いやあ家を建てるのが、こんなに大変だとは思いもしなかった。近所の人からは「新築すると、気疲れから病気になったりポックリいく人が多いので気を付けて」と忠告された。「そんなバカな」と思ったが、近所にも新築して間もなく亡くなられた人がいると聞いて気にはなっていた。もともと家を建てるつもりはなかった。一年以上前に母が亡くなり、さて残された家をどうするかということになった。古い家だし、放置しておくと立ち腐れする。いっそのこと建て換えて、兄弟・親戚の集会所を作ったらどうかという話になった。

実はボクは東京にいたころ、家を2軒買ったことがある。ひとつは高層マンション、もうひとつはメゾネットタイプの住宅。いずれも建売だから選択の自由はない。出来合いの家を買うようなものだ。念のために言っておくが、住み替えただけで、蓄財のためではない

今度の家は注文住宅だから、まず間取りから決めないといけない。弟たちからは「20人ぐらいは宴会できる部屋を」とか「酔っぱらったら寝られる場所も」とか「兄貴が将来、車椅子で生活できるように」とか、勝手な注文が相次いだ。さんざん苦労して設計図ができた。あとは建設会社任せと思っていたら、大違い。やれ建材をどうするか、屋根、カベ、床、カーテンなどの材質や色は、システムキッチン、トイレ、浴室は何を選ぶか…など全部、ボクが決めるハメになった。そのたびごとに悩むことになった。なにしろ建設会社が持ってきたカタログは分厚く、どこをどう見たらいいのか、分からないのだ。

依頼した会社は宮大工の流れを引き継いでいるとか。そのせいかいい仕事をしてくれた。屋根裏の骨組は一抱えもある柱や横木をふんだんに使っている。天井に隠れて見えないから無駄とも思ったが、「大丈夫。百年は持ちますから」と言われると、なにも言えない。それにしてもボクは生きてあと十年。残りの九十年はどうしてくれるのだ。居間や座敷の柱は節目がまったくない、いわゆる無節のヒノキ。料理屋で知り合った人が水俣の奥にヒノキ山や製材所を持っており、格安で分けてくれると言うので、取り寄せた。お陰で風格のある部屋になった。

部屋数はダイニングも含めて六つ。とにかく車椅子仕様ということで、どこも広めになっている。問題は費用だ。会社とは着工前に契約を結んだ。まあ、これくらいならなんとかなる。と思ったのが間違い。まず取り壊しに百万円近くかかった。ついで太陽光発電とか照明器具とか電気関係も別。さらに庭の造作、外回りの塀、駐車場や植え込みの外構部分と追加の費用が積み重なる。総額でどれくらいになるのか、いまだに見当もつかない。ひょっとしたら認知症が始まったのかもしれない。さて、支払いをどうするか。まあ、新居に引っ越してから、ゆっくり考えよう。

話は全く別だが、今度の土曜日(10日)午後6時から、県立劇場でテアトロ・リリカ熊本主催で、プッチーニ作曲の歌劇「トスカ」が上演される。ボクも教皇役のチョイ役で登場する。で、入場券の売り上げが今一つなので、興味のある方は、ぜひ見に行ってほしい。S席8,000円、A席6,000円だ。なんとか助けてほしい。

ヤッちゃんのタメ口

おお、ついに相談役の新たな城が完成したか!まあ、このコラムを読む感じではかなり贅の限りを尽くした城のようだな!昔は殿様が城を建てる度に領民が年貢増に苦しんだと言うが、もしかするとKABでも…(汗)いやいや、そんな事は社長様がさせないはずだ。

そして何より、オレ様が知力の限りを尽くして阻止してやろうじゃないか!諸葛亮孔明竹中半兵衛かと言われているオレ様の知力の限りを尽くして!!そう言えば、近々社員をその城に集めて見せびらかす会を開くらしいな。そこで策を仕掛けてやろう。さて、火攻めがいいか水攻めがいいか、それとも妖術を駆使してやろうか…