いや、また大変なことになった。言うまでもなく先の参院選挙の結果だ。民主党が大敗し、自民党が改選第一党になった。完全な衆参ねじれ国会になったわけだ。民主党の敗北の原因については、いろいろ分析されている。やはり選挙戦中の消費税論議で、菅首相の発言のブレが目立ったことが大きな影響を与えたことは間違いない。その背景には民主党が政権を担当して10ヶ月の間、マニフェストの実現にむけてブレ続けたことがある。国民の目にはこの二つが二重写しになった。

いまや日本は大変な岐路に立たされている。財政再建、経済対策、社会福祉…いずれをとっても待ったなしの状況だ。速やかに対応していかないと、日本はますます衰亡していく。政治の空白は絶対に許されない。与野党ともに、参院選の結果は踏まえるにしても、国民生活の安定化に向けてお互い、協力すべきは協力していくしかない。対立が激化し、政治空白が続くようであれば、国民は今度こそ政治を見捨てるだろう。

それはさておき、今度も熊本市の開票作業は大幅に遅れた。前回も遅れたが、今回はそれより約2時間も遅延した。原因は大量の疑問票があったためと言われる。そのことは事実だろう。しかし、回りまわって関係者に聞いたところ、特定の二つの政党の立会人の点検作業が想像以上に遅れたことがあるとか。「大事な一票だけに、作業を急げともいえないし」とは関係者のぼやきだ。しかし、それにしても常識的な許容時間というものはあろう。二つの政党の名前を公表したらどうか

なぜボクが開票作業にこだわるかといえば、痛い思いをしたことがあるからだ。若いころ、新聞社の福岡総局で参院選の選挙責任者だった。当時、大まかにいえば郡部は即日、都市部は翌日開票だった。当然、当落判定も翌日に持ち越しになる。そこでボクは当日に判定できないか考えた。即日開票の開票結果が、翌日分も含めた県全体の開票結果と同じ傾向を示す町村はないか。かなり前まで遡って調べた。その結果、二つか三つの町村が見つかり、即日の分で当落を打った。そんな「暴挙」をしたのはボクだけだった。

翌日、開票が始まって、びっくり仰天した。ボクが当選を打った候補者の得票は伸びず、落選候補の票が急速に増えてきた。時間が経つごとに票差は急接近。このままでは逆転しかねない。社内は騒然となった。早くもボクの責任論まで出てきた。ボクは泰然自若を装ったものの、背筋が凍りついてきた。「針のムシロに座る」ということを実感した。

で、遅ればせながら、開票場に若手の記者を走らせた。その結果、分かったのは、落選候補の立会人が当選候補の票を机の上に山積みし、自分の票だけを出していたのだ。「票の点検」と称していたものの、完全な嫌がらせだったのだ。社内の空気も手の平を返すがごとく、一変した。ボクは再び「選挙の名人」に返り咲いた。熊本市の場合は、嫌がらせということはありえないだろうが、誤解を招きかねないことではある。

話をもとに戻すと、いまや政治家一人ひとりが、党利党略を捨て、何のために政治をするのかという原点に返るべき時だ。「政治の世界は一寸先は闇」というが、そういう事態はもはや許されない。世間に通用する常識の範囲内で、物事を進めてもらいたい。

ヤッちゃんのタメ口

今回の参院選、オレ様は入社以来初めて報道の現場を離れて迎えたが、なんとも言えない感じだった。ホームページの開票速報担当だったオレ様は県内の各開票所から送られてくるデータと一晩中にらめっこしていたが、確かに熊本市の票がなかなか入らずKABを含め、どこの局も当選打ちに苦労していたようだ。今の選挙報道では当選打ちをよりスムーズにするために「出口調査」を入念に行う。テレビ局によっては、その出口調査を根拠にどこか1カ所でも開票がはじまると同時に当選打ちをするという状況だ。それだけ選挙報道において重要な部分であるが、まさか会長がその達人であったとは…。あの何を考えているのか読めない(読まなくてもいいが…)細い目の奥にはそんな鋭い視点が隠されていたとは!正直、ちょっとだけ(ほんの少しだが)尊敬してしまった…。
会長恐るべし。その鋭い視点で政治の世界ににらみをきかせてやるんだ!なんだったらCM作りを手伝うぞ!!