前回、新築の家の話を書いたら、周辺から「いやいや、古い家の方がいい」という声が挙がった。ボクも別に反対ではない。ということで熊本経済同友会主催の「町屋ツアー」に参加した。町屋というのは店舗と住宅が一体となった建物。熊本の場合、西南戦争でほぼ全焼したので、それ以降、立てられた家が多い。なんでも新町・古町界隈には400軒近い町屋が点在しているが、毎年、10軒前後が取り壊されているそうだ。実にもったいないことで、この町屋を町づくりに役立て、観光資源にするなど、再利用する方策はないかということで、ツアーが計画された。

まずは明治10年から13年に立てられた早川倉庫で、町屋の勉強会。早川倉庫はもともと日本酒の醸造所だったが、醸造所や酒蔵などの広大な建物を利用して倉庫業に転じた。2階に上がると、巨大な柱や梁がいたるところにあり、これだけで一見の価値はある。スペースが広いので、最近ではいろんなイベントにも利用されている。

さて町に出る。いつもは車で通りすがるだけの町が全く違って見える。それだけで歩く価値がある。あちこちに町屋が散在している。間口は4,5間で、比較的狭い。と思っていたら、奥行きがやたらと長い。間口の10倍ぐらいあるのではないか。店と住居の間には中庭があり、池や井戸のある町屋も。区間があることで、仕事と生活の微妙な間合いがとれるのだろう。店の前は、ド派手な看板を避け、比較的地味に統一されている。それが一種の雰囲気を保っている。

表から見ると、ほとんどの家の軒先の屋根が、一方に傾いている。100年から130年ぐらい経った町屋だから、土台が傾くか、屋根の一部が崩れたのだろう。と思っていたら、大違い。雨水を片側に流すための工夫だそうだ。こんなことは車で通るだけでは絶対に分からない。町屋の中は、黒光りする、一抱えもありそうな柱や梁が幅を利かせている。カベも土壁。いずれも年代を偲ばせるが、ちゃんと空調などの設備も揃っている。

お店は、酒屋、豆腐屋、レストラン、お菓子屋などさまざま。内装も終わり、ただいま借家人募集中という町屋も一軒あった。お菓子屋の両側に赤レンガの壁がそびえたつ町屋もある。両側の壁は火災から守る「ウダツ」だそうだ。出世しないとか、商売がうまくいかないことなどに対して、よく「ウダツが上がらない」というが、その「ウダツ」だ。明治、大正のころまでは大きな商店にはよく見られたが、関東大震災でほとんど崩れ、それ以来、急速になくなった。だからこの家の「ウダツ」も関東大震災の前に作られたものだ。

町屋ではないが、大正8年に建築された、風格のある洋風館「旧第一銀行社屋」も訪ねた。坪井川沿いで、ひときわ目立つ。一時は取り壊しになるところだったが、空調メーカーのピーエスオランジュリが買い取り、展示場と事務所として使っている。ここもまた名所だ。外見だけでなく内部も一見の価値がある。扉が開く時は、見学自由だそうだ。ぜひお勧めしたいところだ。

町屋はあちこちにあるため、まとまりに欠けるが、このまま朽ち果てるのはもったいない。なんとか保存し、観光資源として役立ててほしい。

ヤッちゃんのタメ口

さて、オレ様は“町屋ツアー”ならぬ“相談役新居ツアー”に参加した。先週のコラムで相談役が自慢していた新居に、社長様を始めとするKABの社員が招待された。(呼び出されたとも言うが…)オレ様は忙しかったのだが「どうしても見て欲しい」と懇願されるから、まあ写真でも撮ってやろうと思い行ってやった。場所は閑静な住宅街の中。さぞかし威張ったように建てられているのかと思いきや、意外と周りに調和していた(夜だったから、そう思っただけか?)新居に入るなり一緒に行ったインチキ占い師の“ランパツ”が、「木のいい香りがしますね~!」と渡辺篤史ばりに褒めちぎると相談役はにんまり。いきなり調略に出るとは恐るべしランパツ!!そして、次の瞬間オレ様は息を飲んだ!!な・なんと、社長様がエプロンを身にまとっていそいそと料理の準備をされていらっしゃるじゃないか。なぜ社長様が?あんなに相談役に闘いを挑まれているのに?

オレ様の疑問に気付いたのか社長様はにっこりとおっしゃった。「相談役の新築祝いだから」と。な・なんと“心が太平洋”な方だ。その言葉でオレ様の策略計画は吹き飛んだ。そうだ、きょうはお祝いじゃないか、みんなで楽しく過ごそう!!間もなく、KAB社員30人近くが集まっての楽しい宴会に突入!社長様の手料理はあっという間になくなったし、和気あいあいとした宴会だった。よしよし、相談役楽しかったぞ!!

と言う訳で、完成した新居の写真を公開してやろう!!木は確かにいいものが使われているのが一目で分かった。天井裏には隠し部屋まであるし(どうも書庫らしい)、“集会場”と称する居間には40人近くは集まれそうだ。(普通は家の中にこんな部屋を作らないぞ!)まだ引っ越し前で荷物が入っていなかったが、真新しい家と言うのは気持ちいいなあ。なんでも近所の方々は相談役の新居建築に「再婚されるのでは?」と思っているらしい。ないない、そんなのは!!まあ、寂しいだろうからケービィーを置いて来てやったぜ!!

家を褒めちぎるランパツ

建もの探訪の渡辺篤史ばりに家を褒めちぎるランパツ!

料理に励む社長様

※料理に励む社長様!あっという間に料理はなくなった…

噂の集会場

※噂の集会場。今後、KABの忘年会でも使われるとか…

屋根裏の隠し部屋

※屋根裏の隠し部屋。相談役の知らぬ間に出来ていたらしい…(汗)

ケービィー

※新居を見守るケービィー!!