また熊本から美味しい店が姿を消した。銀座通りにあった「Deutsche(ドイッチェ)」という、ごく小さな店だ。手作りのハム、ソーセージやサンドイッチなどが売り物で、味の分かる人には人気があった。宮崎や大分などからも注文があったらしい。僕も行きつけのスナックに行く時は、ここでサンドイッチなどを買い込んで、おつまみとして持参していた。

大手のハム製造業者の製品とは違って、味わい深いものがあった。それが昨日、突然、閉店したのだ。なんでも手作りの職人さんが退職したためだという。理由が理由だけに、しかたがないだろうが、これからはあの味を楽しめないのかと思うと、残念でならない。いつの日にか、ぜひとも復活してもらいたいものだ。

もうひとつの店は某デパートの地下にあった。毎月末の一週間だけ、骨付きハムを売り出していた。そのハムの切り落としの部分が絶品だった。味は濃い目で、いくら食べても食べ飽ない。なんといっても燻製のサクラ(だと思う)のチップの香りがたまらなかった。これを食べるのが、僕の月末の密かな楽しみだった。その店も今春の店内改装の際に、閉店してしまった。どちらも偶然だろうが、連続して閉店されると、やはり寂しい。ひょっとしたら熊本には美味しい店が定着しないのかなあ、なんて思ってしまう。

僕がハムソーセージこだわるのには理由がある。実は5,6年前まで、僕はハムもソーセージも手作りしていたのだ。一度、手作りの味を経験すると、市販のものは物足りなく、口に合わなくなる。

なんで手作りするようになったのかは忘れてしまった。最初はダンボール箱を2個重ねて燻製していた。何回かやっているうちにはまり込んで、本格的な金属の燻製箱まで買ってしまった。作り方も手探りだったが、専門書を買い込んで勉強を重ねた。簡単なように見えるが、奥が深く、なんともいえない醍醐味がある。

ソーセージのほうは、比較的簡単で、一日半あればできる。ところが、ハムは準備に一週間をかける。ブタロースのブロック(肉の塊)に、千枚通しを4,5本束ねたもので、満遍なく小さな穴を開け、塩、砂糖、10数種類のスパイスを丁寧に刷り込む。それを香味野菜の中に漬け込み、毎日、表裏を返す。粗い木綿布で包み、タコ糸でハムの形に整える。それを一晩、夜風に当てると、準備完了だ。

燻製箱に入れ、チップを燻べて、時間をかけて、少しずつ温度を上げていく。早朝に始めて終わるのは夕方。それから大鍋でボイルする。どの過程でも温度は80度未満に保っておかなければならない。この温度管理が大変なのだ。発色剤は使わないので、市販のものに較べると、色は悪いが、味は抜群だ。

我が家だけで食べるのはもったいないので、友人や会社にまで持ち込んで、食べさせた。評判は上々で、注文も多かった。ただ、熊本に帰ってからは作っていない。来年ぐらいは再開するか。手作りハムに較べると、社員の料理なんて簡単なものだ。なんてことは全く考えていない。

コケボウのひとこと

えぇぇぇぇ~っ。
ドイッチェが閉店!!
本気で心の底から残念です。
復活を願っているのは、社長やワタクシだけではありますまい。
熊本の食文化の向上のためにも是非是非いつの日か、またあの味を提供していただきたいですね。
さて社長のお料理好きは知っていましたが、ハムやソーセージを手作りする本格派だったとは存じませんでした。
専門書を読み漁った末にできたハム達は、ドイッチェの職人さんが作るそれには及ばなくとも、ワタクシ達に期待をもたせるに十分です。
ゴールデンウィークも近いことだし、お休みはどこかの芝の上で百獣になるより、久しぶりのハムソーセージ作りに取り組まれたらいかがでしょう?
何ならひらひらエプロンでも持ってお手伝いにあがりましょうか?
ご検討おきください♪
そうそう・・・話は全く変わりますが、ただ今新しいCMの準備を着々と進めております。
社長は「社員の料理なんて簡単」なんて言ってますけど、料理されるのがご自分のほうだということを、まだわかってないみたい。
イヒヒヒヒッ。