今年の寒波は厳しい。こういう時には自宅に閉じ籠って、暖を取るに限る。と思っていたら、逆手にとって水際で飲み会をやろうという話が舞い込んだ。場所は熊本市の江津湖の畔のボートハウス。とんでもないことだが、「焚き火を囲む会」ということで、飛びついた。目新しいとすぐ食い付くのが「わさもん」(熊本弁で新しいもの好き)の悪いクセだ。夕方5時からだが、わざと1時間遅れて参加した。知人からは「へえ、焚き火ね。じじ・ばばごっこに行くの」と冷やかされた。

会場は、すでに大盛り上がり。40人以上はいそうだ。ワインを一杯も飲まないうちに「乾杯の音頭を」と押し付けられた。どうも遅刻した懲罰的な臭いがするが、気の弱いボクに断る勇気はなかった。焚き火は2m弱四方の囲炉裏風の箱の中で燃え盛っている。得も言われぬ香りが漂ってくる。焚き火の上に大きな青竹が差しかけられている。カッポ酒ではないか。早速、大きめのコップを差しだす。青竹から注ぐとき、「かっぽかっぽ」と音がする。青竹の油が染み付いたのか、芳醇な香りと味がする。

外からは焚き火に温められ、内側ではカッポ酒が体内を駆け廻っている。寒さは瞬時にして吹き飛び、至福の時が訪れる。それだけではない。バーベキューコンロの上では、阿蘇の赤牛、シカ肉、イノシシ肉が次々と芳しく焼き上がっている。その隣は焼きカキ。東日本大震災の被災地から、生き残ったカキをわざわざ取り寄せたとか。奥の方では猪鍋がぐつぐつと煮詰まっている。まさしく山海の珍味と言うべきか。酒も食べ物も、いくらでも喉を通っていく。じじ・ばばと言われようと構わない。

室内であれば酔っぱらうところだが、ほろ酔い加減のままだ。青竹の燗で、余分のアルコールが飛び、うま味だけが濃縮されたからだろうか。熱燗のひれ酒の味わいにも似ている。焚き火を外れると、瞬時に身体が冷え、それが酔いを醒ますのかもしれない。ともあれ適度の酔った感じが続くのだ。

ふと西の空を眺めると、上弦に近い月が出ている。ちょっと離れたところに宵の明星(金星)が輝いている。山の端近くの空は、薄紅と薄紫の混じり合ったような、微妙な色合いだ。夕焼けの名残だろうか。まさに黄昏(たそがれ、誰そ彼)時の典型的な風景だ。別の呼び方では逢魔時(おうまがとき)ともいい、魔物と出くわす頃会いだ。神秘的で、つい引き込まれてしまう。あまりの美しさに、近くの人達に呼びかけたが、「あらきれいね」とちょっと関心を示しただけ。あとは飲み食いに去って行った。「君たちは、色気はともかく食い気と飲み気の革袋か」と言いたくなったが、嫌がられるだけだから止めた。

そう、ボクは根っからのロマンチストなのだ。単なる酔っぱらいではない。いつも夢を探し、美意識を研ぎ澄まし、美の極致を求めているのだ。えっ、だれだ。「典型的なロマンチストボケ」と言ったのは。断わっておくが、「ロマボケ」はボクだけではない。この会を企画した県警のM氏とその仲間も、相当なものだ。いつも夢みたいな遊びを考えている。この冬も、あと一回、「焚き火を囲む会」をやりたいと言ってきた。ボケ競争ならボクも負けない。次回も参加するぞ。

ヤッちゃんのタメ口

なるほど、根っからの“ロマンチスト”か…。会長=“ロマンチスト”なんてオレ様はファーストイヤー=初耳だぞ!!「夕暮れの風景に心を奪われた…」のような事を書いているが、なんの事はない。年を取ったから“涙もろく”なってきただけだろう。“涙もろさ”を“ロマンチスト”に置き換えるとは勘違いも甚だしい!!だいだい美意識を研ぎ澄ますなんて言いながら、ランパツの“いんちき占い”を信じてラッキーカラーの服を身に着ける時点でセンスが悪い。そもそもランパツの策に籠絡された時点で、オレ様は“美意識”を疑うがな…。本当に美意識を研ぎ澄ますなら、まず部屋をかたずけた方がいいな。どれだけ散らかっているか…写真で掲載したいぐらいだが(掲載しようとしたら“肉食系トリオのお姉さま”の1人に禁止されてしまった!)まあ、いろいろなものが自由に動き回っている。会長のおおらかさを表していると言えばそれまでだがな。少しでも美意識を高めたいのならオレ様がいろいろと教育をしてやってもいいぞ。何せオレ様は…おっと、自慢になるからあまり言うのは止めておこう。会長がへそを曲げるかもしれないしな。とにかく、美意識うんぬん言うのなら身の回りの整理から考えた方がいいぞ!!