先週、久しぶりに東京に行った。長年、住み慣れ、生活していたところだが、全くの異次元の世界のように思えた。エスカレーターを歩いて登り降りし、通路も小走り気味に歩いている。みんな急ぎの用事でもあるかのようだ。電車や地下鉄では青白い顔が目立ち、無表情の人が多い。どうみても生活を楽しむ街ではなさそうだ。そう思うのもボクがすっかり田舎人になってしまったせいだろうか。

今回の旅行は、以前勤めていた文化企画局という職場のOB会に出席するためだ。5年前に一度、開いたそうだが、その時は出席できなかったので、今回が初めて。ほとんど10数年ぶりに会う人達で、懐かしい限りだった。当時の面影を残している人達が多く、たちまち昔に逆戻りした。東京はいやだが、こんな会合ならいつでも出かけたい

文化企画局というのは、展覧会、音楽会、博覧会、国際マラソン、剣道、柔道など文化・スポーツのイベントや行事を担当する職場だ。付き合う人達は一流の画家や作家、文化人、スポーツマンなどで、よそでは決して経験できないだろう。国内といわず海外旅行も多かった。仕事柄、フランス、イタリア、イギリス、中国などの博物館や美術館に足繁く通った。まあ、ボクにとっては天国のような職場だった。もちろん、今の会社も天国に近いが、これはボクが天国(ひょっとしたら地獄か)に近付いたせいでもある

ボクはここで局長をしていた。異動してすぐ気がついたのは、局長と局員の間がよそよそしいことだった。局員が報告にきても入口で直立不動してモノをいう。これではいけない。ということで、ボクは局長室を酒場にした。仕事が一段落した後、イベントや行事のない日は、暇そうな局員を強引に呼び入れ、酒盛りを始めた。最初は落ち着かなかった局員も、いくら騒いでも文句がでないと分かると、どんちゃん騒ぎを始めた。腹を抱えて笑い転げることも多かった。時には各地の美味しいものを取り寄せて、宴会も開いた。みんなボクと局次長で身銭を切ったが、社外で飲み食いするよりは安上がりだった。

今にして思うと、お酒やビールの嫌いな局員もいたはずで、相当、迷惑を掛けたことだろうと思う。ボクはもっと長く局長をやっていたかった。でも楽しんでいるボクに嫉妬した上司によって2年後には他の部署に異動させられた。これでホッとした局員もいたことは間違いない。ともあれ、いろんな甘美な思い出が多いだけに、再会は感激の連続だった。ついつい、思い出話に花が咲いた。

近況を聞いた。ほとんどが悠々自適の毎日。旅行、山登り、読書、畑づくりなど趣味の世界を楽しんでいる。ひとりで地域新聞を発行したり、本を出版している人もいる。第二の人生を謳歌している様子がよくわかった。現役の片隅にしがみ付いているのはボクぐらいのものだ。そうだ。ボクもアナゴ社長やヤッコダコ(注・ヤッちゃんの新たな呼び名)などにこき使われるより、華麗な転身を図るべき時期にきているのだ。

友人の名刺には「隠居」という肩書があった。いまや「隠居」とは死語に近い。でも、いいなあ。ボクも早く「御隠居様」になって、アナゴ社長たちを、鼻先でせせら笑ってやろう。もうしばらくの辛抱だ。

ヤッちゃんのタメ口

なるほど、今回のコラムを読んでオレ様は再び感動した!“心が太平洋”のオレ様を再び感動させるなんてやるじゃないか!!
えっ、何がって?先週のコラムで会長が話題にした「タバコの買い占め」についてに決まっているじゃないか。会長の“やさしさ”と“太っ腹”の原点は過去の職場にあったと言うことをオレ様は初めて知った。となると、やはり社長様がおっしゃった通り、タバコを買い占めたのは社員を集めて「喫煙者の集い」を開くためなんだな、うん。オレ様の前に座っているM島さんは「最後の300円タバコが…」などと嘆いていたから、きっと涙を流して喜ぶはずだ
そうだ!“喫煙者の集い”だけだと不公平だから、オレ様のような“スイーツ好き”を集めた“会長スイーツの会(仮称)”なんぞを開いてもらってもいいなあ。ゴージャスなティーとナイスなスイーツを手に社員みんなで語り合う。KABはなんと素晴らしい局だ!さすがトップ!!隠居なんぞまだまだ早い。スイーツの会を早く実現してくれ!!そうしたら解放してやっていいから。