東京で熊本ラーメン拡大中①
激戦区で半世紀以上 熊本ラーメン広めた老舗
2000軒以上のラーメン店がひしめくラーメン激戦区・東京。全国の有名ラーメン店がしのぎを削る中、熊本ラーメンもじわりと勢力を拡大しています。

「東京に革命を起こした本場熊本ラーメン」をうたう桂花ラーメン。1968年(昭和43年)に東京・新宿に進出し、熊本ラーメンの代名詞とも言われるようになりました。東京進出から半世紀あまり、新宿や渋谷の店舗に加えて、今年7月には「新橋虎ノ門店」がオープン。都内での展開は、フランチャイズ店を含め7店舗に広がっています。
開店30周年にあわせ、7月にリニューアルしたという渋谷センター街店。平日午前9時に訪ねると、スーツケースを手にした観光客や常連客が朝ラーメンを楽しんでいました。

「とんこつラーメンが好きで、ちょこちょこ通っている」と話すのは、月に3回は訪れるという常連客の男性。この日は、豚の角煮にチャーシューやキャベツなど、人気の具がたっぷり盛られた「桂花スペシャル」をセレクト。「食べ応えもあって、昔から変わらない味が好き」と語ります。

桂花拉麺株式会社の小林史子常務によると、東京に進出した当時は熊本ラーメンの認知度が低く、鳴かず飛ばずの状況だったそうですが、あるテレビ番組で取り上げられ人気に。熊本から上京した学生や常連客に支えられてきたといいます。
常連客に加え、最近は、欧米を中心とした外国人観光客が増え、25席ほどの2階フロアがインバウンドの団体客で埋まることも多いとのこと。東京進出時に生まれた看板メニュー、豚の角煮がのった「太肉麺(ターローメン)」が一番人気ですが、外国人観光客は、角煮が丸々一本入った「太肉一本盛(2500円)」や「桂花スペシャル(1400円)」など高価格帯のメニューも人気があるそうです。ちなみに、太肉(角煮)などは、各店舗で仕込んでいるので、食べ比べてみるのも面白いかもしれません。

2025年、創業70年を迎える桂花ラーメン。小林史子常務は「一つ一つを丁寧に安心安全でおいしいラーメンをご提供したい。今ある店舗の質・サービス・ホスピタリティの向上に努め、チャンスがあれば、さらに拡大したい」と将来を見据えます。