私事で恐縮だが、いま我が家を新築中だ。自分で考えても、実に奇妙奇天烈な話ではある。第一に、いつお迎えがきても不思議ではない高齢者になって、なぜ新築しなければならないのか。以前にもこのコラムで触れたことがあるが、世間的にはいよいよ再婚の準備かと受け止めているようだ。それはとんでもない誤解だ

話せば少し長くなるが、ご勘弁いただきたい。実は、東京の出稼ぎから帰郷する際、母の住んでいた家に引っ越すつもりだった。ところが実家は古くて狭い。とても2所帯分の家財は入らない。いっそ建て変えようと思った。ところが母は「お父さん(夫)が建てた家だから、建て直しはしない」と頑張った。自分ですぐ近くに空き家を見付けて来て「ここに住め」と命令された。それ以来、借家住まいを続けていた。

しかし、その母も昨年、94歳で大往生。さて残された実家をどうするかという話になった。金銭面からいえば、残された人生を計算すると建て変えるより、借家住まいの方が、ずっと安上がりだ。おまけに遺産相続分を兄弟で分割することになり、その分までボクが負担しなければならない。一旦はこのままにしておこうと思った。そうすると実家は誰も住まないまま朽ち果ててしまう。

弟たちからは「実家の面影を残して建て直したらどうか」とか「どうせなら兄弟や親せきが集まって飲み食いできるような家にしたら」という意見も出た。それだけならまだしも「皆が集まるために、駐車場は3,4台分欲しい」「兄貴が動けなくなっても車椅子で動けるようにバリアフリーに」「宴会場は20人ぐらい入る広さがいい」「酔っぱらったら泊まれる部屋が欲しい」「親の思い出になる家具類も保存できる広い納戸も必要だろう」なんて、次から次に注文が相次いだ。

「高齢者に2階建ては危ない」というわけで平屋作り。庭の一部を削って駐車場にしたり、納戸を広げたり、トイレ、浴室、台所もと欲張り、一人住まいには分不相応な広さの住宅になってしまった。半月ほど前、棟上げ式をやった。どうせやるならと建設会社の勧めでモチ投げもやった。最近では珍しいということで、親戚や近所の人など30人以上が集まった。外枠ができた家を見て「公民館でも建てるのですか」とからかう人もいる始末。こうなれば貸間業でも始めるか。

さて最大の問題は建設費がどれくらいになるかだ。もちろん事前に建設会社とは契約して、手付金と中間経費は払い済みだ。ところがどう見ても契約した金額をかなり超えそうなのだ。もともとズボラな性格だから、クーラー、照明、システムキッチン、換気装置などもろもろの経費がどうなっているかもボクは知らない。太陽光発電も設置するから、また支出が増える。もともと「ピンピンコロリ」で早死にするのがボクの念願だから、余計なカネを残しても意味はない。まあ、なる様になるだろう。

本来なら梅雨前には完成予定だったが、着工がズルズル遅れ、完成は10月にずれ込みそうだ。建設作業はいま、やっと外壁を取り付けるところまできた。まもなく内装に掛る段階で、毎朝、見物に行くのも楽しみだ。やっぱりズボラだなあ。

ヤッちゃんのタメ口

お~っ、オレ様の新たな基地が誕生するか!あえてオレ様からの注文をつけるとすると、オートバイのメンテナンスをするためのガレージが必要だ。あまり贅沢は言わないが、コーヒーを楽しむカウンターなんかもあるといいなあ。まあ。気が向いたらオレ様特製のスペシャルハーブティーをふるまってやってもいいぞ!オレ様は“心が太平洋”だからな。

そうそう、いくら兄弟が来ると言ってもそう毎日来るはずはないだろうから、暇…いや寂しさを紛らわすためにオレ様たちが押しかけてやろうじゃないか。20人入る宴会場…いいじゃないか、暇つぶしのためにも料理を作らせてやろうじゃないか。新聞社に勤めていた時は自分の部屋に部下など集めて宴会をしていたほど太っ腹な人柄なはずだから、きっと喜んでオレ様たちを招いてくれるはずだ。そうだ、いろいろとオレ様たちから日頃お世話になっている礼もしたいだろうから、食材も全部相談役に準備させてやろう。うんうん、オレ様はなんて年上思いなんだろう。

そうと決まったら10月の完成に向けて動かないといけないな。メンバーはどうしよう?肉食系トリオのお姉さま方は声かけないと痛い目に遭わされるし、ランパツに声をかけないと変な呪いをかけられてしまいそうだ。コケボウも拗ねるだろうし…そうそう、社長様にも見ていただかないといけないなあ~。う~ん、メンバー選びが難しいぞ。相談役、オレ様が後で相談に行ってやるから、ちゃんと相手をしろよ!!