例年のごとく、この時期は極めて多忙な日々を過ごしている。もちろん仕事で忙しいのではない。そう、花見なのだ。先日の日曜日、雨が降った。それくらいでは諦めない。誘いを受けて出かけた。

さすがに屋外というわけにもいかない。白川沿いにある建物のガラス越しに、菜の花やサクラを眺める。美味しい弁当日本酒の絞りたて赤ワイン。ノド越しもよく、交互に飲んだ。で、驚いたのが邦楽の伴奏(?)付きなのだ。それも琴、三味線、尺八と揃っている。演奏家はプロかその道の専門家。尺八はオーストラリアの女性。僕は邦楽は門外漢だが、20人前後の参加者がみんな聞きほれている。

おまけに日本舞踊モダンダンスまで飛び出した。こうなると僕もサケに溺れているわけにはいかない。第一、演奏する人達に失礼ではないか。というよりも綺麗過ぎる音楽に、つい我を忘れてしまったのだ。「春の海」から「サクラ」まで、何曲聴いただろう。二時間前後があっという間に過ぎてしまった。なんという贅沢な花見だろう。至福極まるという感じだ。誰のお誘いかということは、言えない。どうしても知りたければ、あとでこっそり教えてあげる。

話はまったく違うが、僕は3月下旬に誕生日を迎えた。その日、会社の受付に胡蝶蘭が花屋から届いた。淡いグリーンの花びらで、実に可憐だ。ところが何処の誰から送られたのかが分からない。やきもきしていたら、今週になって一通の封書が届いた。みずくきの跡も麗しく、墨色も鮮やか。書き出しに「散る桜 のこる桜も ちるさくら」とある。続いて「この美しさも儚さも大好きな一番の季節に」。手紙自体がまるで花見でもしているように美しい。

名前を見て、はたと思い当たった。自衛隊の幹部の送別会で、歌を披露してくれた熊本出身で東京在住の歌手、松坂留衣さんだった。僕が卒業した小学校の後輩ということが分かり、帰り際にちょっと挨拶した女性だ。手紙によると、僕のコラムをよく読んでいるらしく、胡蝶蘭もコラムのネタに、ということだった。

文中には「浮いた噂の一つや二つ片棒なら担ぎますので・・・(笑)」とあった。どうして僕には浮いた噂が全くないないことがバレたのだろう。えっ、僕の面相を見れば、一目で分かるって。なんて失礼な。まあ、これも花見の季節の笑いダネか。いや、僕が片棒の相手ということであれば、彼女は間違いなく「ゲテモノ趣味」の変人だ。

話を元に戻すと、昨夜は熊本城内で、二つの花見の会をハシゴした。さすがに呑みすぎて、足元もおぼつかなくなり、マフラーを無くしてしまった。今夜はひとつだけだが、また何かをなくしてしまうかもしれない。花見は来週も予定が入っている。多分、葉桜の宴になっていることだろう。

よくそんなことで社長が務まるな、だって。余計なお世話だ。僕にとっては仕事より花見のほうが大事なのだ。花見が許されないなら、社長なんて直ちに辞任してやる。なにか文句あるか、コケボウよ。

コケボウのひとこと

お花見!いいですねぇ。
この季節になると自分で「日本人だなぁ」としみじみ思います。
普段は花になんて何の興味もないのに、桜の開花情報に浮き足立っている自分にびっくりです。
社長が「社長の席」を放ってでも花見の席に出かけていく気持ちもよぉくわかります。
ま、それはさておいて・・・お手紙!お手紙ぃ!
社長から見せていただきましたが、なんとも見事な字で書かれており、確かに「片棒担ぎます」とありました。
えらく嬉しそうにみせびらかしてくれたのですが、噂がないとばれている、と不満そうなのが、ワタクシ達にとっては疑問です。
浮いた噂がない(もてない)のは、百万人に聞いたってみんなが知ってる事実だと言うのに、何を今さら・・・まさかもてるとでも??(爆笑)
あのお手紙、私はもしかしたら受取人が違っていたのではないかと密かに疑っております。
だって、仕事はそこそこに花見に興じ、足元もおぼつかず、終いにはマフラーまで紛失してくる始末の社長ですよ。
松坂留衣さんとは残念ながらお会いしたことはありませんが、そんなにゲテモノ趣味の変人ではないはず。
社長には冗談が通じません(だってその方面の免疫ないもん)。
早いうち撤回されたほうがいいかも~。