不幸なことは重なるものだ。ゴルフが大嫌いで、月に2、3回、イヤイヤながら付き合いゴルフをしている。ところがあろうことか、この一週間で5回もやらされてしまった。もちろん、遊びではない。れっきとした仕事としてだ。「社長がゴルフに現(うつつ)を抜かす会社は潰れる」といわれるが、僕は現を抜かしたわけではない。吐き気と戦い、泣きながらやったのだ。

まず木曜日は全国広告連盟熊本県大会に出席した民放各社の社長さんたちの歓迎コンペ。大会の主催社の一員として欠席するわけにはいかない。ゴルフ場はバンカーが多いことで知られる。煩悩の数108より多いそうだ。ゴルフは楽しくないので、僕は1ホールで2ケ所のバンカーに入れて遊ぶことにした。

これは楽なようで、なかなか難しい。入れようと思うと、入らない。グリーン近くでやっと入ることも。その場合は一打で出さずに、2打、3打で出すことにした。断っておくが、バンカーに入ったのではない。わざわざバンカーに入れ、砂と戯れたのだ。で、スコアは煩悩の数より5打多かった

翌日はKAB主催のレディースゴルフ大会。これもサボるわけにはいかない。大会の最後に、協賛のスポンサーを接待するために、ゴルフ場を回った。これも楽なようで、難しい。スポンサーよりいいスコアを出してはいけない。ときどきヘマをして優越感を持たせ、楽しませなければいけないのだ。ちょっと手を抜くとボールがまっすぐ飛んでいく。上がってみると、スコアは危うく100を切る寸前。これでは接待ゴルフとしては失格だ。

さて翌日の土曜日。今度は弟2人と出かけた。公の仕事ではないが、弟たちとの親睦を深める、これも家庭サービスとしての一種の仕事だ。このゴルフ場は両側にOBが多い。僕は弟たちを喜ばせようと、OBを狙った。しかし、悲しいかな。2日連続のコンペの疲れがあったせいか、集中力に欠けて、OBにならない。OBは1回しか出せなかった。その上にスコアは100を切ってしまったなんという不幸だろう。

僕は絶望感失望を感じた。こんなことではいけない。ここだけの話だが、翌日、密かにゴルフ練習場に出かけた。練習の目的は、いかに自然にミスをしたかのように見せるかだ。月曜日は平気の平左で出勤できた。しかし、火曜日の朝には腰痛が起きた。歩き続けるとなんでもないのだが、椅子から立ち上がる時、激痛が走るのだ。

さて不幸はまだ続いた。水曜日にはKAB主催で、お得意先や広告代理店を招待するゴルフ大会が開かれた。年に一回の重要な大会だから、腰痛だからと欠席するわけにはいかない。僕は歯をくいしばって、ボールを打ち続けた。接待も続けながら、最後まで回った。この際、スコアはどうでもよい

どういうわけか、僕の5回のゴルフの話は、あっという間に社内に広がった。「よくやった」という社員は一人もいなかった。「バッカじゃないの」「歳を感じないほどボケたんじゃない」「ゴルフ性認知症に違いない」とかさんざんだった。なんと言われようと構わない。僕は疲れをしらないほど、まだまだ若いのだ。

コケボウのひとこと

ちょっとひねくれた文章になってますねぇ。
以前スコアが100を切った時、あまりに嬉しかったのか社内中に言いまわり、次のスコアで元の木阿弥になり、さんざん笑われた経験があるからか、最近はスコアがよいことを喜べない体質になっているようです。
素直に喜ぶと次回転落する・・・というのがジンクスになっているのかもしれません。
別にゴルフ場の砂場で遊ばなくとも、近くの公園の砂場で、近所の子どもでも遊んで差し上げたら、立派なボランティアにでもなるでしょうに。
腰痛もでたようですし、ゴルフもそろそろやめておかれたほうがいいのでは?
砂遊びに興じる暇(?)があったら、他にやっていただきたいことは山ほどありますし、去年のように腰を痛めてイベントを欠席されるようなことでもあったら、社長をキャラクターと間違えているチビッコたちからまたブーイングされちゃいますよ。
くれぐれもお気をつけください。