真夏のような暑さがしばらく続いていたが、自然の摂理は確実に進む。熊本市郊外でも稲刈りが進んでいる。いつもと変わらない風情だ。毎年、この時期になると、親友のコバちゃんから新潟の「こしひかり」の新米が送られてくる。なにせコバちゃんが自家用に手作りしたコメだから味も抜群だ

コバちゃんとの付き合いはもう20年以上になる。東京近郊の支局長のころ、コバちゃんも別の全国紙の支局長だった。二人とも呑み助だったことや、通うスナックが一緒だったこともあり、すぐさま意気投合してしまった。ボクは単なるグウタラ支局長だったのに比べ、コバちゃんは副知事県庁の部長連中に食い込み、支局長兼敏腕記者でもあり、ボクは尊敬していた。

約2年後、ボクは本社に転勤になり、数年後、コバちゃんも本社に転勤してきた。本社での仕事は二人とも別々だったが、付き合いは全く変わらなかった。というのもこの時通った小料理屋が一緒だったせいもある。断わっておくがスナックや小料理屋のママさんを二人で取り合っていた訳ではない。なにせどちらも「オレの方がモテる。お前なんか相手にしてくれるはずがない」と思い込んでいたからだ。見方を変えると二人とも両方のママさんに相手にされることなく、適当にもてあそばれていたのだろう。

コバちゃんは出版部門や事業部門で力量を発揮していた。肩書もどんどん偉くなり、この調子だと取締役どころか常務、専務、ひょっとしたら社長を狙えるかも知れない。ボクは秘かに期待していた。ところがある時から小料理屋に全く顔を見せなくなった。電話しても連絡がとれない。「どうしたのだろう」と心配していた。そのうち風の便りで、コバちゃんは上司と衝突し、辞表を叩きつけて辞職したということらしかった。

それから数年は音信不通が続いた。二人の仲もこれまでかと諦めかけていた。そこに小料理屋のママさんに「郷里に引き揚げた」と連絡があった。ボクにではないところが憎い。まあ、それはどうでもいいことだ。ボクは直ちに電話した。コバちゃんは元気なようだった。コバちゃんの実家は新潟県のドいなかで、祖父やオヤジが県会議長や村長をしていた名家だった。「落ち着いてきたので農業をやる」と言っていた。

その後もコバちゃんが上京して来た折には小料理屋で会っていた。ボクは熊本に帰郷したあと機会があり、新潟にコバちゃんを訪ねて行った。コバちゃんは筋骨たくましく、根っからの農業人に変身していた。屋敷は古くて広く、庭先には畑と田んぼが広がっていた。なんでも近所の人に教えてもらいながら野菜やコメをつくっているとか。農業面でもなかなかの器用人のようだ。

これまでに3回、お邪魔した。そのたびに日本海のカニや魚自家製の野菜などご馳走になった。熊本にも遊びに来るよう誘っているが、お母さんが入院中で、目を離せないので当分、無理とか。来熊してくれた折には、大いに歓待しようと思っている。新米のお礼の電話をしたところ、これからタマネギ1500個を植えつけるそうだ。そんな話を聞くと、何もできない自分が情けなく思えてくる。

S姉さんのひとこと

新潟の「こしひかり」の新米ですか。聞いただけでもおいしそうですが、知りあいが作ったとなれば、また、おいしさも格別でしょうね。
私の実家も米を作っていて、庭先には、ピーマン、オクラ、ねぎ、人参…、いろいろな野菜を植えてあります。実のなる植物が大好きなんですから、ええ、もちろん!野菜も大好きです!!
中でも、父が私たち姉弟のために植えてくれた“とうきび”おいしかったなぁ。おいしさは、作った人の気持ちがわかると、より感じられますよね^^

今週末の「元気フェスタ」では、みなさんも、ぜひ、心を込めて作られた数々を味わってみてください!もちろん、食以外も充実してますよ!
あ、顧問は、「元気フェスタ」で買った野菜で何か作ってごちそうしてくださいね^^