ボクは「ガン」と言われている。ガンにもいろんな種類があるが、潰瘍性の悪質ガンという。別に医者に言われたわけではない。KABの社員たちが蔭で言っていることだ。社内にはびこり、KABの順調な成長を阻害しているらしい。そういえばボクにも自覚症状がある。忘れっぽく、怒りやすく、判断力も決断力も鈍くなった。一種の高齢化弊害か。というわけで、ボクは昨年、社長を辞任した。まあ、冗談が半分、本気が半分の話だ。

これからは本当の話だ。実は2年ほど前、熊本市内の服部胃腸科で、大腸にポリープが見つかった。直径は3mm程度で、3つあった。医者は「たいしたことはない。そのうちに切ったら」と言っていた。もともとズボラなボクは安心して(?)、放置していた。その後も、人間ドックに行くたびに、「腫瘍マーカーが異常なので早く治療を」と勧められた。しかし、それぐらいでビクつくようなボクではない。相変わらず、無視していた。

ところが昨年末の人間ドックでは、「ガンの疑いもある」と脅された。これは大変だ。幸い会長になって、自由な時間もできたので、思い切って切除することにした。2泊3日とかで、前の晩はバッグに着替えなどを詰め込み、遠足前夜の小学生のように、何となくウキウキしてきた。ひょっとしたら美人の看護師に会えるかもしれない。

切除といっても、別に腹部を切開して、ポリープを切るわけではない。内視鏡で患部を見ながら、電気メスで焼きながら切除するそうだ。痛くもかゆくもないと聞いて、安心していた。ベッドに寝かされ、腕に睡眠剤の注射をされると、ボクは不覚にも熟睡した。頑張って、眠らないようにしようという抵抗は全くの無駄だった。「終わりましたよ」といわれて、ハッと目が覚めた。それまで何をされたのか、全く分からない。

切除されたポリープは1つが直径5mm、2つが1cmぐらいの大きさだそうだ。まあ、2年程の間によく成長したものだ。「泣く子とポリープは、放っておいても育つ」という格言があるのかどうかは知らない。しかし、ボクの体内で育ったポリープだと思うと、なんとなく愛おしくなってきた。でも悲しいけれど、これでお別れだ

入院生活は快適の一語に尽きる。切除した日に、二本の点滴を受けただけで、全ての治療は終わっている。あとは静寂な環境で、読書三昧で過ごした。食事はお粥だが、おかずにいろいろ工夫が凝らしてあって、みんな美味しかった。まるで高級ホテル暮らしのようで、あと2、3日は居たかった。

なんといってもよかったのは、治療する前に、お腹を空っぽにできたことだ。これで、腹中の悪いものは全て体外に出たに違いない。ボクはよく「腹黒いやつ」と言われるが、これからは言わせないぞ。もっとも医者に聞いたら「腹黒いのとは関係ない」そうだ。もうひとつ、体内から全てのアルコールも抜けるはずだ。なにしろ術後一週間は禁酒だから。ボクは特に飲みたいとも思わなかった。これでボクがアルコール依存症でないことも明確に証明された。えっ、禁煙。それは関係ない

さて切除したポリープからガン細胞は見つかるか。これは2週間後のお楽しみだ。結果が出ても、みんなには教えない。お世話になった服部正裕先生にはお礼を言っておこう。

コケボウのひとこと

衝撃の告白!!!ちっとも存じませんでした。
最初に原稿読みながら、いわゆる「社内のガン」になってやるぅ!
といういじめっこみたいな話に着地するのかと思いましたら、正真正銘ホンマモンかもって話だったんですね。
ビックリ!
だいたい腫瘍マーカーが異常、と言われた時に放置するなんて言語道断
そんなとこにはビクついていいんですよ、まったく(怒)
ガンだかどうかの結果が出るにはしばらくかかるようですが、切除したのだからたとえガンでも大丈夫でしょう
ネタになってるくらいですしね。
いつもご自分でおっしゃる「憎まれっ子世にはばかる」ってのも、周りを見回すとあながち嘘ではないようなので、大丈夫。
いずれにしても、体のメンテナンスはきちんとやっていただかなきゃ困ります。
ちゃんと健診を受け、悪いところがあったらすぐ治す
これ現代人の常識中の常識です。
ましてや、会長にはまだまだ働いていただかないといけないことが山積み
お金の無い会社なんですから、引退は許されませんよ
だいたい自覚がなさすぎる(怒)
医学の進歩で、早期に発見すればガンも完治します。
年に1度くらいは、定期健診を受け自分の体を大事にしましょう、ね。