とかく人と人との付き合いは難しい。前の会社にいた時には、いずれ故郷に帰るということで、いささかチャランポンな付き合いをしていた。しかし、帰郷した今は、他に行くところもなく、生涯の付き合いを覚悟せざるをえない。どうやったら、うまく付き合えるだろうか。日々、悩みのネタは尽きない。

付き合いが上手いのは政治家だ。よく使う手のひとつに「ニコポン」というのがある。初対面の人にあったら、まず、ニコッと笑顔を見せる。「私はあなたに敵意をもっていませんよ。それどころか、これから友達になれそうですね」という意思表示になる。そして相手の肩をポンと軽く叩く。肉体的接触をすることで、親密さは一歩、進む。この時、間違っても強く叩いてはいけない。その場合の「肩叩き」は退職勧告になるからだ。

もうひとつの手は「チカメシ」だ。何回か会った人には、必ず「近くメシを食べましょう」と誘う。相手は「そうか。私はこの人に気に入られているんだ」と思い込む。それが狙いだ。誘ったからと言って、実際にメシを食べる必要はない。誘われたからと言って、すぐ「いつ、何処に行きましょうか」と詰めてはいけない。単なる儀礼的挨拶の場合が多いからだ。ボクも若い時、政治家からよく誘われたが、実現した記憶は、ほんのわずかしかない。もっとも、最近は政治家が少なくなり政治屋が増えているそうだから、いまもこの手が使われているかどうかは、知らない。

そのうち、ボクはハッと気がついた。ボク自身がどうやら「チカメシ」を乱発しているようなのだ。パーティーや小料理屋での飲み会などで、気に入りそうな相手を見つけると、無意識のうちに「チカメシ」をやっているらしい。最近、数人の人から「お食事の誘いを受けましたが、あの件はどうなっていますか」と詰め寄られた。記憶をたどると、チラホラと思いだしてくる。仕方がないので「いやあ、最近、認知症気味で。今度、美味い店を探しておきますよ」とかなんとか辻褄を合せるハメになる。

それはそれとして、生粋の熊本県民と付き合うのは難しい。なにせモッコスで、気位が高く上下関係に敏感な人が多いからだ。数回、会っただけで「○○チャン」なんて呼んではいけない。呼ぶ方は、親愛の情を込めてのことだが、相手は「そんなに親しくもないのに、目下扱いするのか」と受け止めることがある。1,2度通った店で、常連客のような顔をするのも嫌われる。なにせ店側は「常連客かどうか決めるのは、俺たちだ」と思っているのだから。

自慢話も敬遠される。これも相手に「そうか、お前はそんなに偉いのか。どうせ俺たちは、あんたより下層民だからな」なんて誤解される恐れがあるからだ。相手がいくら年下でも、命令口調でモノを言った日には、「二度と会いたくない」と思われかねない。まだまだいくつもあるが、ボク自身が嫌われることになるので、これくらいで止めておこう。

ちなみにボクはよほど親しくならない限り「○○さん」だけで通す。年下の相手でも「○○君」が限度だ。えっ「ヤッコダコ」なんて呼び捨てはいいのかって。それは尊敬の念を込めて呼んでいるのだから、いいのだ

ヤッちゃんのタメ口

確かに、会長が社員の名前を呼び捨てにしているのは聞かないなあ~。男子には“君”で女子には“さん”を付けている。改めて振り返ると、呼び捨てにされているのはどうもオレ様とコケボウぐらいか?まあ、尊敬の念を込めていると本人が認めているからいいがな。

そうそう。付き合い方で思い出したが、オレ様がロアッソ熊本の取材をしていた頃、選手の取材をする時や久しぶりに会った時など良く“握手”をした。人と握手をする事など普段はほとんどないからはじめはドキドキしてしまったが、慣れてくるとこれがなかなかいい。握手1つで緊張感がほぐれたり、その人との距離がぐっと近くなったような気がするのだ。そうだ、オレ様が学んだ握手コミュニケーションを会長にも教えてやろう!老い先短い会長が少しでも人に嫌われないように(少なくとも会社外で)助けてやるのもオレ様の役割だからな!とは言え、会長と握手するのはちょっと抵抗があるな…肉食トリオのお姉さまにお願いしようか…おっと、目があったら睨まれたぜ!!こうなるとコケボウの出番かな…。