オウム真理教の特別手配犯人は、高橋克也を最後に19人全員が逮捕された。指名手配されてから17年間。気の遠くなるような長期間、逃亡を続けた高橋。ひとつの時代の幕切れという気もする。それにしても最近の事件を振り返ると、監視カメラが果たした役割の大きさに驚かされる。人の出入りする場所に監視カメラは不可欠のような感じさえする。これも時代の流れだろう。

昔、欧米のSF作家の近未来を描いた小説を読んだことがある。近い将来、町中に監視カメラが設置され、国民はプライバシーもなく、常時、政府の監視下に置かれる。言動から見て、政府に批判的だったり、反抗的な国民はただちに逮捕され、投獄される。良心的な国民は地下道などに隠れて生活するようになった。確かそんな筋書きだったと思う。読んだ当時は、監視カメラなどあるわけもなく、いくら近未来とはいえ、そんな時代が訪れるなんて想像もつかなかった

それがどうだろう。いまやまさに現実のものになったのだ。ボクは決して監視カメラが犯罪予防や犯人逮捕に役だっていることまで批判しているのではない。しかし、ボクらが全く気付かずに監視される立場に置かれていることは間違いない。普通の人なら、日頃、訪れるコンビニや銀行、役所の監視カメラに気付くこともない。

ナチス時代、ドイツ国民はゲシュタポ(秘密国家警察)の監視下に置かれ、ソ連時代にはゲー・ペー・ウー(GPU・国家政治保安部)が暗躍し、日本でも戦争中は特高(特別高等警察)が幅を利かせていたことは記憶に新しい。監視カメラがいたるところに常設された今、似たような政治的動きが出てきたらどうなるだろう。言動に気を配るような生活には耐えられない。ひたすら平和な時代が続くことを祈らざるを得ない。

話は全く変わるが、オウム真理教といえば、松本サリン事件を思い出す。1994年、松本市内の住宅地にサリンが撒かれ、8人が死亡、660人が重軽傷を負った。第一通報者であった河野義行さん犯人扱いされ、朝日新聞をはじめマスコミも大々的に報じた。しかし、河野さんの冤罪は明らかになった。当時、ボクは前の会社で地方の支局などを統括する部署の部長をしていた。なにはさておいても河野さんに謝罪しなくては

ということで、ボクは長野支局長と一緒に河野さんの自宅を訪れた。門前払いされるのを覚悟の上だった。ところが河野さんは、快く自宅に招き入れ、陳謝を受け入れてくれた。サリン被害者の奥さんは生死の境を彷徨っているというのにだ。いろいろ話をして、いざ帰るときに、河野さんは子供と一緒に玄関まで見送りにこられ「これからも真実の報道に頑張ってください」と励まされた。ボクはいまだかって河野さんのような高尚な人に会ったことはない。

その河野さんが数年前、KABを訪ねてこられた。今は鹿児島に住み、講演で各地を回っていて、熊本でも講演するということだった。話は当然、事件当時の事に及んだが、河野さんはボクが陳謝に行ったことを覚えてくれていた。まさに人との出会いというのは不思議な縁があるものだ。

ヤッちゃんのタメ口

う~ん、監視カメラの件は確かにそうだな。犯罪などの対応には確かに有効だが、何も関係ない人にとっては…んっ、そう言えば最近会長がやけに社内の事情に詳しいぞ?

「あいつがどこに行った」だの「あいつはきのう何を食べた」だの。オレ様としては単に暇だから社内の人間をかたっぱしから捕まえては話しこんでいるだけかと思ったが、もしかすると社内の言論統制を敷くために監視カメラを仕掛けているんじゃないか?会長なら確かにやりかねないなあ~。

まあ、オレ様は会長と堂々と対決しているから問題はないが、何も知らない社員が罠にでもかかったら…。そうと知ったら早速社内チェックだ!!ただし会長の忠実な部下である“コケボウ”には悟られないようしないと筒抜けになるから注意だな…