いやぁ、暑いなあ。蒸し暑い毎日が続いている。というわけで、先日、江津湖に舟遊びとしゃれ込んだ。確か5月だったと思うが、江津湖の畔のボートハウスでバーベキューを楽しむ会があった。その時に、屋形船を見て、「今年の夏はこれだ」とひそかに思っていた。よくしたもので、ある人(女性ではない)から、舟遊びの誘いがあったのだ。これこそ「渡りに舟の屋形船」と言うわけで、直ちに誘いに乗った。

夕刻、うだる市内を抜けて、江津湖へ。暑くはあるが、どこか爽やかで、汗ばむほどではない。時折、吹き抜ける風が心地よい。20数人で屋形船に乗り込む。残念ながら同乗者のほとんどが、むくつけき男性。早速、竹篭に詰められた弁当とビールが配られる。なかなかシャレているし、味も旨い。知った人は数人だが、船中のせいか、すぐ馴染みになった。

談笑しながら、上江津を下る。思ったより幅が狭く、両側に竹やぶや背の高い草むらが迫る。まるで亜熱帯地方にいるみたいだ。どこかで見た風景だと思ったら、ディズニーランドのジャングルクルーズにそっくりだった。しかし、人工的でないだけ、こちらのほうがぐんと風情がある。ディズニーランドと較べたのはヤボだ。和歌のひとつでもひねりたくなる。そう、ボクは何を隠そう、「詩人もどき」なのだ。

下江津に入ると、視界は一挙に広がった。湖を渡る風が一挙に涼味を増す。静寂な水面に映る樹木の影は朧で、まさに日本画の世界。モノもいえず、ただうっとりと眺めるしかない。遠くに別の屋形船が見える。赤い提灯に彩られたその船もまた一幅の絵になる。「ここらで花火を」という声があった。舳先が花火に彩られる。船内からはよく見えない。でも別の屋形船からはよく見えるはずで、それが目的だという。走行しているうちに向こうの船も花火に火をつけた。なんと風情がある遊びだろう。がさつなボクも、にわかに風流人になったような気分だ。

呼びかけ人によると「五足の靴」の、与謝野鉄幹、北原白秋、木下杢太郎らの5人も明治40年に、阿蘇から熊本に戻って、その足で江津湖で舟遊びをしたそうだ。その日は8月15日だから、ボクらが遊んだ時期より約1ヶ月後だ。当時は水量も多く、湖水は澄み切っていたはずだ。鉄幹らがどんな印象をもったか、定かではないが、多分、相当、満足したことだろう。

舟遊びは残念ながら2時間で終わった。屋形船の江藤ボートハウスの話では、下江津まで回遊できるのは、5月ごろから10月ころまでだそうだ。この時期、下流の加勢川の堤防が締め切られて、水量が増加するからだ。以前はもちろん、いつでも回遊できた。ヘドロが溜まった上に水量も減ったために期間限定になったわけだ。貴重な観光資源を持ちながら、もったいない話だ。熊本城と江津湖を組み合わせれば、熊本市内一泊のコースになるのは間違いないのに。

翌日、ボクはイヤイヤながら出社した。がさつで風情に乏しい社内を眺めていると、江津湖がたまらなく恋しくなった。ボクはやはり清遊の人なのだ。

コケボウのひとこと

本当に「詩人もどき」なんでしたら、ご遠慮なさらずに和歌なり詩なりお詠みになればよかったのに。
舟の上でも和歌や詩どころではなくただの酔っ払いだったのではないかというワタシの想像は、外れてはいないと思います。
違いますか?
今朝、我が家のコケボンが登校する時に自転車を取り出していたので、何事かと聞いてみましたら、校外活動で江津湖に行くとのこと。
水中の生物について調べ物をするそうです。
屋形船がヘドロや水量で期間限定になるということは、私たちが子どもの頃と比べ生物の生態系も随分と変化しているのでしょう。
それでも江津湖市民のオアシス的な憩いの場であることは間違いなく、先日通りかかった時も裸で水遊びに興じる子ども達の姿を見かけました。
コケボンが通う中学校でも、積極的に江津湖のクリーン作戦を実施しており、周辺住民の間では本当に大事にしている場所でもあります。
一人ひとりの心がけで、このかけがえのない資源を守っていきたいものです。
しかし・・・がさつで風情に乏しい社内、とはなんたること。
ただ今高校野球の真っ只中で、風流人みたいにしてたらこの長丁場の生放送、乗り越えられないでしょう(怒)
一夜の夢を見られただけで社長もヨシとしていただき、現実に戻って働いていただかないと。
風情はおあずけ!
諸々落ち着いたらみんなで風流に付き合って差し上げますから、いつでも誘ってくださいね。