22日朝、トランプ大統領が新たなタイムリミットを設定しました。 「48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ、イラン国内の様々な発電所を壊滅させる」とSNSに投稿。そして、この投稿に対し、イラン軍は中東のインフラ施設への報復を示唆、緊迫の度合いが急激に高まっています。 ■トランプ氏「従わねばイラン発電所 壊滅」
イスラエルに対する、イランの報復攻撃が激しさを増しています。 (CNN)「イランとの戦争が継続する中、国内ではガソリン価格が上昇しています」 速報が入ったのは日本時間の午前9時前。ガソリン価格高騰のニュースの最中でした。 (バージニア大学 政治センター ラリー・サバト所長)「有権者はいつも給油機を見て1ガロンの価格を確認しているが、それがどんどんどんどん上がっているのです」 「ありがとうございます、先ほど入った情報です。トランプ大統領が投稿した内容を引用します。『もしイランが48時間以内にホルムズ海峡を完全に開放しなければ、アメリカは彼らの発電所を攻撃して壊滅させる』と」 トランプ大統領は―。 (トランプ大統領のSNS)「イランが今この瞬間から48時間以内に、脅威なく、ホルムズ海峡を完全開放しなければ、アメリカはイランの各電力施設を攻撃・壊滅させる。最大の施設から始める!」 アメリカ軍はこれまで攻撃の対象を軍事拠点に集中し、原油価格の高騰につながりかねないエネルギー施設への攻撃は避けていました。 CNNによると、イランの生産量上位3位の発電所はいずれもテヘランから近く天然ガスで稼働しています。最大はテヘラン南東のダマヴァンド発電所。カスピ海に近いシャヒード・サリミ発電所、シャヒード・ラジャーイ発電所がそれに次ぎます。 さらにイラン南部にはブシェール原子力発電所があり、タスニム通信によると17日に原発付近に飛翔体が着弾しています。 このトランプ大統領の投稿の直後、イランもこう警告しました。 (イラン軍報道官)「イランは発電所が攻撃された場合、地域内のアメリカおよびイスラエルに関連するエネルギー・ITインフラと海水の淡水化施設を標的にする」 ■イスラエル 原発の町 イランミサイル攻撃
21日、イラン中部のナタンズにあるウラン濃縮施設に、イスラエル側からの攻撃があったとイランメディアが報道しました。これに対し… イスラエル南部の都市ディモナに21日、ミサイルによる連続攻撃がありました。 イランはナタンズのウラン濃縮施設への攻撃に対する報復だと主張しています。 イランが狙ったとみられるのはこのエリアにある原子力発電所など。けが人は100人以上にのぼり、イスラエルメディアによると約10人が重傷だということです。 イスラエル軍報道官は「防空システムは作動したがミサイルを迎撃できなかった」としています。 原発などエネルギー施設へと拡大している報復の応酬は、いつまで続くのでしょうか? ■元革命防衛隊員「全滅するまで抵抗」
我々が向かったのは、東京郊外のベッドタウン。 (元革命防衛隊の隊員)「革命防衛隊はもうダメになっている。最初(イスラム)革命の時に聞いたこと、『自由と生活の幸せを約束する』とホメイニ師に言われたんです」 かつて革命防衛隊に所属していた60代の男性。素性を隠すことを条件に我々の取材に応じました。革命防衛隊は全滅するまで抵抗を続けると話します。 (革命防衛隊 元隊員(60代))「ミサイルあるまで戦うんですよ。革命防衛隊の人たちが。」 Q.どういう人が革命防衛隊にいる? 「まずは宗教・シーア派をすごい信じている人。あとは他で何も仕事できない人」 Q.どうやったらイラン戦争が終わるんですか? 「革命防衛隊が完全になくなってから。」 10代のころに入隊し、イラン・イラク戦争にも参加したという男性。今の革命防衛隊の姿は、その頃とは大きく変容してしまったと話します。 (革命防衛隊 元隊員(60代))「国を幸せにする考えが一切ない。戦争ばっかり」 Q.つまり、革命防衛隊が国のために、何もやってないってことですか? 「何もやってない。逆に、国を壊してるんですよ。国(の発展)もなくなって、(自分たちの)お金だけになっている」 日本で家族を持ち、幸せに暮らしているといいますが、今の一番の願いは“母国の平和”です。 (革命防衛隊 元隊員(60代))「もちろん戦争終わってほしいんですよ。戦争で1つしか良いことないんですよ。それは“戦争はダメだってわかる”こと。テレビで見る戦争と実際は違うよ。初めて(戦争に)行った時に、膝、手、顎までこう震えて、何も自分を抑えることできない。怖かったよ。すごい怖かった。その夜は一生忘れない。」 ■日米首脳会談 トランプ氏の要求は
そして、イランが事実上の封鎖を続けるホルムズ海峡。 日米首脳会談から帰国した茂木外務大臣はきょう22日、フジテレビの番組で、ホルムズ海峡への自衛隊派遣について憲法上の制約があると伝えた際、「トランプ大統領はそうだろうなという感じでうなずいていた」「具体的なことを約束したり、宿題を持って帰ってきたりしたということは全くない」と述べました。 その上で、仮に「停戦状態になって機雷が障害になっている場合には(自衛隊派遣を)考えることになる」と語っています。 (高市総理大臣)「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだと思っています。」 日米は首脳会談に合わせて小型原子炉の建設など11兆5000億円規模の対米投資プロジェクトの第2弾を発表。経済的な手土産に満足したのか、日本に対して具体的な軍事支援を迫ることはありませんでした。 ■ガソリン価格 高騰 トランプ氏懸念
(親松聖記者)「こちらテキサス州南部で予定されている日本の対米投資、第一号案件の現場です。ここからおよそ50km先まで海底にパイプラインを引いて、海上でタンカーに直接給油できる施設を建設します。」 対米投資の第一弾は、原油輸出インフラの整備など約5.7兆円を投じる内容です。地元の市長は期待を寄せています。 (ジョーンズ・クリーク市 コリー・トーマス市長)「トランプ大統領がこの国を愛し、偉大にするためにベストを尽くし、特に経済を押し上げようとしていることに感謝しています。」 Q.イランの紛争に関しては? 「私は反対ではありません。トランプ大統領を信頼しています」 アメリカ南部のテキサス州は伝統的に保守色の強い共和党の牙城です。しかし… 「以前はお店でTボーンステーキを買ってきて日曜にフットボールを見ながら焼いていた。でも今はポークステーキや鶏肉が安売りしていないかチェックしている。最初の選挙でトランプ氏に投票しましたが、二度と彼に投票することはない。二度と彼らには投票しない。今回の中間選挙は共和党にとって非常に悲惨な結果になるだろう。」 「なぜ(イラン攻撃を)するのか理解できません。単にアメリカ国民の目を今起きている他の問題から、答えを求めている問題からそらすためのものだと思う。」 この秋に中間選挙を控えているトランプ大統領。ガソリン価格のさらなる高騰は大きなダメージになりかねません。 (高市早苗総理大臣)「機微のやりとりではございますけれども、やはりホルムズ海峡の安全確保ということは非常に重要だということでございました。」 ホルムズ海峡の今後は、いったいどうなるのか?首脳会談の後、トランプ大統領はあらためて日本の関与を求めています。 (トランプ大統領)「アメリカはこの海峡を利用していない。必要がない。この海峡を利用する国々、例えば中国はエネルギーの90%、日本は95%がそこから得ている。そうした国々が関与すればいいと思う」 一方、イランのアラグチ外相は共同通信のインタビューで、「日本側との協議を経て日本関連の船舶の通過を認める用意がある」と述べています。 ■米海兵隊派遣 狙いは「カーグ島占拠」
「当局によると、さらに数千人の海兵隊員と水兵が中東へ向かっています」 18日、アメリカ西海岸、サン・ディエゴから出港した強襲揚陸艦「ボクサー」。 他の2隻の軍艦と共に中東に向かう予定で、「第11海兵遠征部隊」の約2200人を含む4500人規模が追加派遣されるといいます。 一方、先に中東に派遣された佐世保基地配備の強襲揚陸艦「トリポリ」の姿が17日、シンガポール沖で捉えられました。 「ボクサー」は中東まで「3~4週間」かかるといいますが、「トリポリ」は「数日後」に到着する見込みだといいます。 強襲揚陸艦の主な任務は、海兵隊の上陸作戦の支援です。 アメリカのニュースサイト「アクシオス」はトランプ政権がペルシャ湾に浮かぶカーグ島の占領を真剣に検討していると報じています。イランの原油輸出の9割を担う拠点で13日にアメリカ軍が爆撃していました。 一方、アメリカのシンクタンクで政府や軍に政策提言を行ってきた専門家は… (ワシントン近東政策研究所 へンリー・チューゲンダット氏)「もしアメリカが(カーグ島制圧など)目標を達成しようとしても、長期にわたる駐留を続けることは到底できないでしょう。何カ月も防御態勢を維持することは海兵隊の本来の役割ではありません。トランプ氏はこの事態をできるだけ早く終わらせたいと考えていると思います。カーグ島を占領することで主導権を取り戻せるかもしれないというシナリオです。そして今後行われるであろう『交渉の切り札』として使うためではないでしょうか」 しかし現在の状況はイランの方が交渉の上で優位に立っていると指摘します。 (へンリー・チューゲンダット氏)「もしきょう明日、アメリカが攻撃を止めたとしても、イランが戦争を終わらせてもよいかどうかを決める立場にあると思います。『今は譲歩が必要だ』『核濃縮に関しても譲歩が必要だ』譲歩できなければ基本的に我々は、今後もホルムズ海峡で船を爆撃し続けることになりますと。イラン側が武器や核開発プログラムの推進にこれまで以上に意欲を燃やしている状況のもとで、アメリカは今後の交渉を進めざるを得ない立場にあるのです。」 3月22日『有働Times』より









