世の中というか、日本は実に狭い。最近、つくづく思う。きっかけは熊本県立劇場長と食事にいったことに始まる。場長は以前、NHKの熊本総局長で、若いころは放送記者だった。ボクの初任地は東北の秋田支局だったが、なんと同じ時期、場長も秋田に居たことが分かった。担当する持ち場が違ったためか、顔を合わせたことはなかったようだが、通った飲み屋が同じで、共通の友人がいたことなどが判明し、話は大いに盛り上がった。

その数日後、高校の先輩から暑中見舞いの葉書が届いた。熊本朝日放送の局舎を建てた建設会社の役員で、奈良在住だが、いろんな話をしているうちに高校の先輩ということが分かった。建設会社は退職されたが、時折、熊本に帰られ、その都度、一杯飲みに行った。葉書によると、先輩の同級生が京都にいるが、その人の奥方がボクと中学の同級生だったという。奥方は中学、高校時代の憧れの人だっただけに、びっくりした。おまけにボクと一緒に写った写真を見せたところ、奥方は大変、喜ばれたとか。本当に縁はどこでつながっているか分からないものだ。

先週は、あるパーティーで、熊本県民テレビの新社長と会った。どこかで見た顔だと思っていたら、若いころ日本テレビの政治部の記者だったことを思い出した。年齢もほぼ一緒で、政治家の朝回り夜回りで、顔を突き合わせることも多かった。これまた数十年ぶりの再会で、思い出話に花が咲いた。

まだある。ボクの甥(おい)は、来春、大学を卒業するが、JTへの就職が内定している。数日前、JTの熊本支店長が赴任挨拶に来られた。前の職場は、本社の人事課長だったそうだ。これまた話しているうちに、「実は、お宅の甥御さんを面接したのは、私です」ときた。甥の話は前支店長が転勤の挨拶に来られた時に話してはいたが、新支店長は甥の名前を聞いて、面接のことを思い出したそうだ。

この手の話のネタには事欠かない。ボクが佐賀支局に居た時、懇意にしてもらった県警本部の捜査2課長がいた。この人は、ボクが浦和支局長の時、埼玉県警本部長として転勤してきて、大いに助けられた。このころ隣県・群馬県の検事正は、秋田支局の時に秋田地検にいた若手検事で、飲み仲間だった。文化企画局長だったころ、お世話になった文化庁長官とは1年半ほど前、東京・門前仲町の小料理屋で再会した。

これが熊本県内や熊本市内となると、やったら知り合いや知人が多い。社員の親戚、同級生、幼馴染などがゴロゴロいる。うかつに悪口など言おうものなら、どこでどう本人に伝わるか分かったものではない。地縁・血縁の巣窟みたいな感じなのだ。どこでどんな人とつながりがあるか、分かったものではない。世間は狭すぎる。

話は代わるが、ジャポニカ・セナガアナゴこと植田社長が、先週、東京に出張に行って、赤坂でカラスに襲われた。多分、「美味そうなアナゴだ」と思って襲ったのだろうが、煮ても焼いても食えないとわかり、諦めたのだろう。植田社長は、ボクの腹の中と同じくらい真っ黒なカラスだったので、ボクの差し金で襲ったのではないかという。いくら日本が狭いといっても、そんなことがあるわけがない。社長、ボケたのか。

ヤッちゃんのタメ口

社長様がボケるわけないだろう!!誰かと違って忙しい毎日を過ごされていると言うのに…まったくなんて事を言うんだ。だいたい、社長様でなくてもカラスを差し向けたのは“会長の仕業”だと疑う。あの細い目の奥で何を考えているか解ったもんじゃない。こうなれば仕返しにオレ様も…
それにしても、中学・高校と会長に付きまとわれたあげく憧れられていた方は、やっと過去に封印が出来たと思った時にまた写真を見せられるとは。さぞショック…いや驚いただろう。出来れば権力の残骸を武器に社員をこき使っている今の姿も伝えたいものだが…。そう、日本。そして熊本は狭い。会長が権力の座を取り戻すべくどこかで悪さをたくらんでいると、その事はすぐにオレ様の耳に入るようになっている。悪さをたくらむのもいいが、せいぜい気を付けてな。そう、世間は狭いから…。