雛祭りの日、「60歳からのキレイが輝く」コンテストの最終審査があった。熊本のドラッグストアチェーン同仁堂の創業100周年記念のイベント。書類審査については2週間前に書いた。78人の応募者を20人に絞ったが、最終審査には18人が参加。ボクはこれまでの経緯から審査員長をさせられた。審査員は男性2人、女性4人で、こちらも女性上位だ。

審査は6人ずつ3つのグループに分けて、インタビュー形式で行われた。壇上に上がった女性は確かに綺麗だった。ほとんどが60歳超には見えない。スタイルもいい。とはいえ特別な女性には見えない。まあ、派手で、若づくりの、そこいらにいる普通の美人というところか。これなら選別もそんなに難しくないだろう。

そう思ったのが間違いだった。インタビューが進むにつれて、次々に驚かされた。とにかく皆さん、元気なのだ。話し方も内容も魅力に溢れている。見かけだけでなく、気持ちも、考え方も若い。最初の人達はかなり緊張して、持ち味を十分、出しきれないようで、気の毒だった。しばらく壇上にいるうち、場馴れしてきたのか、そのあとはスムーズに進んだ。平等にするために最初の人には2回目のインタビューをすればよかったと思ったが、もはや手遅れだった。

それはともかく、何を基準に選べばいいのか。始まる前は、外見と中身を同じ比重で見ようとか、日頃の過ごし方、生きがい、性格、健康法、社会貢献などいろんな面も見ようとか思っていた。ところが皆さん、それぞれが個性に溢れ、輝いて見える。採点表にいろいろ書き込んで見たものの、選別するまで行きつかない。全て終わったところで、疲れがどっと出てきた。

控室で審査に入る。ボクの隣の男性審査員と目を合わせて、二人でため息をついた。彼もボクと同様、どんなにして選んだらいいのか迷っているようだ。ところが女性審査員に迷いは見られない。「素肌がきれい」とか「化粧が濃い」とか「猫背はどうだろうか」とか「洋服が派手すぎる」とか、次々に発言が飛び出してくる。男性なら絶対に思い付かないことばかりだ。ボクたちはただ黙っているしかなかった。審査は完全に女性上位で終わった。ボクは心中、別の女性を選ぼうと思っていたが、口に出す勇気はなかった。

グランプリに選ばれたのは、61歳で某郵便局勤務。いまだ現役だ。生きがいは「生涯、若く美しく、健康で生きていくために努力すること」だそうだ。準グランプリは2人。他に5人が特別賞に選ばれたが、そのうち77歳と73歳の二人は、20歳近く若く見えたのは事実だ。

全てが終わって、ボクは講評を頼まれた。問題は審査基準だ。「男性審査員は、認知症になった時、介護してほしい女性を選んだらしい。女性審査員は嫉妬と羨望とヤキモチで選んだのではないか」とつい本音を喋ってしまった。ともあれ高齢女性が増えつつある今、こうしたイベントはずっと続けてもらいたいし、同仁堂さんも来年、再来年と続けるそうだ。ただしボクには来年以降も審査員をやる自信は全くない

ヤッちゃんのタメ口

p>今回のコラムを読みながらオレ様が思い出したのは、KABで3年前まで実施していた高校野球のイメージガール選考会の事だ。書類選考・最終面接と行うのだが悩む悩む。相談役ではないが、確かにそれぞれが個性に溢れて魅力的だ。少しでも多くの方と実際会いたいのだがそうもいかない。更に、実際に会うとますます頭を悩ませる…己の判断力の無さに頭を抱えた事を思い出した。相談役なら一貫した信念のもとに選ぶのかと思ったが、意外にも疲れ切ってしまうとは変な親近感を持ってしまった。

えっ?やけに相談役寄りの内容じゃないかって?別にオレ様が“相談役派”に変わったわけではないからな、ハッキリ言っておくが。たまには少し寄った側の事を書かないとすねると思っただけだからな、勘違いするなよ!!