今年の冬は不気味に暖かい日が続いている。それでも冬は、なんと言っても鍋料理にかぎる。第一にひとつの鍋を皆でつつきあうところに家庭の温かさがある。第2に種類が豊富で、美味い。第3に手軽にできるし、跡片付けも簡単だ。

悲しいことに、僕は一人暮らしだが、休日になると、弟の家族、友人、会社の同僚などが、メシを食べに来る。メシといっても、大体は酒宴になる。先日は7人も集まった。もちろん、料理の担当は僕だ。最近は、鍋料理が多い。フグチリにしゃぶしゃぶ、水炊きなど。デパートやスーパーで手に入る材料次第で、メニューを変える。鍋以外にも3,4種類のおかずも作る。皆が「美味しい」と食べてくれるのが、楽しみでもある。そう、僕は人の喜びを、自分の喜びとする、聖人君子みたいな存在なのだ。「単に料理自慢したいだけの、単純バカ」と言う人もいるが、そうかもしれない。

数日前は、ある店でネギマ鍋を久しぶりに食べた。ネギマ鍋といっても、九州の人には馴染みがないかもしれない。ちょっぴり甘味のある醤油のだし汁に、マグロの血合いや頭の切れ端などとネギをブッ込んで、煮るだけの簡単な料理だが、これがめっぽう美味い。ネギは群馬県の下仁田ネギに限る。もともとは料理人さんたちの賄(まかない)料理だと聞いている。東京・築地の魚市場近くに、おいしい店があって、よく行ったが、九州で食べたのは今回が初めてだ。

ところで鍋料理は各家庭や作る人によって味が違う。一度に何でも入れることもあれば、だしの出る材料から順番に入れることもある。この差配をする人を「鍋奉行」と呼び、その権力は絶大だ。「鍋奉行」に逆らうことは絶対に許されない。最近、聞いた話では、さらに「アク代官」という役柄もあるそうだ。この役は、鍋の表面に浮いてくるアクをひたすら、お玉ですくうだけ。もちろん、「鍋奉行」の指揮下にある。僕の場合、料理の準備や味付けはするが、権力を振るうのは、あまり好きではないので、「鍋奉行」の地位にはこだわらない。

さて、KABの社員を材料にしたら、どんな鍋料理が作れるだろうか。数人に聞いてみたが、「さあ」と首をひねるだけ。要するに、煮ても焼いても食えない社員が多いということらしい。「腐ってもタイ」というが、社員は腐ったらそれっきり、捨てるしかない。もっともネギマ鍋は、ネギ以外は普段は捨てる魚の部分を使う。だから、どんな材料でも、僕の手にかかれば、美味い料理ができるはずだが、社員相手では、どうもそうはいかないようだ。

それどころか、社員たちは、陰で「社長はおだてあげれば、何でもしてくれる。あんなに料理しやすい奴はいない」と言っているらしい。「ブタもおだてりゃ、木に登る」というが、僕はその程度だろうか。いま、流れているKABのCMも、その手に載せられて、僕はうまく料理されたのだろうか。となると、さしずめコケボウが「鍋奉行」ということか。確かに、やたら権力を振るうし、逆らえばなにをされるか分からない「アク代官」はホームページ担当のアセリメか。ああ、登社拒否症になりそうだ。

コケボウのひとこと

社長は「煮ても焼いても食えない」というフレーズが相当お好きなようですね。
このコラムにも出てきたのは3回目(?)
実際鍋を囲む時は、出来上がりをおいしくいただくだけで、絶対に「鍋奉行」ならないので「鍋奉行」と言われたのは初めてです。
なんか家庭的なにおいがして、う・れ・し・いぃ♪と思ったら・・・
なに?これ。
いい話じゃないじゃない!
でも話題にされるうちが花♪(先週に引き続き)
コケボウ過労につき、今日は反撃もできずここまで。
悪しからず。

アセリメのひとこと

「鍋奉行」のコケボウに、「アク代官」のアセリメ。
そんなたいそうな地位に新参者のアセリメがいてもよろしいのでしょうかっ!
「アク代官」の名に恥じぬよう“すくって、すくって”“拾って、拾って”参ります!
ですから社長!登社拒否症なんておっしゃらずに、毎日いらしてくださいねっ♪ウフ