随分前から「男の料理教室」が流行っているらしい。生徒は定年退職した前期高齢者がほとんど。これまで手にしたこともない包丁片手に頑張る姿が甲斐甲斐しい。出来上がった料理の味は分からないが、それなりに自己満足に浸れる。自分で作った料理の味は多少、甘かろうが、しょっぱかろうが、全て上等。一人で食べる分には極上の料理店の味に感じられるはずだ。

男が料理教室に通い始める理由はいくつかある。退職後、自宅でゴロゴロしていると、奥方に粗大ゴミ扱いされている気がする。「料理教室ぐらい行ったらどう」と奥方に恐喝されて通い始めた被害妄想型。これまで奥方に料理はじめいろいろ働いて貰った。退職後は料理でも習って、食事の面倒ぐらい見てやろうという奥方貢献型表立ってはいえないが奥方の作る料理は不味い。それなら自分で作って料理を楽しもうという現実逃避型。料理の女性の先生若いし、話しているだけで楽しくなる。それに友人もできるかもしれないという享楽型。それぞれの型をまぜこぜにした人など、多彩だ。

ボクの愚弟も自宅近くの料理教室2ヵ所に通っている。どちらも月に1回。生徒は男ばかり12人。ひとつ目の教室ではホームメイドと呼ばれる助手の女性が付き、いろいろ面倒を見てくれる。手取り足取りの指導ともなれば楽しさもひとしおだろう。教室に通い始めた切っ掛けについては聞きそびれたが、ひょっとしたら享楽型かもしれない。習った料理は自宅で作るのだろうと思っていたら、奥方の料理は美味いし、奥方も料理教室に通っているので出る幕はないそうだ。

さてボクの場合はどうか。一時は料理教室に行こうかと思ったこともあった。しかし、子供のころから料理が好きだった母の手伝いをしていたので、初歩的なこと分かっている。両親が不在の時は弟たちに手料理を作ることもあった。学生時代は週に1,2回自炊していた。結婚してからは妻が腕自慢だったので、時々は習っていた。その後も居酒屋などで美味しい料理に出会うごとに調理法味付け教えてもらっては嫌がられた。いわば料理の腕前はプロ並みと言っていい。と思っているのはどうやらボクだけのようだ。

なにせ、系列立って習っていないから、本当にそれでいいのかどうかは不明だ。ひょっとしたら基本のところで間違っているのかもしれない。所詮は我流の門前の小僧か。最近ではパソコンでメニューやレシピを調べては、美味しそうな食材や調理法を適当に組み合わせては料理を作ることが増えてきた。これまた口の悪い友人に言わせれば「盗作料理」に過ぎないのだ。

そもそもボクが料理に熱を上げているのは「料理が上手ですね」という誉め言葉を掛けて貰いたいからだ。正直言うと動機が不純であり、根性がねじ曲がっている。確かに居酒屋風の我が家を訪れる客は「美味しい」一応誉めてはくれる。だが本当に美味しいのかどうか。客はタダ酒タダ飯につられて口先だけ誉めているのかもしれない。となると、ここいらへんで料理教室に通い、基本の基から習うべきか。いま正に迷っているところだが、面倒くさいから通うのは止めておこうか。

S姉さんのひとこと

お料理は、やっぱり、作ってあげる人がいないと張り合いがないですよね。
私なんか、帰宅しても、せいぜい、おしゃべりなカレ(毛むくじゃらのカレ)ご飯をよそってあげるくらいで、自分の分は、出来るだけ洗い物少なく手早く、がテーマですから、料理教室に通おうなんて、最近は思ったこともない…。美味しいものは、もっぱら、食べるのが専門です。

というわけで、顧問、私、タダ酒、タダ飯、ごちそうになる準備は出来ています!基本の基から習っていなくても、いくらでも「美味しい」っていいますから、お誘い待ってま~す^^