いよいよ年末年始が近くなってきた。同時に「押し掛け忘年会」とか「押し掛け新年会」とか適当な名前を付けた飲み会が、いくつか舞い込んでくる。共通しているのは「○日、押し掛けるから準備をよろしく」という伝言だ。ボクの都合を考えた気配は全く伺えない。ボクが居ようと居まいと関係なく、ボクの自宅で宴会をやろうというのだから、熊本(の女性たち)は恐ろしい。念のために言っておくが、我が家は一杯飲み屋ではない。

今年はすでに3回「押し掛け連中」がやってきた。年末までにあと2回の申し込みが来ている。中には一族郎党勢ぞろいでというケースも。新年会の予約はまだ2回だが、年を越したら、あといくつか申し込みがあるに違いない。宴会をやるたびにボクは料理に追いまくられる多大な出費と労力を考えるとバカにならない。迷惑、極まりない。といいたいところだが、それは口が裂けても言えない。

なぜなら自宅での宴会を一番好きなのは、何を隠そう、このボクだからだ。なにせボクの両親も自宅でお客さんをもてなすのが大好きだった。言ってみれば正真正銘の血筋なのだ。母親は接待のため、当時は珍しかった料理学校にも通っていた。ボクもしばしば手伝いに狩り出されていた。見よう見まねで料理が好きになったのだろう。両親が不在の時を見計らっては、弟たちに適当な料理を作ってやっては自己満足に浸っていた。よく「得意料理は」と聞かれるが、そんなものはない。前日ぐらいに百貨店やスーパーを覗いて、美味しそうな食材があれば、それを料理に使うだけだ。行き当たりバッタリと言う人もいるが、その通りだ。何が悪い。

今の自宅を建てるとき、弟達から注文があった。なにはともあれ親類縁者が集まって宴会ができるような家にしろという。気弱なボクに断るほどの勇気はない。近所の人が建築中に見に来て「公民館を建てるのですか」と聞いてきた。それは大げさだが、居間と座敷の間が可動式の壁になっていて、パタパタと折り畳めば、20〜30人は座る事ができる。それを伝え聞いた友人たちが四季折々に来襲してくるようになった。それが集中するのが年末年始というわけだ。

さてメーンディッシュをどうするか。今年の冬に燻製機を買ったことを思い出した。一度、使っただけでほったらかしにしてある。東京にいたころは手づくりハムをよく作っていたが、こちらに帰ってからは縁遠くなっていた。手づくりというと簡単なようだが、なかなかどうして。仕込から完成するまで一週間、かかる。最後は早朝から夜までまる一日かかる。なにせ温度設定が各段階ごとにバラバラで、その温度を超えるとハムの風味が損なわれるというので、やたらと神経を使う。思い出したついでに、この1ヶ月間に2回作ったが、味はマアマアだった(と思う)。客の評判も良かったが、お世辞半分ということもあるので、信用はできない。ご馳走になって「不味い」とは言えないだろうし…。

本日、3回目の原料肉を発注した。注文先は水俣市の養豚家の友人で、とにかく脂身も上手い。一度に1kgのロースのブロック2個頼む。さて今度も美味くできるかどうか。たかがハムとはいえ、手を掛けていると、我が子のように思えてくるのだ。

S姉さんのひとこと

なるほど。お母様お料理上手で、おもてなし上手だったのですね。
それで、顧問も、小さいころからお手伝いをしたり、弟さんたちにお料理を作ったりで、おもてなし上手になられた、と…。
似てますねぇ。うちも、来客の多い家でしたので、小さいころから母の手伝いをしていました。特に盆・正月は親戚縁者が大集合で、母はもとより、私たち姉弟もいっときも座る暇がないほど
そして…。あら、私、「おもてなし」なんぞ、ここ最近したことがありません…。この差は、いったい何なんでしょうねぇ^^;