とんでもない人違いをされた。ある酒飲みの会合で、某氏が大声を出した。「いやあ、君も隅に置けないなあ」。何のことかと聞くと、大相撲初場所のテレビ中継を見ていたら、僕がうら若い美女と一緒に桟敷席に座っていたというのだ。

もちろん、僕がそんなことをするわけがない。しようと思っても、付き合ってくれる女性がいるはずもない。確かに一月に東京には行ったが、それは月末で、初場所はとっくに終わっている。そう説明すると、某氏はさらに声を張り上げて、「またまた。4日目と5日目、連続して見たのだから間違いない。別にごまかすことはないよ」だって。僕は直ちに手帳を取り出して調べた。4日目は社内の報道制作局の、5日目は総務局の新年会と書いてある。もちろん記憶も鮮明に残っている。

某氏に手帳を見せようとしたが、「そんなものは証拠にならん。この眼で2日間も確認したのだから。それともウソを付いたというのかね」と怒鳴りだした。裁判でも取材メモや手帳は証拠になる、と説明しても、鼻先で「フン」とせせら笑うだけ。僕も面倒くさくなった。まあ、僕にそっくりな人が、たまたまいたというわけか。「そんなら、それでもいい」とつい、言ってしまった。かくして心ならずも僕の「有罪」は確定した。

会合は僕のことをネタにして、大いに盛り上がった。酒席のことでもあり、さしたる話でもない。目くじら立てて争うことでもない。僕がモテているという話だから、まんざら悪い気もしない。しかし、これはれっきとした「冤罪事件」なのだ。僕は濡れ衣を着せられた人達の気持ちがちょっぴり分かったような気がした。くだらない話でも悔しい。まして犯罪人に仕立てられた人たちの怒りは、いかがばかりだろう。

冤罪事件といえば、最近では鹿児島県議選での無罪事件を思い出す。裁判では明らかにでっち上げ事件としての判決が出ている。それなのに鳩山法相はこの事件を「冤罪と呼ぶべきではない」と表明した。辞書には「冤罪とは無実の罪を着せられること」とあり、これが常識だろう。法相はあとで、冤罪とは「後から真犯人が出てきたケースのことをいう」と弁明したが、単なる用語の解釈の問題ではない。

鹿児島の事件では検察も一枚、かんでいる。検察を指揮する法相としては、用語の解釈より、まず謝罪するのが筋だろう。国民の感情を逆撫ぜするような発言はいかがなものか。犯人に仕立て上げられた人達の心情をおもんばかる気持ちもないのか。問題発言が相次ぐ法相であり、政治家としての素質さえ問われかねない。なんて、つい、偉そうなことを言ってしまったが、あながち筋違いなことでもない。

さて、僕の冤罪は晴らすべきか。晴らすとしてもどうすればいいのか。僕にそっくりな人物を探しに行くこともできない。大相撲の中継を毎日、見続けることもできない。結局、泣き寝入りするしかないのか。「あいつは身持ちが悪い」とか「女性に眼がない」とかの悪評は立つかもしれないが、所詮は根も葉もないこと。僕はまっすぐに生きていくだけだ。ああ、また大げさなことを書いてしまった。

コケボウのひとこと

本当に冤罪ですかぁ?
もちろん鹿児島のお話ではなく、社長の「大相撲観戦」のほうのお話ですけど。
でもこの冤罪だったら、ありがたい冤罪ではないですか?
ご覧になった方は、社長が美女を連れていてもおかしくない、と思われたんでしょう。
よかったですねぇ、KABの社員が同じ場面を見ても「似た人がいるな」ぐらいで、社長だなんて思いもしないのに。
悔しかったら本当に美女を連れて、噂になりそうなところにお出ましになったらいかがです?
ありがたいことに社長は、熊本ではちょっとした有名人。
繁華街を1時間ほどプラプラされたら、色っぽい噂もすぐに立つこと間違いなしです。
現に最近は「御社の社長を銀杏通りで見かけました」「社長はご不在でしょう?今デパートの前からタクシーに乗られましたよ」「●●で食事されている社長さんをみました」などなど、あちこちから社長の動きについてご報告をいただきます。
本当の罪人(?)を希望される時は、一声おかけください。
いつでも「美女役」でお供しますよっ。
「うら若く」はないけど。あははっ(笑)