先日、コケボウが僕の部屋にちん入して来た。いつもより足音高く、鼻息も荒い。ソファに鎮座するなり「次のコラムは150回目です」ときた。そうか、キリのいいところで「たわごと」もやめるか。そろそろネタも切れてきたころだし、いい潮時だ。「何を寝惚けたことを言っているんですか。これからが本番です」と、僕の言うことは無視した。

それどころか「最近のコラムは元気がない、社内の暴露話がない、あまりおもしろくないなんてメールが沢山、来ています。もっとしっかりしてもらわないと」と、あろうことか説教を始めた。いやあ、暴露話はプライバシーの侵害になるし、セクハラと間違えられる恐れもある。社員に嫌がれるのもイヤだし・・・。小声で弁明すると、鼻先でフンとせせら笑った。「社員はコラムに登場するのを楽しみにしているんです。自分が出たコラムは親や親戚に送っているくらいです」と自信たっぷりだ。

そういえばいつか「私の話はいつ出るんですか。私ではダメなんですか。私を嫌いなんですか」なんて、迫られたこともあったっけ。いや、こんなことでくじけてはいけない。もっと毅然としなくては。もう書きたくなくなったのだから、いいんじゃない。途端にコケボウの眼が据わってきた。「そんな軟弱なことで社長が務まると思っているんですか」。視線の先は僕の背後だ。僕はハッと気がついた。後ろの飾り棚にはソフトバンクの王監督のサイン入りのバットが飾ってある。まさか、それを使って実力行使するのでは。背筋に寒いものが走った。コケボウならやりかねない。

いやまあ、そこまで言われると・・・。ちょっと考えてみるか。「考えるもなにもありません。書くしかないんです」とダメ押しの一撃。かくして僕は押し切られてしまった。なんたることだろう。

ところがコケボウの要求はこれだけではなかった。「あと二つお願いがあります」と言い始めた。完全に命令口調だ。「ひとつは、新しくKABを宣伝するものを作るので、そこにもコラムを連載してください。もうひとつは新年度からアナウンサーを売り出すCMを新しく作ります。そこに社長は引き立て役として出演してください」だって。僕は目の前が真っ暗になった。ただでさえ忙しいのに、そんな「お願い」を引き受けられるものか。

僕は手を変えて抵抗することにした。数日後、コケボウの職場に押しかけた。沢山の社員がいるところでは、コケボウだって強いことは言えないだろう。僕は周りに聞こえるように大きな声でいった。タダ働きさせるとは何事か。ちゃんと手当てか報酬を払え。すかさずコケボウは反撃してきた。「お金を払うくらいなら、もっとましなタレントや筆者を雇います。KABは節約しないとやっていけないんです」だって。さらに「部長、そうですよね」と応援を求めた。コケボウにこき使われて、太る暇のないO部長は「そうだよね」と弱弱しく相槌を打った。何たることか。裏切り者め。僕は孤立無援で、完全降伏せざるを得なかった。これから地獄のような日々が始まるのだ。

以上のことは全て事実だ。証人も沢山いる。暴露話が好きなのだから、これくらい書いてもいいだろう。なにか文句があるか。

コケボウのひとこと

まったくもぉ。
ワタシの話はいいんですって。
これじゃ、この間のお願いがネタになっているだけじゃないですか。
確か「社内の裏話的なことを視聴者はお望みのようです」と申し上げたハズなんだけどなぁ。
KABってとこはとんでもないとこだ、とこんな話を真に受けている方、まさかいらっしゃらないでしょうね。
今回でこのコラムもめでたく150回を数えましたが、150回のうちの147回くらいは、社長の誇大表現で成り立っているようなものです。
どうか騙されないでください。
確かに「もうそろそろやめにする?」と言われた時は「何をおっしゃいますか」と申し上げましたし「出演料を・・・」と言われた時は「タレントさんにギャラが払えないから社長にお願いしているんです」と申し上げましたが、ちゃーんと愛情と敬意をもってお話ししてるじゃないですか(笑)
その場にいたナゾセンさんの「社長ってボーナスも出ないのにかわいそう」って突っ込みのほうがよっぽど痛かった気がするな。
そもそも社長の話が一人歩きして、某地元新聞社の方々なんて「コケボウ」ってのは、どんなに恐ろしい怪物なのか?みたいな顔してお見えになります。
イメージが先行するって怖いことですが、実際お会いすると「なーんだ、結構可憐(?)じゃん」と思われて悪いことばかりじゃないな、なんて結局社長の罠に掛かってしまう気のいいワタクシです。
しかし、なんだかんだ言ったところでワタシなんて可愛らしいもんです。
社長の悲劇はワタシにやられっぱなしなことではないのです。
ワタシなんかより、もっともっと恐ろしい社員達がここにはうじゃうじゃ生息しているということなのです。
150回をすぎても益々パワーアップしてお届けします。
お楽しみにぃ。