芸術の秋。というわけでもないが、県立劇場にコンサートを聴きに行った。世界でも最高峰の楽団のひとつであるロシアのマリインスキー歌劇場管弦楽団で、指揮はワレリー・ゲルギエフ。S席で1万2000円だが、東京で聞くとしたら4,5万円はするだろう。なんでも文化庁と熊本県から助成金がでたので、こんなに安くなったという。そのせいか、入場券は完売したそうだ。

しかもチャイコフスキーの序曲「1812年」、交響曲6番「悲愴」、ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」と、ボクですらよく知っている曲ばかりだ。演奏は実に素晴らしかった。という表現では言い尽くせない。芳醇な楽音の坩堝(るつぼ)にどっぷりと浸り切り、陶然とさせられた。音の美の極致といってもいいだろう。特に「悲愴」には涙ぐむほど感動させられた。ボクはもともと6番より愛称のない5番が好きだったが、改めて惚れてしまった。なにしろ演奏が終わっても、感激のあまり、みんな拍手するのも忘れ、数秒間、完全に静寂の状態が続いたくらいだ。

ちなみに「悲愴」チャイコフスキーの最後の交響曲だ。彼は、この曲を自ら初演した9日後に急逝している。原題は「パテティーク」で、日本では「悲愴」と訳されているが、本当は「感情豊かな」という意味だそうだ。でもチャイコフスキーの突然の死去のことを考えると、意外と「悲愴」という訳が当たっているかもしれない。こんなことを書くと、いかにもボクは音楽通のようだが、実はvいい加減な知識しかないのに知ったかぶりをする「半可通」なのだ。

もともとボクは小中学生のころ、音痴でイジメを受け続けてきた。クラス対抗の合唱コンクールでは、ほとんど指揮をさせられた。指揮だとボクは声を出さなくていいので、合唱になるというのがその理由だった。ピアノでドとかミとかラとか音を出し、その音階を書くというテストがあった。ボクは自慢ではないが、ひとつの音すら当てることができなかった。しかし、それでもボクは音楽が大好きで、レコードを持っている友人の家に入り浸ったり、ラジオの名曲の番組は欠かさず聴いた。大学時代はクラシックの音楽雑誌まで定期購読していたぐらいだ。

音痴の方は、歌声喫茶やカラオケに通い詰めた。ボクの場合、歌うというよりも、怒鳴りまくるというのが、正確な表現だろう。そのお陰か、声を出していると、音程がずれているということが分かるようになってきた。以前はそれもなかったのだから、音痴もまあまあ回復してきたのかもしれない。それくらいだからコンサートを聴いても、どれくらい理解できているのやら、分かったものではない。

さてKABでは12月2日に、世界最高峰といわれるドイツのシュトゥットガルト室内管弦楽団のコンサートを県立劇場で開く。曲目はヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「四季」、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」などだ。来年1月10日には崇城大学市民ホールでウィーン交響楽団の「ヨハン・シュトラウスアンサンブル」がニューイヤーコンサートを開く。どちらにもぜひ行ってもらいたい。

S姉さんのひとこと

あらあら、食欲の秋から今度は芸術の秋ですか。
今まで歌声を聴いたことがなかったのは、ご自分の音痴をよくご存知だからなんですね。でも、「指揮者しかさせてもらえない」って、相当ですね。そこまでいわれると逆に、聴いてみたい気も・・・^^;
さて、シュトゥットガルト室内管弦楽団の演奏会は、私も楽しみにしています。
街も華やかなイルミネーションに彩られるこの季節、おしゃれをしてのお出かけにピッタリですよね。あ、もちろん、演奏そのものも楽しみにしていますよ!
会長、ご一緒にいかがですか?なんだったら、その後、歌声を披露していただいても・・・。
あ、やっぱりやめとこ。せっかくのコンサートの余韻が台無しになっちゃうわ。