このところ新聞、テレビで消費税増税を巡って、さまざまな論調が飛び交っている。賛否両論の論議を見たり聞いたりしていると、つい若いころの政治部記者の、かすかに残された血が騒いでくる。安倍首相は10月上旬には消費税について決断する意向を固めているとも報じられている。残るところ1ヵ月前後。消費税を引き上げるにしろ、見送るにしろ、その影響は計り知れないほど大きい。ボクごときチンピラ老人が戯言をいう立場にないことは重々承知しているが、やはり黙ってはおられない。

もともと消費税の引き上げは民主党の末期に、衆院解散を条件に民主、自民、公明3党の間で合意されていたことだ。公党間の約束だから引き上げるのは当然だろう。しかし各党の思惑複雑に絡み合い、さらに実施時期上げ幅についても議論のあるところで、ことはそう簡単ではない。実際に引き上げた場合の景気、株価、国際間の評価など多方面にわたる影響の度合いを考えると、深刻度はさらに増してくる

日本の置かれた環境を考えると、消費税の引き上げは遅すぎたぐらいだ。すでに日本は1,000兆円を超える借金を抱えている。会社や家庭なら年収をはるかに超える支出増で、とっくの昔に破産している。政府の場合は国債発行という借金の方法で、なんとかその場しのぎを繰り返すことができるが、企業や家庭では借金のしようもない。さらに高齢者の急増を考えると、今後は毎年3兆円ずつ社会保障費が増える計算で、借金も同時にかさんでくる一方だ。

欧州諸国ではすでに消費税は20%前後であり、日本の5%というのは問題にならない。外国から見れば8%だろうと10%だろうとまだまだゆとりのある引き上げと受け止めるだろう。では日本でそんなに安易に引き上げられるか。欧州諸国の場合、「高福祉、高負担」で、負担に見合った高福祉政策を受けることができる。これに対して日本ではいまだ「低福祉、高負担」と国民は感じており、消費税引き上げは老後生活に不安を持つ国民の反発を招く可能性が高い。

さらにアベノミクスで株価は上がり、円高も進み、デフレからインフレに移行する動きも見られるようになった。しかし景気回復は一部の地域や企業に見られるだけで、全国的にはまだ道遠しという状況だ。アベノミクスの景気回復策はまさにこれからの課題になっている。それなのに来春、消費税引き上げとなると、消費も景気も一挙に冷え込む可能性もある。場合によってはアベノミクスの崩壊にもなりかねない。自民党内には消費税引き上げ分を先取りして補正予算で公共事業などの景気浮揚策を模索する動きもみられるが、それではかってのバラ撒き政策の復活になる。

ボク個人としては消費税引き上げはやむを得ないと思う。しかし、その前に税収と年金保険料を一元管理する歳入庁の新設年金制度の抜本的改革が必要だ。さらに徹底した支出削減も避けられない。政治家も官僚も身を削り痛みを分かち合ってこそ国民も引き上げを納得するだろう。諸改革が遅れるのであれば引き上げも半年なり1年なり先送りするしかない。ジジイの遠吠えに過ぎないが、政治家も官僚もまともに対処してほしい。

S姉さんのひとこと

かすかに残された政治部記者の血が騒いだんですね^^
私も個人的には、増税は致し方ないかな、とは思います。
ただ、その前に、まず、いまある支出を見直して、増税分はしかるべきところにまわす、これでないと国民は納得しませんよね。ま、様々な思惑が絡んで、これが一番難しいんでしょうけど…。
とりあえず、物品の数々の値上がりが家計を圧迫しても、高福祉政策で安心できる社会になるといいな、と思います。