先日、最後の花見に出かけた。「最後」というのには2つの意味がある。1つはソメイヨシノの花期はとっくに終わり、それより花盛りが2,3週間遅い枝垂れ桜も終盤に差し掛かっていた。今年の花見も本当に最後という意味。もう1つは花見の開かれた場所今年で最後になるという意味だ。その場所はあろうことか、埼玉県さいたま市南区(旧浦和市)だ。「最後」という誘いの言葉に惑わされて、つい出かけることにした。

ことの起こりは20数年前に遡る。当時、ボクは前の会社で浦和支局に勤めていた。そこの行きつけのスナックで沢山の人達と知り合った。マスコミ関係者も多かったが、ほとんどが地元の人達で、職業はバラバラ。あたかも異業種交流会のような雰囲気だった。その中に大地主の夫妻がいて、ある日、庭先にサクラを植えたので花見をしようということになった。それ以来、春は花見秋は紅葉狩りの宴が続いていた。ボクは東京に転勤になった後も、毎年2回は訪れていた。熊本に帰郷してからは郷土の美味しい食べ物を送り続けたが、さすがに参加することはできなくなった

花見は土曜日の正午からだという。当日、午前8時前には熊本空港に着いた。ところがカウンターには長い列ができていて、午前中の東京行きの便は全部、満席だった。なんでも一便が欠航になり、あとの便が一杯になったとか。午後の便だと、到着はかなり遅くなる。諦めようと思ったが、ちょうど名古屋行きの便があり、衝動的に乗ってしまった。名古屋からは新幹線に乗り換え、東京へ。浦和の会場に着いたのは午後2時過ぎだった。

宴は盛り上がっていた。庭先の駐車場にを置き、テーブルを並べて、4,50人が酒盛りをしている。半分以上は顔見知りの人達だ。ほとんどが退職か、引退したように見えるが、話しているうちに若かりし頃を思い出す。まるでタイムスリップしたような感じだ。あまりの懐かしさに、涙がこぼれそうになったが、我慢した。ボクが浦和にいたのは2年足らずだったが、長い間、付き合いがよく続いたものだ。庭先のサクラは花見を始めた頃はヒョロヒョロした若木だったのに、ひと抱え程大きくなり、花付きも見事なものだ。改めて過ぎ去った年月を思い出す。

さて「最後」の花見のことだが、ボクは主催者の地主夫妻が高齢化し、体力的に続けられなくなったと思い込んでいた。ところが夫妻は相変わらず若々しい。なんでも自宅、庭園、駐車場を潰してマンションを建てるとか。花見をする場所もなくなるので、今年が文字通り最後になるという。相当、強行軍だったが、やはり来てよかった。次回、いつ会えるかわからないが、それでも有志で熊本に遊びに行こうという話も飛び出した。

庭先には山野草のニリンソウ(二輪草)ヒトリシズカ(一人静)の白い花が満開だった。どうせ潰してしまうので、持って帰ったらと言われ、数本ずつ掘り出してもらった。びっくりしたのはニリンソウの根っこが葉っぱの長さの3倍近くもあったことだ。2,3日後、我が家の庭先に移植した。ぐったりとしていたので根付くか心配だった。ところが一日後には生き返り、今もニリンソウが5,6本、をつけている。これからは2つの花を眺めながら、浦和での花見出会った人達のことを思い出すようにしよう

S姉さんのひとこと

え?空席状況を確認せずに空港に行かれたんですか!?さすが!!
秋田への転勤に、事前に支局の場所を調べもしなかったというエピソードを思いだしました。相変わらず、「行き当たりばったり」なんですね^^;

でも、乗るはずの飛行機が満席だからと、名古屋便に変更して名古屋から新幹線で行かれるとは!!「行き当たりばったり」は、機転も生むんですね。無事に「最後の花見」に間に合われて良かったです^^

それにしても、今年は何度、花見に行かれたのでしょうか?時間に余裕があるって、羨ましいです!!