イチョウの木に5時間以上も居座り続けたクマ。緊迫の捕獲劇です。
■「クマが木から落ちてきた」
捕獲の一部始終をカメラが捉えていました。クマが現れたのは仙台市のイチョウ並木です。
木を上下に移動するも地面に降りる気配のない様子。クマは31日午前9時ごろから木の上に居座り続けています。
周辺は住宅が立ち並ぶ地域。道路は封鎖され、厳戒態勢が続きます。
麻酔銃や盾を持ち、木の周りを囲むようにしてクマを警戒。クマも下を見て警戒しているのか木に居座り続け、膠着(こうちゃく)状態が続きます。
クマが居座ってから約5時間、事態は急変しました。
麻酔銃がクマに命中。落下中に枝をつかみますが、そのまま地面へ落ちていきました。
近隣住民 「よかった、捕獲されたのなら本当に安心。(クマが)出ると駄目だ、おっかなくて」
■クマ居座り緊迫 道路封鎖も
住民にクマへの恐怖が広がるなか、“異例の対応”です。
31日、自民党はクマ被害に対応するための緊急対策チームを立ち上げ、初会合が行われました。
自民党 小林鷹之政調会長 「速やかに実効性ある駆除対策を打ち出していかなければいけない」
政府に対し、猟友会と連携しハンターの増員支援や箱わなやクマスプレーなどの財政的な支援も要請しました。
様々な対策が必要とされるなか、連日にわたって出没し、2メートルの柵をまるで人間のように軽々と乗り越えるヒグマ。その柵の先にあったものは…。
■クマが庭に居座り 柿目当てか
今や市街地の住宅庭にもクマが居座る状況です。
犬がほえても動じることなく柿をむさぼります。
クマが現れたのは秋田駅周辺の住宅の庭。爆竹を鳴らしても木から降りる気配はありません。
住宅の庭には盾を持った警察が警戒にあたりますが、クマとの膠着状態が続き、辺りが暗くなってもクマはそのまま木の上に居座り続けました。
就寝時間にも家の外にクマがいる異様な状況。撮影者は…
撮影者 「ボキボキ枝が音を立てながら歩き回っているので大丈夫かなと。『出ないで下さい』と警察に言われていて、今はちょっと家を出られない状態なので、あすもそこにいるとちょっと困りますね」
31日朝になってクマは居なくなっていましたが、また柿を目当てに戻ってくる可能性もあるといいます。
北海道では雪が降るなか、ヒグマが現れました。まもなく迎える冬眠に向けて餌(えさ)を探しているのか、辺りを見渡しながら歩く姿が…。
さらに、10日前には驚異的なクマの身体能力が明らかに。
2メートルの柵を軽々と登る姿が。器用に柵の網に前足と後ろ足を引っ掛け、まるで人間のように登っていきます。
柵の先にはトウモロコシ畑があり、食べ物に対する執着が感じられます。クマはこの場所に頻繁に訪れ、親子で現れる時や、まだ外が明るい日中にも姿を現します。
■AI感知 電力要らず 実力は?
クマの姿を連日捉えたカメラ。なんとその数、1カ月半で約40件。
今後、クマ被害を減少する“新兵器”となるかもしれないといいます。
クマミるAIを開発 アイムービック 大濱悠介さん 「クマの出没をAI(人工知能)と遠隔監視カメラを組み合わせ、すぐに検知して自治体や猟友会など地域の住民にすぐ通知ができるサービス」
クマの姿を捉えたのは「クマミるAI」という新システムを用いたカメラ。最大の特徴は電力要らずで映像を記録できることです。
アイムービック 大濱悠介さん 「コンセントなしで太陽光パネルから給電して、実証実験を8月中旬から開始してもう2カ月くらいだが、バッテリーのへたりもなく使えている」
記録した映像は瞬時にスマートフォンへと転送され、確認することができます。
さらに、クマ被害を減らす鍵は“クマの行動パターンを把握”することだといいます。
アイムービック 大濱悠介さん 「できれば中間地点の里山でできるだけ早くクマの行動、ここの境界線を越えるタイミングを察知して人里に来ないような対策を打てないかなと考えている」









