ボクはモノ好きだ。と、つくづく思う。ある日、深夜にブトウ摘みに行こうと誘われた。誘いがあれば、まず断ることがない。前後も考えずに出かけることにした。用意したのは軍手、懐中電灯、帽子、長袖のシャツなど。なんとなく泥棒に行くような気持ちになった。夜の10時過ぎ、総勢6人で、二台の車に分乗して、出発した。

真っ暗な道を北上すること、一時間以上。とある広場に到着した。人がどんどん集まってくる。ざっと数えると100人前後か。これは集団泥棒ではないか。その広場で、ブドウ摘みの説明を受けた後、二班に分かれて、さらに山奥に出発。車一台がやっと通れるような細い道を15分走って、12時ころ、ブドウ畑に着いた。

ブドウ畑の上には網が被せられ、中腰にならないと入れない。腰の高さぐらいの所に、ブドウの房が鈴なりだ。一粒が小指の爪ぐらいしかない。ヒスイの宝石のようにも見える。早速、ハサミで切り取ると、ずっしりした重みだ。周囲の目を盗んで、つまみ食いする。豊潤な香りと甘みが口中に溢れた。さらに2粒、3粒と口に放り込む。

30分もすると、腰が痛んできた。周囲からも「腰痛になるから、休んで」とドクターストップがかかった。高齢者扱いはケシカランと思ったが、そこは素直に受け入れることにした。というよりも摘み残された小さな房を盗み食いすることに専念しただけだ。まあ摘み残しだから許してもらえるか。

実はこのブドウ摘みはボランティア活動だった。熊本市内にある熊本ワインという会社が呼びかけたものだ。この会社が作った白ワインが、今年、国際的なコンクールで最優秀賞をもらった。ワインの特産地の山梨県のものでも、受賞するのは非常に難しく、権威ある賞という。いちやく熊本ワインは全国的にも注目されるようになった。清酒、焼酎に続いてワインの名産地となれば、熊本の誇りがまた増える。これは応援しなければ、というわけで、ボランティアに出かけたわけだ。

とはいえ、「ひょっとしたら、ワインの一杯ぐらい飲めるかもしれない」という、下心が全くなかったわけではない。昨年は2,30人の参加者だったのが、今年は4,5倍にも増えた。ということは、少なからずボクと同じ期待をした人がいたのかもしれない。もっとも受賞したワインの在庫量は限られている。ボクらの口に入るわけがない。さもしい心は早く捨てよう。

深夜にブドウを摘むのは、糖度が一番、高くなる時間だからだそうだ。いいワインを作るには、それだけの努力が必要なのだ。ブドウの種類はシャルドネといい、シャブリなど最高級のワインができる。今年のブドウは過去最高のできだそうだ。専門家に言わせると、熊本のブドウはまだ若い木なので、これからもっといいブドウが取れるようになるそうだから将来も楽しみだ。

ボクはこれまで血液がサラサラになるという口実で、赤ワイン専門だったが、これからは白ワインも嗜むようにしよう。ちなみに受賞したワインは「菊鹿ナイトハーベスト」という。来年7月にはできるそうだから、予約できるものだったら、予約したいなあ。

コケボウのひとこと

楽しそうなボランティアでしたね。
こんなボランティアなら毎日でもいいでしょ?
社内で徘徊している時とは天と地ほども違う、生き生きした楽しそうな姿が簡単に想像できます。
もともと赤ワインを「ポリフェノール=薬」と言って憚らないほどのワイン好き。
社内の飲み会でも焼酎片手にヨレヨレになってる営業の若いモンを横目に、一人ワイングラスをクルクル回しています。
そこで踏ん張っていればいいものを、変な冗談を飛ばしたりするので、イマイチ格好はつかないのですが。
それはいいとして、熊本県産のぶどうで作ったワインが国際的な賞を受賞するなんて、とても素晴らしいことですね。
焼酎のイメージが強い熊本ですが、ワインも熊本の名産品の一つとして有名になってほしいものです。
ワタシも是非嗜んでみたいと思います。
でも・・・変な冗談ばかり口にしだしたらごめんあそばせ〜。