事件を起こして逮捕された容疑者がなぜ不起訴になったのか、検察はこれまで多くのケースで不起訴理由を公表してきませんでした。今後は柔軟に対応するよう全国の検察庁に周知されました。
■「国民が不安抱く」国会でも議論
今年5月の国会。自民党の小野田紀美議員(42)、現在の経済安保・外国人政策担当大臣がこう切り込みました。
「不起訴の理由を明らかにしていませんというのをよく聞く。これ明らかにしてほしいです」
森本宏刑事局長(当時) 「ケース・バイ・ケースで判断しているのが実情」
小野田議員 「いつもその答弁と分かっているが、これだけ半数以上どころか7割が不起訴となっていて、しかも理由は毎回明らかにされるわけじゃないといえば、もちろん被害者のプライバシーとか守ることは絶対としても、国民が治安に不安を抱くような検察であっていいのか疑問に思う」
検察が多くのケースで“不起訴の理由”を明らかにしないことを問題視したのです。
■不起訴の理由“柔軟に公表”を
“不起訴の理由”には主に3種類があります。犯人でないことが明らかな「嫌疑なし」、起訴するだけの十分な証拠がない「嫌疑不十分」、本人の反省などを考慮し起訴を見送る「起訴猶予」です。
不起訴の理由を明らかにすることはほとんどありませんでしたが、20日、金沢地検が不起訴の理由を公表したのです。
4月に石川・金沢港に着岸していたポルトガル籍のクルーズ船が出港後に座礁した事件。フランス国籍の男性船長(61)が逮捕されましたが、不起訴処分となりました。
金沢地検は、その理由を「起訴猶予」と公表しました。
金沢地検 小林修次席検事 「『原則として不起訴理由を公表します』ということではなくて、個別事案ごとに公表できることはできる限り伝えていきます」
最高検察庁も28日までに、社会的関心の高い事件などは柔軟に不起訴の理由の公表を検討するよう、全国の検察庁に周知しました。
元東京地検特捜部副部長 若狭勝弁護士 「不起訴処分(の理由)は一切公表しないというスタンスを貫くと、より一層検察に対する国民の信頼が落ちていってしまう。ここでかじを切って方向を転換し、不起訴で公表できるものについては、理由などを公表することが国民の信頼につながっていくという見方にシフトした」
信頼性を高めるための理由の公表。最高検は、個別の事案ごとに判断する方針に変わりはなく、特に性犯罪など、被害者の名誉やプライバシーに配慮する必要がある事案では慎重に検討すべきだとしています。
(「グッド!モーニング」2025年11月29日放送分より)









