またもや山野草の話で恐縮だ。初霜の便りが届くころになると、山野草も枯れてしまい、花を探しても見つからなくなる。今頃が山野草の時期の最後で、次の花便りは春先まで待たないといけない。ということで山野草に全く関心のないS姉さんには気の毒だが、勘弁してほしい。

今回訪れたのは阿蘇・外輪山のかぶと岩展望所。大津からミルクロードを進み、大観峰よりかなり手前にある。阿蘇五岳カルデラ一望できる。以前、ここで希少種のシュロソウを一株見つけたことがあり、探しに行ってみた。シュロソウは花も茎も葉も全てが暗紫色で、かなり独特な形をしているので、一目で分かる。あちこち探したが、全く見つからなかった。展望所近くだったので、踏みつぶされたのかもしれない。

がっかりして近所を散策した。ところが道端に真っ白い花が咲いている。ウメバチソウ(梅鉢草)ではないか。梅の花を一回り大きくした姿だ。よく見ると5枚の花弁には薄緑の筋が入っているが、ほとんど純白に近い。端正にして清純そのものだ。雄しべは先端が玉のように丸く反り返って、扇のように広がっている。いくら眺めても見飽きることがない。この雄しべは退化して花粉を作らないので仮雄しべと言われる。

花言葉は「いじらしさ」だ。まさにいいえて妙だ。最近では「いじらしい」女性少なくなっただけに、貴重な存在かもしれない。山野草の面白さは一輪の花を見つけたら、周辺を探すと驚くほど沢山の同じ花が見つかる事だ。この日も周辺にいくつものウメバチソウを見つけた。ちなみに名前の由来は天満宮の紋章の梅鉢紋に似ているからだそうだ。

さらに近くで線香花火を立てて、そのまま花にしたようなヤマラッキョウが見つかった。紅や紫色の小さな花が集まって球状になっている。1個の花は楕円形で、花弁の外に雄しべが付き出しており、全体の姿が火花を散らして燃える線香花火にそっくりだ。この花も群生状態で見つかる事が多い。ラッキョウと言う名前だが、ユリ科の植物と言うのも面白い。ちなみに根っこは痩せこけたラッキョウに似ているらしい。食用になるのかどうかは知らない。

群生といえばノコンギク(野紺菊)もそうだ。群れをなして咲き誇っている。ごくありふれた山野草だが、小さな花はよく見ると綺麗だ。名前の通り紺色薄紫色で、育った場所によって形も色も微妙に違ってくる。時には全く種類の違う花のように見えることもある。もっと複雑なのはちょっと見では識別できないヨメナ(嫁菜)という花があることだ。

山野草に詳しい人に聞くと、ヨメナの方が花期が早く一回りほど花が大きいということだが、素人には区別がつかない。なんでも葉っぱがザラザラしているのがノコンギクで、ヨメナはすべすべしているそうだ。名前の通り「嫁の菜」なので毛が薄いとか。これは冗談のようだが、本当の話だ。

周囲はススキ(薄)が見ごろを過ぎたように見える。しかし逆光で眺めると、全体が銀色に輝き、ハッという思いがする。ウメバチソウも開花して1週間ぐらいは保つそうだから今週いっぱいぐらいはどちらも楽しめるのではないか。

S姉さんのひとこと

私の感受性を育てるために、早速、“山野草のお話”ですね。ありがたや、ありがたや。
食べられる実のお話だったら、もっといいのになぁ、と思いつつ、贅沢はいわないことにします。
それにしても、「いくら眺めても見飽きることがない」とは、ヒマ…、いえ、時間に余裕がおありになってよろしいですね^^ま、私も、うちの毛むくじゃらのカレなんかは、一日中見てても飽きませんけどね。あら、また、話が脱線してしまったわ。
せっかくの顧問のオススメですから、今度の3連休は、阿蘇にドライブにでも行ってみようかな。でも、ペーパードライバーに毛の生えた程度の私では、周囲に止められるかもしれない…^^;