「七夕に遊びに来てください」と誘いが掛った。七夕だからといって、別に織姫彦星の出会いではない。誘ってきたのは、むくつけき男だ。しかも県内や九州ならともかく新潟の田舎まで出てこいというのだ。どうしようか迷った。が、今月からKABの会長から相談役に降格されたことだし、熊本ロータリークラブの会長も任期満了で解放された。まあ、節目の時でもあり、出かけることにした。

誘ってきたのは通称「コバちゃん」。ボクが埼玉県で支局長をしていたころ、同業他社の支局長だった。東京で通っていた小料理屋が一緒だったこともあり、付き合いは20年以上になる。「コバちゃん」は出版局長や事業本部長か副本部長などを務めていたが、ある時、突然、辞職して郷里へ帰った。一念発起して「百姓をやる」というのだ。坊ちゃんの戯言と思わないでもなかったが、いまだに初志を貫徹している。昨年は無農薬で手作りのコシヒカリを送ってくれたが、抜群の味だった。

実は5年前にも行ったことがある。新潟県の中央部にある弥彦村というところだ。昭和31年、年賀の客が押し寄せ、将棋倒しで約120人の犠牲者が出た弥彦神社のある村といえば思い出す人もいるだろう。「コバちゃん」の一族は地主階級(?)で、村長や県会議長などを務めた祖父や父もいる。自宅前に広い畑があり、その先に田んぼが伸びていた。その時は「百姓仕事」も手探り状態のように思えた。

今回は、支局長時代の埼玉県副知事や部長経験者の3人も来るということで、楽しみにしていた。これはもう七夕の出会いだ。まずは近くの温泉に出かけた。天然温泉で、垂れ流しではなかった、「かけ流し」が自慢らしい。内湯や露天風呂をゆっくり楽しんだ。宴会は4時過ぎから庭先の芝生で。生きたカニをゆでたばかりというのが、一人1匹ずつ。その美味いこと。これだけでも訪れた甲斐がある。地場のカレイの炭火あぶりにも舌づつみを打つ。野菜類は全て自家製。なかでも仰天したのが、ぬか漬けだ。余りの美味さにペロリと平らげた。

驚かされたのが「コバちゃん」の「百姓ぶり」だ。朝、日の出とともに田んぼに出かける。無農薬だから草を取っても次から次に生えてくる。果てしない雑草との戦いが続く。合間には畑仕事も待っている。「百姓ゴッコ」どころではない。本職そのものだ。かってサケと飽食でフヤけていた風貌は、いまや浅黒く、身体も筋肉隆々。さらに週に3,4日はスポーツセンターに通って水中歩行を3,4時間やるそうだ。「どうして」と聞いたところ「百姓は足腰が大事。これからも続けるためには鍛えておかないと」という。

いまさらながら頭がさがった。一転して、このボクはなんだろう。いまだに会社にしがみついている「仕事過度依存症」ではないか。そこからは何も生まれてこない。遅すぎるきらいはあるが、ボクもボク自身のために生きるスベを見つけなければ。もっと自分の時間を作って、楽しもう。なんてことをしみじみと感じさせられた。

次は熊本に集まって大いに騒ごうということになった。何年後になるか分からないが、ぜひ実現させたい。それまでにボクも何かを見つけなければ

ヤッちゃんのタメ口

「仕事過度依存症」だと?「ボク自身のための生きるスベ」だと?オレ様から見れば「仕事にとらわれず人生を満喫」しているようにしか見えないし、夜な夜な遊び回る姿は「楽しみ」以外の何ものでもないように思うが?いまさら何を思う所があるんだろう…。

確かに“欲望”“煩悩”のままに過ごしている相談役にすれば、自然を相手に日々暮らす姿はとてもとても眩しく映っただろう。

ここで勘違いして欲しくないのは「生きるためのスベ」とは決して「暇つぶし」のための方法ではないという事だ。どうも権力への未練を断つために“会長”と言う肩書を取って“相談役”にした途端に、自由を得たような気持になってしまったらしい。まあ、誰も“相談”に行かないから暇なんだろう…。う~ん、監視役(広報)としては何か考えないといけないなあ。KABの屋上に家庭菜園スペースでも作ってやろうか?それとも、社員が相談役室に行きやすい(注・行きたくなる)ように“スイーツコーナー”でも作ろうか?

あんまり暇を持て余すとロクなことがないから、何かやらせておかないと…。とりあえず先週話題にしていた“CM出演”の件は社長様からも「ぜひ」と頼まれてしまったから進めるとして(社長様は相談役のことを大変気遣っている心の広いお方だ!!)毎日ローテーションで誰かが相談(この場合は話し相手)として部屋に行くように考えた方がいいかな?う~ん、またまたオレ様の仕事が増えたような気がするぜ…(汗)