浮世の義理というのは厄介だ。ひとつ間違うと、世間が狭くなる。かといって辛いことばかりではない。時として面白く、楽しいこともある。そんな会合が先日、ふたつも続いた。幸い、偶然にも一日違いだったので、どちらも義理を欠かずにすんだ。

ひとつは、ボクが前の会社で埼玉県の浦和支局長をしていた頃、よく通っていたスナックの開店30周年記念のパーティーだ。3代前の支局長から引き継いだ店で、支局やアパートの近くだった。2千円ぽっきりという呑み代で、寝酒代わりに通っていた。10人も入れば満員になる。そこで地元の人達とすっかり友人になった。その付き合いは現在も続いている。

常連の女性客と話していたら、ボクの曽祖母の実家が大分県の片田舎の医者で、その客の実家と同じらしいということが分かった。実家のある地名も名字も同じなので、遠い親戚であることは間違いないようだ。別の常連客は大学の先輩で、下宿がすぐ近くだった。なんとも世間は狭いものだ。

パーティーは100人前後いたようだ。そのうち半分ぐらいは顔なじみだった。まるで同窓会の雰囲気で、旧交を温め、大いに盛り上がった。パーティーが散会しても、みんな名残惜しげで、引き上げる人は少なく、3次会まで、呑めや歌えの大騒ぎだった。

もう一つは東京の小料理屋の、常連客の集まりだ。地元客というより、会社社長や役員が多く、異業種の会合のようだった。ボクが熊本に引き上げたあと、14,5人がはるばる訪ねて来て、阿蘇を巡り、黒川温泉でドンチャン騒ぎしたこともある。いわば大いに気の合う仲間という関係だ。

こちらはパーティーでなく、日光を観光した翌日、ゴルフという趣向。8人が参加し、マイクロバスを貸し切った。実は8月に予定されていたが、ボクが総選挙で参加できなくなり、延期されていた。それだけにスッポかすわけにはいかなかった。

中禅寺湖に紅葉狩りに行こうという話になったが、運転手は「平日でも2時間から2時間半かかる。今日は日曜日だからとても無理」と言う。ところが田母沢御用邸を見学している間に、運転手が調べたところ、イロハ坂が混雑していないことが分かった。道中も中禅寺湖も紅葉の真っ盛りだった。錦あやなす絶景に目を奪われた。

まさについている一日だった。ところがよくしたもので、翌日は朝から。ゴルフは中止かと思ったら、全員参加するという。ボクも渋々、加わったが、途中で気分が悪くなり、リタイアーせざるを得なかった。自慢ではないが、挫折したのはボクだけだった。

「仕事をサボってよく行くよ」なんて言わないでほしい。月曜日は東京で、夕方から民放連関係の懇親会が開かれるので、土曜、日曜を活用して出かけたまでだ。えっ、「スナックと小料理屋のママさんにうつつを抜かしたのだろう」って。まあ、二人とも妙齢の美人(断わっておくが老齢の元美人ではない)だし、その気が全くないわけではない。しかし、それはあくまで付け足しで、ボクは常連さんと付き合うのが目的だったのだ。いやあ、モテる男はつらいよ。これは関係ないか。

S姉さんのひとこと

え?また同窓会ですか?
それも今度は学校関係ではなく飲み仲間??
まぁ、どこに行ってもお付き合いが忙しいですねぇ。
それにしても、世間のなんと狭いこと!
埼玉で飲んでいるのに、隣の客は実は遠い親戚だった!なんて!!
この調子でいったら、やはり“人類みな兄弟”!?

ところで、これ、仕事のついでに飲み屋の会合にも参加した、みたいに書いてありますが、どう見ても隠居した老人の余暇の過ごし方ですよね。
熊本の紅葉はまだこれからですし、そんなにお暇だったらお付き合いして差し上げましょ!モテ男らしく、私とアセリメちゃんという美女二人がいればご満足でしょ!?