このところ著名人の死亡がやたらと目につく。なんでも後期高齢者に近付くと、新聞の死亡記事が気になるそうだが、なにもボクは後期高齢者ではない。広報担当のヤッコダコに言わせると、単なるボケ症状の一種だそうだ。それもとんでもないことだ。ヤッコダコのたわごとは、ボクにたいする嫉妬の念から出ただけのことだから無視するに限る。

亡くなられたのは、皆さんも十分、ご存じの人だ。一人はテレビ朝日のアタック25の司会者だった児玉清。ロマンスグレーでお洒落な司会者として名を馳せた。インターネットで調べていたら「枯れ専」として女性に人気があったそうだ。「枯れ専」とは枯れかかった男性を専門に好きになることだが、実はボクも「枯れ専」を自認している。ボクが発明した造語とばかり思っていたら、本当にこんな言葉があったとは驚きだ。

もう一人は俳優の長門裕之南田洋子とおしどり夫婦としても有名で、いまさら説明する必要もないだろう。ちょっとびっくりしたのは長門裕之が77歳、南田洋子が76歳だったことだ。この年齢前後で亡くなったのは、ほかにも坂上二郎玉置宏などがいる。ひょっとしたら男の77歳というのは、厄年かなんかだろうか。77歳といえば喜寿であり、お祝いすべき年なのだから、まあ、偶然なのだろう。それにしてもボクも喜寿まであと10年を切った。そろそろ心しておかないと。

話は変わって、私事で恐縮だが、ボクの母も10日ぐらい前に他界した。94歳だったから、年齢に不満はないが、子供としては、もう少し長生きしてほしかった。昨年までは元気で、一人で買い物に行ったり、料理もしていた。その後、何度か入退院を繰り返し、そのたびごとに医師からは「いつお亡くなりになっても不思議ではない」と言われていたが、生きながらえていた。半年前に入院した時は、さすがのボクも覚悟していた。

それでも病床ではいつも笑顔で、冗談を言ってはボクらを笑わせていた。看護師さんたちにも人気者だった。食欲は旺盛で、デパートの寿司、サイダーなどを欲しがった。最後は高級アイスクリームを食べたがり、一日に3,4個も平らげていた。どれくらいボケたか試すために「ボクの名前は誰だ」と聞くと、「あんた、自分の名前も忘れるほど、ボケたか。ボケていないなら、自分の名前を言ってごらん」と切り返してきた。

母から愚痴や人の悪口を聞いたことがない。どんな人でも平等に扱い、わけ隔てがなかった。お客さんが大好きで、手料理でもてなしていた。子供は男ばかり5人。長男は小さいころ亡くなったが、それでも「4バカ息子」を育て上げるのは大変だったろう。育児に励みながら、料理学校に通い、茶道に明け暮れ、ちゃんと免状も貰っている。ボクの父は脳溢血で倒れ、病床に伏せったままだったが、母は10年以上、病院に泊まり込んで、父の面倒を見ていた。わが母ながら尊敬せざるを得ない

母の口癖は「一生過ぎての身の自慢」だった。ボクたちが入試に合格したり、就職したり、役職について有頂天になると、そのたびに、この言葉で戒めてくれた。中国に「棺を蓋いて事定まる」という古い言葉があるが、母が知っていたとは思えない。ともあれ、母の一生は自慢するに値すると、ボクたちは思っている。

ヤッちゃんのタメ口

きのうのことだが、オレ様がベリーベリービジーに仕事をしている時にニコニコしながら会長がやって来た。コラムの締め切りには1日早いから“日頃の頑張り”に対して労いの言葉をかけに来たのかなあ~~と思っていたら、なんと「あす(25日)はゴルフに行くからそれが楽しみだ」との他愛もない話をしに来ただけ…。どうも原稿の提出日であることを忘れていそうだったから、オレ様がやんわりと「ゴルフ場からプレーの場面などを盛り込んだ原稿を送ってくれるんですか?」と聞いてやったら、会長が固まった…笑顔が一瞬にして凍りついた…。そう、会長はこともあろうにKABでの数少ない大切な仕事を忘れていたらしい。さすがに老獪で百戦錬磨をくぐり抜けてきただけはある、すぐに普段の笑顔(目がなくなる、あの怪しい表情だ!!)に戻り、「原稿は大丈夫だから」と取り繕った。「甘やかしてはいけない」と思ったオレ様が厳しく言ってやろうと思うや否や、オレ様の斜め前に座っていらっしゃる可愛らしい“肉食トリオ”(詳細は過去の項目を参照)の1人が「あす居らっしゃらないのなら、きょう書いていきますよね」と、ズバリ言って下さった。ふ~っ、見事なアシストだ。サッカーで言う所の「エンゼルパス」だ。これならどんなFWでもシュートを決められるはずだ。ありがとう“肉食系トリオ”のお姉さま!!「では、原稿をお待ちしています」オレ様の毅然とした態度に、会長はゴルフの話もそこそこにしてそそくさと原稿を書きに部屋に戻った。

まあ、こんな日々を過ごしているようだから会長はまだまだ元気だろう。どうやらオレ様が手綱を緩めると気を抜いてしまいそうだから、これからは“肉食系トリオ”のお姉さまにも協力いただいて、ビシビシ仕事を与えてやろう!おっと、今頃ゴルフ場くしゃみをしているかもしれないな…。