いろいろ長い間、お世話になりました。今月下旬の株主総会の機会にKABの相談役を退任することになった。社員たちからは「誰も相談に来ない相談役」とバカにされ続けた。「無為徒食の輩」と冷笑されることも。社外の人達からは「毎日、何をやっているのですか」とか「やはり会社には行っているのですか」とか言われた。ボクはそのたびごとに「他に行くところがないので、やむなく会社に顔を出している」と答えてきた。しかし、あれもこれももうしばらくの辛抱だ。

実はこの機会にサッパリと足を洗い、KABとは一切の縁を断ち切ろうと決断していた。ところが詮(せん)無い浮世の義理が絡んで、いろんな団体や会合の役員を押し付けられている。社長や会長を辞める度に「あんた、暇になっただろう」と頼んでくるケースが増えたのだ。肩書は会長、委員長、理事、監事などさまざまだが、タダ働きということでは共通している。「ただ生きているだけではもったいない。少しは世間のお役に立ったらどうね」とか「名前だけ貸しなっせ」とか迫って来ることも。昨日は東日本大震災の孤児に支給する育英資金を集めている東北地方の団体から「理事に再選した」とメールが舞い込んできた。熊本のある団体も「次の代表者会議で幹事をお願いすることになった」と言ってきた。どちらもボクの意向は全く無視だ。

そこでこうした団体などの役員も一切、辞めようと思っていた。ところがこれが上手くいかないのだ。「代わりの役員を出してくれ」とか「とりあえず任期が来るまで」とか注文をつけてくる。一番、厄介なのが「とにかく役員を続けてもらうが、そのためには会社の肩書が必要だ。なんでもいいから肩書を」というところだ。身軽になりたいのに、ダメだというに等しい。さてどうするか。と思っていたらアナゴ社長が「次はKABの特別顧問に」と言ってきた。特別顧問というのは「特別に仕事は一切やらなくていい」ということと理解して引き受けることにした。

というわけで6月下旬からは、KABの仕事はなにもせず、会社にも気が向いたときしか顔を見せないことにする。「会社には行かない」といったら喫煙派の社員たち「それは困る」と言ってきた。いまの相談役室は喫煙可能だが、ボクが行かないとなると、閉鎖されて喫煙場所が減るのを心配してのことだ。そんなこと知ったことか。まあ、喫煙派の人権を守るために、忘れられたころ顔を出すことにしようか。ともあれこれからは自由を謳歌して、我が人生を楽しもう。

問題なのが、このコラムをどうするかだ。今月一杯続けると429回になる。ちょっとキリが悪いが、もうネタも尽きてきたし、読んでくれる人もいないようだから、これっきりにしよう。第1、ボクは相談役を辞めるので「相談役のコケごと」という標題も使えないのだ。アナゴ社長もあることないこと書かれずにすむので、さぞかしホッとするに違いない。S姉さんも無罪放免となり、笑いが止まらないというのが本音だろう。えっ、「もっと続けろ」と言ってきたらどうするかって。そんなモノ好きがいるとは思えない。もし、いたとしても、その時は適当に誤魔化しておこう。

S姉さんのひとこと

あら。このコラムをお止めになるつもりだったんですか?
もちろん、「特別顧問のコケごと」として続くに決まっているじゃありませんか!
いや、「特別顧問のひとりごと」がいいかな?
「特別顧問」は「特別に仕事は一切やらなくていい」と都合の良い解釈をしてらっしゃるようですが、世の中、そんなうまい話がありますか
まだまだ、KABの役に立っていただきますよ!
というわけで、次々回からは「特別顧問のひとりごと」です!
みなさま、よろしくお願いいたします(笑)