KABで雑誌を出版することになった。で、コケボウが件のごとく足音高らかにやってきた。こういうときにはろくなことはない。「社長の手料理のページを作ります。自宅で料理しているところを撮影します。いいですね」。いいも悪いもあるものか。撮影の日時まで勝手に決めてしまった。おまけに「私は忙しいので、立ち会えないので、よろしく」だって。ボクの都合なんて、全く眼中にない。

最初からボクがOKすると決め込んでいる。下手に断ろうものなら、ボクのKABでの生命が危ない。ボクは腹を決めた。もともと料理は嫌いではない。土日曜日にはよく弟の家族や友人を呼んでは手料理を振舞うのが趣味のひとつだから、別に異論があるわけではない。ただ、コケボウの言いなりになるのが、いやなだけだ。

さてメニューをどうするか。一品だけでは愛想がない。あれこれ考えて四品にすることにした。うち一品は、ちょうど新潟から、味と香りが抜群の「茶豆」が送られてきたばかり。これを塩もみして茹でる。残暑が厳しいので、サッパリしたのがよかろうと、ピーマンの和え物キュウリのタタキ漬けも選んだ。それに特製のポテトサラダを加える。メーンは魚介類を豊富につかったスパゲッティーのペスカトーレにする。全て手作りだ。これだけあればかなり豪華に見えるはずだ。

単に撮影するだけではもったいないので、自宅で宴会をすることにした。KABから4人を呼び、記者とボクを加えると6人で手ごろだ。約2時間で料理も撮影も終わった。記者は早く食べたくて気もそぞろのようだ。実はスパゲッティーの味付けに失敗し、やや塩辛くなった。でもワインを呑みながら食べれば、ちょうどいい。僕は意識的に塩辛くしたように、見せかけることにした。お客はさほどグルメでもなさそうだから、これで十分だ。

6時半ごろから宴会を始めた。まずはビールで乾杯。4,5本呑んだところで、赤ワインに切り替え。料理は瞬くうちに減っていく。とても味わって食べているようには見えない。まるで餓鬼の集団だ。それでもみんな「旨い」「美味い」という。もちろん口先だけ、お世辞にすぎないわけだが、それでもついつい嬉しくなってくる。ボクの頭の構造は極めて単純にできているのだ。

宴のペースは急上昇していった。あっという間に赤ワイン3本が空っぽに。次は白ワイン。これは1本しかなかったので、一瞬の間に消えてしまった。もうワインはない。なのにみんな、呑み足りないという顔をしている。しかたがないので秘蔵の大吟醸の酒を出した。チビチビ呑めばいいのに、グイグイ呑んでいる。ああ、これも終わった。最後になかなか手に入らない焼酎まで巻き上げられた。ちなみに記者は全く呑まなかった。

料理は若干、余った。というのも茶豆はお土産にと思って、かなり多めに茹でていたからだ。ポテトサラダとキュウリのタタキ漬けも少し残った。スパゲッティーは皿の底のソースまでトーストで綺麗にふきあげて、なくなった。宴会が終わったのは12時近くだった。次回からはメンバーを少し選ぶことにしよう。

コケボウよ、君のお陰で、実に旨くて楽しい宴会ができたよ。ざまあみろ。

コケボウのひとこと

実はこのページの取材、早くからスケジューリングしてとても楽しみにしていたのですが、ワタシの口に入れるには自信がない(?)社長の陰謀か、なんと突然東京への出張命令が。
泣く泣くどしゃぶりの東京に日帰りで行き、帰熊次第駆けつけようかと思っていたのですが、最終便は天候不良で遅れに遅れてそれもかなわず。
留守を頼む!と取材を託したナゾセンさんに電話をしましたら「大丈夫ですよぉ~」とのお返事だったので安心しておりました。
しかし翌日社長室のあるフロアへ行きましたら、何人もの屍同然の人を発見!
いったいどんな様子だったのかと、こうなったら唯一ここだけが頼り、しっかり者のライターちゃんに聞いてみたところ・・・「取材はうまくいきました」と言ってはくれるもののなんだか歯切れが悪い
なるほどこの原稿を読んで納得!
バケモノみたいに呑む人たちに、まっとうな世界で生きてるライターちゃん、恐れ慄いたのねぇ、ひとりにしちゃってゴメンゴメン。
パスタのお味は、聞いたところによるとお世辞抜きに美味だったらしい。
今度は取材抜きでお邪魔して、美味しいパスタをご馳走になりましょうね。
社長!ご安心を、ワタシはお酒はいただけないので、とっておきの大吟醸や日本酒を出せとは申しません。
ひたすらおいしいパスタでお願いします。
できれば、サイドメニューはキュウリ抜きにしていただけると嬉しいなぁ。
社長のかわいいエプロン姿も掲載のこの本、もうしばらくしたら詳細をお知らせできそうです。
楽しみに待っててくださいね。