凄い豪雨に見舞われたものだ。気象庁が発表した「これまで経験したことのないような大雨」という表現にピッタリだ。阿蘇の外輪山に登る道はいたるところで土石流のため寸断された。各地で沢山の方が犠牲になられたが、心よりお悔やみ申し上げたい。日頃、静かなたたずまいの山容は一変した。自然の猛威をまざまざと見せつけられた思いだ。

「天災は忘れた頃にやって来る」というのは随筆家で物理学者の寺田寅彦の言葉だ。と信じていたら、この言葉は寺田の随筆、手紙、論文など、どこにも見つからないそうだ。似たような内容はあちこちの文章にあるが、この表現そのものはない。いろいろ調べたら、弟子の「雪博士」で有名な中谷宇吉郎が、寺田の「天災と国防」という随筆を要約した時に生まれた言葉らしい。それが独り歩きしているわけだ。言葉の魔力というべきか。

今回の天災で何を学ぶべきか。寺田の文章に「ものをこわがらなさ過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」というのがある。まさにその通りだと思う。天災への警戒は必要だが、過度に用心しすぎると身動きできなくなるということだろう。ついでに言うと寺田は熊本の五高で学び、夏目漱石の門下生だった。熊本ではあまり知られていないが、熊本とはゆかりのある人物だった。

阿蘇の山地に降った豪雨は、激流となり白川を駆け下った。渦を巻き、轟音をあげ、飛沫が飛んだ。KABの近くの白川は見る間に増えていった。あと1mも増えれば堤防から溢れだしただろう。物に動じない(と思われている)ボクでさえ、つい恐怖感に襲われた。ボクは小学生の時、二度も水害に見舞われていたので、当時の経験が甦ったのかもしれない。幸いにして増水は止まり、氾濫は免れた。万一の用心に防水板も用意したが、出番はなかった。KABの局舎を建てる際、洪水の記録を調べたが、見つからなかったそうだ。地理的に洪水に遭遇しない場所にあるのかもしれない。

ところで経験したことのない豪雨に見舞われた原因はどこにあるのか。気象学的には説明できることだが、KAB社内では「特別な原因があるはず」と犯人探しがはじまった。社内には雨男と雨女が一人ずついる。そのうち雨男は大阪に飛ばされたから原因にならない。そうすると例の雨女か。雨女として定評があるのは、ヤッコダコの前任の広報担当のコケボウだ。とにかくKABのイベントがある時は、出社や外出禁止令が出るほどだ

その彼女が新番組「くまパワ」では天気担当のディレクターになったのだ。経験のない新しいシフトに、社内からは「これまでに経験のないような恐ろしいことが起きるぞ」という声が上がっていた。その矢先に「これまで経験のない豪雨」が起きたのだ。となると原因はやはりコケボウか。

社内で糾弾を受けたコケボウは耳鳴りがするようになった。病院で調べてもらったところ、耳の中に炎症が起きていた。ということで会社を休んで治療することに。怖いのは休んだその日に雨は止んだことだ。社内で「やはりそうだったか」という声があがったのは言うまでもない。ちなみに高校野球の期間中は会社を休ませようという話もある。犠牲者が出たのに不謹慎で申し訳ないが、本当の話だから仕方がない。

ヤッちゃんのタメ口

今回の大雨災害では本当に多くの方が被害に遭われた。相談役も書いていたように、KABの側を流れる白川もあと少しで氾濫する所だった。自然の凄さを改めて知らしめられた所だ。少しでも早く復旧することを祈るだけだ。

ところで、コケボウが「くまパワ」の天気を担当していることは知っていたが、まさかその事実を今回の大雨と結びつけるとは相談役の追及力は恐ろしいなあ。それも唯一の派閥メンバーを犯人に仕立てるとは…。さすがのオレ様も「そこまでするか?」と思って相談役の方を見ると「コケボウが治療かあ~」とニコニコしているじゃないか。何?もしかしてコケボウは相談役の敵だったのか?コケボウはあんなに慕っていたのに…

いや、そんなことはないぞ?コケボウのことは気にしているはずだ。そう言えば社内の人間はあまり詳しくないのに病状や休養の様子などを詳しく知っていたぞ…そうか!ここでコケボウが相談役から離間したと信じ込みうっかり悪口でも言ったら…そのまま筒抜けになるのか。いや~っ、もう少しで策に嵌る所だった。さすが無駄に歳は取っていない、相変わらず老獪な策を練るぜ。油断大敵だな…