「久しぶりにマリンスポーツはどうか」と、高校の先輩から声がかかった。この手の誘いは断らないのがボクの主義だ。2年ぶりの誘いだけになおさらだ。しかし、とボクは考えた。お盆過ぎの海だ。クラゲが出没しているに違いない。そういうと知人が「君ねえ、クラゲはカレンダーなんて持っていないよ。お盆過ぎたからそろそろ活動しようなんて考えるクラゲがいると思うか」だって。

実はクラゲは断る口実だった。前回、マリンスポーツに挑戦したのは2年前。身の程知らずにもウエイクボードに挑戦して、何度も失敗している。理論的にはいろいろ勉強して何とかなりそうだ。しかし、当時と比べると、足腰が相当、弱くなっているヨタヨタ歩きも身についてきた。最早、挑戦する気力もない。と思っていたら、知人が「パラセーリングならできるだろう」とけしかけてきた。あれなら座っているだけでいい。というわけで先輩のヨットで出かけることにした。

天草の空は真っ青に澄み渡り、波も穏やか。気分までウキウキしてくる。まずは海水浴場の沖で水泳だ。若い連中は次から次に飛び込んでいる。ボクは船尾から恐る恐る足を海水に漬ける。思い切って飛び込んだ。海水は思ったよりも冷たい。幸いクラゲは見当たらない。それでも足がつったらどうしよう。疲れて船に戻れるかなあ。なんてことばかり考えて、早々にヨットに這い上がった。あとは船内で日陰を探してゴロゴロ。それにしても若い人たちはウエイクボードに1,2度挑戦しただけで、乗りこなしている。もっとすごいのは我が先輩だ。ボクより3,4歳年上なのに、頭髪一本濡らすことなく、海上を自由自在に滑りまくっている

一区切りついたところで、さあ、昼食だ。卵焼き、ソーセージ、枝豆などをさかなにシャンペン赤ワインを飲み続ける。こちらの方はボクの天下だ。船上で薫風を受けながら飲むワインの味は格別だ。しこたま飲み食いしたところで、不覚にも眠気に襲われ、つい寝込んでしまった。緩やかに揺れるヨットの上は熟睡にもってこい。やはりマリンスポーツ(?)は最高だ

さて最後はパラセーリングだ。紐でできた椅子状のものに座り、背中に巨大なパラシュートのようなものを背負う。ヨットがスピードを上げると、体がふんわり浮き上がる。余計な体力バランス感覚いらない。まさにボクのためのマリンスポーツだ。眼下に湯島が広がり、島原半島が迫ってくる。4,50メートルは浮かび上がっただろうか。ヨットの上で手を振っている人達が人形のように見える。空中散歩という感覚だ。もっと浮かんでいたいと思う間もなくヨットに引き戻された。

3時ごろには帰途に就いた。もちろん、その前に飲み残しのワインを頂く。車の中でも気持ち良く酔いが回り、いつの間にか寝込んでしまった。こんなマリンスポーツなら毎週でもいい。やはり持つべきは気前の良い先輩だ。さて次回も声がかかるかどうか。船内でゴロゴロしていただけのボクに先輩もあきれ果てただろうし…。それでも別れ際に「次回は挑戦できるように足腰を鍛えておきます」と、つい見栄を張ってしまった。

S姉さんのひとこと

マリンスポーツ!?ウェイクボード?パラセーリング??

カタカナが並びますが、えっと、確か、後期高齢者の仲間入り間近のお歳でしたよね?

いやいや、お若い!! 先日、浴衣でサンバを踊ったと思ったら、今度は、海で若者まがいのスポーツとは!!

私も、こんなデスクで仕事をしてる場合じゃなかった。年寄りに負けないように、もっと外に出なきゃ、完璧に負けてる~!!というわけで、私、遅まきながら、お盆休みを取らせていただきます!来週には、顧問に負けないくらいパワーアップして帰ってきま~す!!