前回は芦北の「うたせ船」で不知火海のことを書いた。で、今回は空の話にしよう。空と言っても、どこかの航空会社の定期便に乗ったということではない。自家用機で空を漫遊したのだ。断わっておくが(断わるまでもないが)ボクが保有しているわけではない。ボクの知人の知人がオーナー兼パイロットなのだ。なんでも熊本市北区の建設会社の社長で、特定の特許を持ち、全国を飛び回るために自家用機を買ったとか。

自家用機と会長数週間前、知人から自家用機で屋久島に行かないかという誘いがあった。モノ好きのボクが断るわけがない。1泊2日の日程だ。期待に胸を膨らませていたら、予定した日は屋久島の天候が悪いということで、急遽、日帰りの島根・出雲大社参りに変更になった。まあ、それでも空を飛べるからいいではないか。阿蘇くまもと空港に行く。エプロンに立派な小型機が駐機していた。小型機といえばセスナ機を連想しがちだが、これは6人乗りのパイパー機だ。

早速、乗り込む。「副操縦席にどうぞ」と言われ、これ幸いと、素直に従った。いよいよ飛び立つ。機内の騒音は思ったより小さく、ちょっと大声を出せば、会話もできる。万華鏡のような地上の景色を眺めていたら、雲の中へ。その雲を抜けると、もう一段上に雲の層がある。下段と上段の雲の合間を縫うようにして飛び続けた。高度は3000mから3500mとか。雲以外に何も見えず、機体の揺れも心地よく、不覚にもついウトウトしてきた。寝ては目が覚め、寝ては目が覚めを繰り返す。

1時間ぐらいたったら「あと30分で島根に着く」と起こされた。空は次第に晴れてきた。地上の景色も抜群だ。中国山脈の新緑が目に染みる。くねくねとした川が光り輝く。人家や道路が箱庭のようだ。走る車がアリの群れのように見える。まさに空中散策という感覚だ。高度がどんどん低くなる。時折、機体が大きく揺れるが、不安を感じるほどではない。パイロットの腕も相当いいようだ。これなら安心だ。と思う間もなく着陸した。あっけない思いもする

レンタカーで出雲大社に向かう。その前に昼食をとらなければ。島根と言えば出雲であり、出雲そばだ。比較的大きな店に立ち寄る。出雲ワサビを乗せたソバは香りも良く、おいしかった。ところでなぜ出雲大社なのか。同行者の話を聞くと、縁結びの神様で、独身生活の長いボクを見かねて、願掛けにちょうどいいとか。とんでもないことだ。ボクはまだ神様にすがるほど落ちぶれてはいない(つもりだ)。でもまあ、一応、賽銭を入れて、お願いはしておいた。ひょっとしたらひょっとするかもしれない。

自家用機の中帰りの飛行も快適だった。途中はやはり雲の合間だったが、阿蘇の上空までくると、雲も切れ、見慣れた景色が展開している。梅雨明けには最初の目的通り、屋久島に行こうと言う話になった。なんでもオーナーは次にジェット機の操縦士を目指しているそうで、そのためにも慣熟飛行する必要があるそうだ。それにボクらが便乗するということらしい。ということで知人の知人は、親しい友人になった(とボクは勝手に思っている)。次の飛行はもっと楽しくなるぞ

ヤッちゃんのタメ口

羨ましいぞ、むちゃくちゃ羨ましいぞ!!先週のコラムをオレ様に提出した後「今度も楽しい事があるんだよな~」と、会長はさもオレ様に聞いて欲しいかのように言ってきた。

そこでスルーしてもいいのだが“心が太平洋”のオレ様は、「何があるんですか?」と、さも興味があるかのように聞いてやった。すると話が出るわ出るわ…。詳しい事はコラムに書いてあるが、「プライベートジェットで出雲に行く!!」と年甲斐もなくはしゃぎまくっていた。どうせならコラムを盛り上げたかったから「写真を撮って来て下さい」と言ったら、満面の笑みの会長の写真がオレ様の机に置かれていた。なんだなんだ、楽しそうな嬉しそうな表情は!!こんな表情を見たら正直悔しくなってしまうじゃないか!!

満面の笑みの会長

いつも冷静なオレ様だが、2週間も会長の道楽ネタが続くとちょっと悔しいな~。今度は屋久島に行くだと?よし、このコラムをもっともっと盛り上げるために、オレ様もついて行こうじゃないか。おい、会長オレ様もちゃんと連れて行けよ!!