連日、東日本大震災の惨状が伝えられる。見聞きするだけで居ても立ってもいられない気持ちにさせられる。今回も大震災の話を書かざるを得ない。と思っていたら、広報担当のヤッコダコが「そろそろ気分転換に別の話題はどうか」と言ってきた。アナゴ社長直属を自認するヤッコダコの意向を無視するわけにもいかない。もし気分を害する人がいたら、文句はヤッコダコに言ってくれ

というわけで今回は「たかがヤキトリ。されどヤキトリ」という話題だ。最近、美味しいヤキトリの店を見つけた。一見して、店内が特に変わっているわけでもない。ところがよく見ると、カウンターも小座敷の3つの机も、厚さ10cm以上の小国スギの一枚板だ。いまどき、こんな贅沢な店は少ない。

入口のすぐ横に、焼き場がある。炭火の上には特注の分厚い鉄柱が3本。炭はもちろん備長炭だ。ご主人が丁寧に焼いている。焼き串は竹と鉄串を材料に応じて使い分けている。焼き上がると鉄串の手元を濡れた布で拭いている。お客に熱い鉄串を持たせないためだ。焼き加減はこんがりしたキツネ色。へんに焦げ付いているのを見たことがない。一度にたくさん頼んでも、一本を食べ終わったころ、次の串が出てくる。ある程度、焼くたびに金網をブラシで擦ってピカピカに光らせる。気配り、心配りは尋常ではない

食材はトリの身、皮、砂ずり、つくね、豚バラ、牛タン、イカ、野菜類など多彩だ。下拵えも丁寧だ。牛タンなど柔らかいところだけ厳選するので、半分ぐらいは捨てるらしい。朝から仕込みして、開店寸前まで準備で忙しい。どうしてかレバーがない。理由はご主人が嫌いだからだそうだ。ご主人、レバーも美味いから、焼いてくれないかなあ。

仕事ぶりからみて、ご主人は生粋の肥後モッコスに見える。ところがどっこい、鹿児島の出身だそうだ。以前はジーパン屋をしていたが、17,8年前、一念発起してヤキトリ屋に弟子入りして、転職した。もう熊本が長いから、肥後モッコスもすっかり身に染み付いているようだ。

働いているのは、ご主人夫婦と息子と娘の家族だけ。これがアットホームで、実に居心地がいい。変に媚びるところもなく、かといって愛想が悪いわけでもない。ご主人は無口だが、いつもニコニコしている。ボクは一度、行って病みつきになり、週に1度は通うようになった。心配なのは値段だが、これが安い。二人で、ビールを飲んで、焼酎をキープして、ワインを一本飲み干し、腹一杯食べても、一万円からお釣りがくる。普通なら一人二、三千円ぐらいではないか。実に良心的なのだ。

さて、このヤキトリ屋さんはどこにあるか。絶対に教えたくない。でもボクが独占するわけにもいかない。お店(焼とり なか田)の許しはもらったので、特別に教えよう。熊本市下通二丁目のワシントン通りにある。サンロード新市街の方からだとワシントンホテルの数軒手前で、右側にある。ただし、相当、込み合うので事前に電話(325-9510)予約しておいたほうがいい。そこでボクに会っても知らない顔をしてもらいたい。ヤキトリを食べて元気を出し、大震災の支援運動に取り組もうではないか

ヤッちゃんのタメ口

おいおい、オレ様をだしに使うな!「焼き鳥の話を書いてもいいでしょうか?」と毎日のようにオレ様の所に頼みに来るから“心が太平洋”のオレ様が「いいですよ」と優しく答えてやったらこの書き出しか…。“親の心 子知らず”とはこの事だな。
まあ、オレ様も焼き鳥は大好きだから(ちなみにオレ様は小鳥を2羽飼うほどの鳥好きだ!)許してやってもいいがな。しかし、この原稿を書くのがよっぽど楽しかったんだろうな。あまりにも時間をかけて丁寧に書くから、いつもより遅い時間にオレ様の所に原稿を持って来た。(朝貢形式を取っているので、原稿は会長自らオレ様の所に持ってくるのが習わしとなっている!)あまりの原稿の遅さに肉食系トリオの中の可愛らしいお姉様が(注・vol.296を参照)「まったく、何でこんなに原稿が遅いの!」と、オレ様の代わりにプンプン怒って下さった。オレ様がなだめたから会長に被害は及ばなかったが、もしあのまま怒りが会長にぶつけられたらと思うと…(汗)会長には感謝してもらいたいものだ。
そうだ、丁度いい。今回の感謝の気持ちを表すのと、日頃オレ様が相手をしてやっているお礼に焼き鳥を食べさせてもらおう!
そして、肉食系トリオのお姉様も一緒に行こう。そうすれば和解できるかもしれないし。春からオレ様はやさしい人間だ、うん。