今年の就職戦線も、不況のあおりで、大変らしい。多くの企業が採用人員を減らしているため、どうしても狭き門になってしまう。本当はこういう時こそ、優秀な新入社員を獲得する好機なのだが、そこまでのゆとりも乏しいということだろう。目先の利害にとらわれすぎると、企業自体が先細りしかねない。というわけで、KABでは例年通り、採用する方針だ。優秀な学生諸君に、ぜひ受験してもらいたい

ボクはどういうわけか、前の会社に居た時から、入社試験に深くかかわってきた。ひとつは中堅社員のとき、採用担当の部長をやったことがあるからだ。当時から気になっていたのは、男性より元気のある女性が多いということだ。男性は大学受験で全精力を使い果たしたような顔付きをしているのが目立つ。おまけに少子化の影響で、親に叱られたこともなければ、挫折を体感したこともあまりないらしい。そうすると、どうしても線の細い印象を与えてしまう。この傾向は、年々、強くなっているようにも思える。

ボクの学生時代のことで恐縮だが、思い出すたびに赤面することが多々ある。ボクらのころは大学が6社か7社までの推薦状を出してくれた。その推薦状を手に、各企業を回る。ボクは新聞社、銀行、メーカー各2社ずつ受験することにしていた。そのなかで、ボクの先輩の父親が地方銀行の人事部長という、かすかな手掛かりがあった。ある夜、部長宅に押し掛けた。そこで「新聞社に入社できなかった時は、採用してほしい」とお願いした。まさに若気の至りであり、いま考えてもゾッとする。その部長は「引き受けた」と言ってくれた。まあ、いい時代だった。

あるメーカーは、交通費と弁当が出るというので、受験しにいった。他の受験生に迷惑をかけてはいけないと、適当に答案を出して、30分ほどで引き上げた。ところがどういうわけか、合格通知が来た。ボクはあわてて断わりにいった。別のメーカーでは、面接の時、「何年ぐらい勤めたら、重役になれますか」と聞いてみた。面接者は「さあ」と首を捻っていた。数日後、落選の通知がきた。まあ、当然だろう。

さて本命の新聞社だが、人気企業のベスト3に入っていた時代でもあり、かなりの数の受験生が詰めかけていた。試験は100問の一般常識や社会・経済問題のほかに、英文和訳もあった。確か(豪華客船の)「クイーンエリザベス号の船腹に穴が開き、処女航海がダメになり、みんながっかりした」という内容だった。ところが、終わった後、友人が「さすが新聞社だ。洒落た英文和訳だったなあ」という。よく話を聞くと、友人は「クイーンエリザベス号」を「エリザベス女王」と受け取った。従って「船腹」は「下腹部」になる。あとの訳は省略するが、大体、推測はつくだろう。英語に自信がないボクは、「ああ、これで落ちた」と思い込んだ。

結果は、ボクは合格したが、友人は落ちた。ということはボクの訳が正解だったのだろう。ウソのような本当の話だ。そのボクが、いまやKABの役員面接をしているのだから、世の中、分からないものだ。KABを受験する大学生諸君、精一杯の元気を出して、ぶつかってきてほしい。君たちに熱い期待をかけている。

コケボウのひとこと

CMに久々会長が登板したことで、話題には事欠かなかった我が社の新入社員募集ですが、受け付けも締め切り間近
高齢化が進んだKABとしては、新人さんが入社するのを首を長くして待っています。
試験には、あんまり緊張しないで素のままで臨んでいただきたいな、と思います。
とは言え、就職氷河期と言われて久しい昨今、緊張するなというのが無理なお話でしょう。
私が就職した頃は、バブル期だったこともあり「超売り手市場」で、当時の解禁日だった10月1日には、企業側が学生を接待して拘束する、なんてことも珍しくありませんでした。
そんな中、わたくしはどうだったかと申しますと…第一志望の企業にあっさり不合格。
予行練習のつもりで受験した企業には、なんとか合格したものの「希望業種でない」という今考えたらゾッとするような傲慢さで辞退
第一志望の企業は、定期的に既卒者試験を実施する会社だったこともあり、さっさと就職浪人を決め込みました。
周りからは「アホねぇ」と本気で呆れられましたが、もありましたので、浪人生活はそれなりに勉強し充実していたように思います。
時代も変わり、今の学生さんたちは、職を得るために私たちの時代とは比較にならない勉強量をこなし、試験に臨んでこられます。
「KABに入社したい」という純粋な気持ちを、がっかりさせないよう中にいる私たちも頑張らねばならないと、毎年この時期になると姿勢を正す次第です。
学生諸君!どうか気楽にお越しください。
怖そうな顔を取り繕って気難しい話をするかもしれませんが、面接室で待っているのはテレビでお馴染みの「あの会長」やら背中がやたら長い(広い、とはちょっと違う)アナゴ社長やら、です。
がんばって!
待ってるよっ。