みんな気が付いていないだろうが、今回からコラムの題が変わった。理由は簡単だ。7月1日付けで、ボクの肩書が会長から相談役になったからだ。えっ、アナゴ社長に左遷されたのかって。まあ、見方によってはそう見えるだろう。社内の権力闘争で、会長派は連敗につぐ連敗。ついに会長を放逐されたのだ。こうなれば今後は相談役派を率いて、巻き返しを図ってやる

本当を言うと、もう年が年だから、もうそろそろ引退をと考え、社長にお伺いを立てた。社長としては、いい機会だから、この際「離党」ならぬ「離社」処分で、社内の権力闘争に一挙に決着をつけたかったに違いない。しかし、そうすると「隠れ会長派」の怒りを買うかもしれない。表に出ない「隠れ会長派」は陰険な存在だ。「便所の火事」ではないが、「ヤケクソ」で騒ぎを起こされても面倒だと読んだに違いない。そこでボクの意中を汲む形で、一見横滑りに見える相談役にしたに違いない。

さて相談役として、一体、何をやるのか。人事情報を嗅ぎつけた広報担当のヤッコダコが早速、駆けつけてきた。そしてボクに慰めの言葉を掛けることもなく、「コラムは引き続き書いていただく」と言い放った。もうコラムのネタも切れかかったから引退したかったのに、全く斟酌なし。多分、社長派の末端としての嫌がらせに違いない。いや、決して社長の差し金とは思っていない。

災難はさらに続く。某局長と某部長が、お互い目配せしながらやってきた。「お願いがある」と切り出しは丁寧だ。「なにか企んでいるな」とピンときた。なんでも一昔前のようにKABのCMをやってくれという。とんでもないことだ。「冗談を言うな」とボクは声を荒げて断わった。これで引っ込むような二人ではない。「ケービィーちゃんとの共演を復活させたい」だって。「それは社長にやってもらえばいい」と拒否した。ところが二人は「社長にズッコケ役をやらせたり、笑い者にするわけにはいかない」と恥じらいもなくいう。

ボクを笑い者にするわけか。ますます腹が立ってきた。相談役を甘く見るんじゃない。二人は「とにかく社長と相談して決めたことだから、拒否することはできない」と平然としている。なんという会社だ。こう見えてもボクは元社長、前会長だぞ。それなのに二人は「だからなんだ」という顔をして、今度は「相談役の面白おかしいCMを期待しているファンが沢山いますから」と懐柔策に出てきた。とにかく詳しい経過は省略するが、結局、ボクはカブトを脱ぐしかなかった。こうなれば「乞食の帽子」「破れかぶれ」だ。

これですむわけがない。今春、新幹線開通一周年記念と熊本市の政令指定都市のスタートなどで甲冑武者行列や人力車を連ねた時代絵巻が行われ、実行委員会の発表では観衆は約20万人で、大成功だった。ボクは一切、表に出ることなく、協賛金集めに奔走した。来春も実施することが内定しているが、今回もカネ集め担当だって。果たして協賛金は集まるのだろうか。

やはり相談役派の結束を固めて、ヤッコダコらを圧倒殲滅するしかボクが生き延びるスベはないようだ。相談役派は何人いるかって。それは教えられない。

ヤッちゃんのタメ口

“相談役”…って、いったい誰が何を相談するのだろう?相談役への相談…う~ん、おいしい食べ物屋を教えてくれとか(時間と金はあるから夜な夜な食べ歩きに出かけている)おもしろい遊び方を教えてくれとか、仕事に関係のない事しか思いつかないなあ~。そこでオレ様は一計を案じた。このままだと「相談がないからオレは遊んでいるんだ!」と言いかねない。そればかりか大手を振って遊び回る可能性も高い。社長様が頭を抱えないように、少しでも会社に居る時間の職務をまっとうするような仕事を与えなければいけない。となると…まずは“コラムの継続”を仕事として与えなければなるまい。オレ様としては継続しようがしまいがどうでも良いことだったのだが、これ以上暇を与えるとろくな事をしないからとりあえずコラムを書かせておこう。それと…そうだ、CMにも出してやろうか!数少ない“相談役派”のコケボウと結託する恐れはあるが(かつての社長CMをプロデュースしたのはコケボウだからな)少しでも会社のイメージアップにつながるならいいだろう。それに、画面に出ることでちやほやされるようになったら(あくまでも希望的考えではあるが…)社内で相手をする人間が少なくてもまあ機嫌が良くなるだろう。どんなCMを作るのかは知らないが、まあそれは制作担当として辣腕を振るっているコケボウに任せよう。オレ様は忙しくてそれどころではないからな!!

ふ~っ、それにしてもオレ様はなんだかんだ言ってやさしいな。相談役の面倒をきちんと見てやっているんだから…