこんなのが続くとどこか体でも悪いのではないか、これまでの過激な部分が批判を浴びて自己規制をしているのか。などとつい心配になります。それともコケボウ姉の反撃に耐えられなくなったのかなあ」と書いてある。コケボウによると、一通や二通どころか「かなり沢山来ている」とか。

要するに僕の知性と教養に溢れた名文のコラムは読むに耐えないということか。皆が期待しているのは、コケボウとの低次元の争いか、劣悪な社内事情の暴露なのか。僕の高次元のコラムに感心している視聴者もかなりいるはずだが、こちらの証拠はひとつもない。僕は完全に頭にきた

とは言っても、視聴者の皆様あってのKAB雇われ社長としては泣き寝入りするしかない。それにコケボウの報復も怖い。なにせ僕をアゴでこき使いムチやバットで脅すぐらいは日常茶飯事なのだ。「僕は社長だ」と何度も言っているのに、「それが何よ」鼻先でせせら笑う。僕のことを「コケボウの使用人」として扱っているのだ。こうした空気は直ちに社内に蔓延する。コケボウだけでなく「あそこに挨拶にいって」とか、「あのイベントに行って」とか、馬車馬のごとく僕を使役する社員が増えているのだ。「あのう、スケジュールが詰まっているんですが」と抗議しても、「じゃあ、そのスケジュール変えれば」とくる。こんな会社ってほかにあるのだろうか。

ウソとお思いなら、会社見学に来ていただきたい。廊下を大手を振ってのし歩く社員(アナウンサーで、オオデのヤッチャンと僕は呼んでいる。ニュース担当だからすぐ分かる)。僕は目を合わせないように、片隅をコソコソと歩く。力関係一目瞭然だ。

ともあれ、今回は草花の話を書くことは諦めた。次回からは皆さんのご要望に沿ったコラムを書くことにしよう。幸い、「私(あるいは僕)のことを書いてほしい」と売り込みにくる社員はいくらでもいる。僕はコラムに書くことによって、社員をイジメているのではない。社員のパワーハラスメントに耐えながら、ささやかに鬱憤を晴らしているだけだ。決して誤解しないでもらいたい。

コケボウのひとこと

みなさんからいただいたメール、ちゃーんと社長に伝えてますよっ。
社長はイマイチ納得いかない顔をしておりましたが、証拠をつきつけた(笑)ところ完敗を認めて、今回の話となりました。
パワーがあるかどうかは別として、若干の「逆パワハラ」社内に横行しているのは認めざるを得ないところかもしれませんね。
このコラムの愛読者の方には「なんて会社だ!(怒)」思われるかたもいらっしゃるでしょうが、まっ、社長自ら「コケボウの使用人」と発言するくらいですからいいんですよ。
社長を恐れて黙っていたら、このコラムも皆さんのご期待にそえるものじゃなくなりますものねっ。
この原稿を書いていたら社長「これでいいでしょうか」とやってみえました。
「いいですとも!いいですとも」みなさんご期待どおりでしょっ?
体を張ってみなさまのために働いておりますので、これからも社長同様ぜひコケボウちゃんを応援してくださいねっ。