危うく転落事故に遭遇するところだった。この話は、初めて見た奇妙な初秋の花から始まった。残暑の厳しさにウンザリして、阿蘇の方に秋を探しに出かけた。途中、外輪山のかぶと岩展望台に立ち寄り、散策した。いろんな秋の花が咲いていた。と、草むらの縁に、これまで見たことのない花を見つけた。高さ40〜50cmくらい。全体が暗い紫褐色で、一見すると枯れ草のようにも見える。しかし枝の先に星型の6弁の花が開いており、よく見るとなかなか魅力的だ。色が独特で、目立つ花でもある。二株あったが、一株は半分ぐらいの所で折り取られていた。

シュロソウさて、何と言う花だろう。調べようもない。ふと野草の花好きな人のコラムを思い出し、携帯電話で検索してみた。これまた偶然にこの花の写真が出ているではないか。今では稀少種扱いされることもあるシュロソウ(棕櫚草)という。葉の根元が腐ると、棕櫚(しゅろ)の木の毛のような樹皮にそっくりになるというところから名付けられたとか。ユリ科だそうだから、それなりに人目につくのだろう。ただし草全体に毒を持つ

花好きな人に聞いてみたら、群生しているところがあるらしい。九重連山の登り口の牧ノ戸峠の駐車場から、九重とは反対の方向の合頭山(ごうとうざん)の中腹だそうだ。30〜40分も登ればいいということで、早速、出かけた。まるで散策路を歩くように緩やかな登りだ。これならなんということはない。秋の風が爽やかに吹いている。実に気持ちがいい。足取りも軽く進んだ。

途中で道が二股に分かれていた。左の道は狭く、クマザサに覆われている。右は道幅が広く、歩きやすいように見えた。ボクは迷わず、右に進んだ。ところがしばらく行くと、道は険しくなってきた。おまけに粘土で固めたように、ツルツル滑る。あれっと思う間もなく転んでしまった。まるで谷合いの道のようで、両側がそそり立っている。一瞬、引き返そうと思った。しかし、これは神が与えた試練の道ではないか。ここで戻ったのでは敗北だ。なんてバカなことを考え、さらに登った。

やがて歩くこともできなくなくなった。四つん這いになり、岩に掴まりながら身体を引き上げる。まるでロッククライミングだ。頭上を見ると岩がそそり立っている。ここで転げ落ちたら、大怪我をするに違いない。恐らく救助されずにくたばってしまうに違いない。と思ったら恐怖心が湧いてきた。人生の落ちこぼれでもいい。とにかく脇道へ

崖をよじ登り、クマザサをかき分け、左側の道を探し当てた。頭上を見ると、頂上は全く見えない。まあ、頑張ったのだから撤退やむなしだ。今度は右に左にクネクネしているものの歩いて下れる。眺めは抜群だ。ふと足元を見ると、二株のシュロソウがあるではないか。さらに少し下ると、また見つかった。神様はボクの努力に報いてくれたのだ。それともボクの人徳の積み重ねのお陰だろうか。疲れも一挙に吹き飛んでしまった。

話は全くかわるが、16日(日曜日)の藤崎宮の例大祭の馬追いにはボクも参加する。高校の同窓会(江原会)の先頭を、袴姿で颯爽と歩く予定だ。正直にいうと、わざわざ危ない目にあいながら山登りしたのも、このための訓練だったのだ。

ヤッちゃんのタメ口

おいおい!暇を持て余して散策するのはいいが、危ない事だけはするなよ。別に相談役の体を心配している訳じゃないぞ。遭難してニュースにでもなったら困るからな。権力の座から追いやられたとは言え、CMに出演するなど(させてやっている)一応KABの看板として活躍してもらっている(させてやっている)のだから、少しは後ろに連なっている社員の事も考えろよ!!

そうそう、社長さまのやさしい気遣いで始まった相談役の“復活CM”だが意外にも評判が良くて(あの必死の表情がいろいろと相談役の厳しい立場を訴えていると共感を呼んでいるらしい…)オレ様としては不本意だが、早くも第2弾・第3弾の制作が決まった。

来月上旬から放送予定だから、一応楽しみにしてくれよ!!という事で、相談役!一応撮影までは妙な事をしないでおとなしくしていろよ。あまり派手に遊び回ると門限を設けるからな!!