立秋はとっくに過ぎたというのに、相変わらず暑い日が続いている。昨年ほどの猛暑続きではないが、それでも蒸し暑さは熊本独特のものがある。もっとも立秋とは、暦の上で暑さが頂点になったということだ。これから徐々に秋に向かうという意味だから、暑さが続くのは当たり前だ。そうはいっても朝夕は、雲の佇まいとか、ひんやりとした風向きに、どことなく秋の気配がのぞいてきた。というのは思い込みか。

夏休みも残り少なくなってきた。同時にツクツクボウシの鳴き声も大きくなってきた。子どもの頃、あの鳴き声を聞くと、そろそろ宿題に手を付けないと間に合わないと思い始める。どういうわけか、ツクツクボウシと宿題とは切っても切れない宿命を感じたものだ。今にして思えば、単に遊び癖サボり癖がつき、焦り出したというだけのことだったのだろう。最近は外で遊び回る子どもたちの姿を見ることがめっきり少なくなってきたが、やはり宿題に苦労しているのだろうか。

ボクはセミのなかでツクツクボウシが一番、好きだった。透明な羽根を持つのはクマゼミと一緒だが、ずんぐりとしたクマゼミにはどことなく無骨な武士の姿を彷彿とさせる。鳴き声も力強く、いかにも男らしく響く。そこにいくとツクツクボウシはクマゼミよりふた周りほど小さく、ほっそりとして華奢に見える。貴婦人の風格を感じるのだ。鳴き声も、長く鳴き続けるが、どこか儚げに聞こえてくる。ツクツクボウシは警戒心が強く、動きも素早く、捕まえるのが難しい。それだけに有難く思えるのかもしれない。

生態も、クマゼミが鳴くのは午前中が中心だが、ツクツクボウシは太陽が傾きかけてから日没後まで鳴き続ける。好みの樹木もクマゼミがセンダンなのに、ツクツクボウシは好みがなく、ヒノキ、クヌギ、カキなど、なんでもいいようだ。ちょっと目には似ていても、観察すると、かなり違う

実は、ツクツクボウシは寒さに弱く、クマゼミと同じように南方系に近い。晩夏から初秋にかけて成虫となるが、最近は夏の初めから鳴き出すこともまれではなくなった。昔は北日本の生息地は局地的だったが、最近では東北の盛岡や仙台でも増えてきたそうだ。やはり温暖化の影響かもしれない。一方で、アブラゼミなど大型のセミが減ってきた地方では、ツクツクボウシが増えてくる傾向もあり、大型セミとの時期的な住み分けから増えてきたという説もある。

たしか小泉八雲だったと思うが、ツクツクボウシを扱った小作品があった。なんでも福岡県の筑紫地方出身の男が故郷を離れて、故郷を偲びながら、病で亡くなった。その生まれ変わりがツクツクボウシだそうだ。だから鳴き声も「筑紫恋―し」になった。まあ、こじつけだろうが、それなりにロマンも感じてくる。

ところでKABも節電とかエコとかで、冷房温度、照明、服装など、規制がうるさくなった。まあ、悪い話ではないので、ボクも積極的に協力している。天気のいい日は、部屋の照明も一切、使わないようにしている。ついでに室内でツクツクボウシを飼って涼感を得ようかとも思ったが、嫌がらせに見えるといけないので、やめた。

ヤッちゃんのタメ口

“セミの鳴き声”と言ってオレ様が真っ先に思い浮かべるのは「ミンミンゼミ」「アブラゼミ」だ。特に、夏=「ミンミンゼミ」か「カブトムシ・クワガタ」「アゲハ蝶」と言うくらいオレ様の夏には欠かせない?虫だ。家の壁や網戸にやって来てやかましく鳴いているかと思えば(あの鳴き声で確実に体感温度が上がる!!)外に遊びに行くとその大合唱の中を走り回る。特に、クヌギ林や栗林で虫採り(カブトムシやクワダムシ)をする時は、いつも頭上から「ミンミンゼミ」の鳴き声が降り注いでいた。たまにおしっこをかけられたりもしたが…。

しかし、熊本に来てから「ミンミンゼミ」の鳴き声をあまり聞かなくなったので正直寂しい。なんでも、暑さにあまり強くないらしく西日本は山地ぐらいにしか生息しないらしい。う~ん、そうなのか。そうなると、今年の猛暑はかなり応えているだろうな!昔は、うるさいし暑苦しいので嫌だったが、いざ聞けないとなると無性に寂しくなるのは少し我がままだろうか?熊本と言えば暑さに強い「クマゼミ」が一大勢力を誇っているが、そう言えばその「クマゼミ」の鳴き声も例年より聞かないような気がする。会長によって(いろいろ世話するのに手がかかる!)オレ様が社内に缶詰めにされているから聞かないだけか?

気のせいだといいのだが…。