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2025年10月31日 19:45
サッカー強豪校「いじめリスク高い集団」大津高校いじめ調査委が報告 被害男性は

 強豪として知られる熊本県立大津高校サッカー部のいじめ問題について、調査委員会は「重大事態と認定するのが相当」と結論づけました。

(被害男性)
「長かったんですけど、調査報告書が一通りまとまったのは、一つ安心した部分が大きいです」

 この問題は、2022年1月、遠征先の宿泊施設で、当時の2年生が1年生だった被害男性に対し「あだ名をつけたのお前なの」などと謝罪を求め、男性が全裸で土下座をし、その様子を写真に撮られたというものです。

 去年1月に設置された調査委員会は、31日に報告書を公表し、被害男性が裸で土下座をさせられた行為について心身に重大な被害が生じると考えられるとして、重大事態と認定するのが相当であるとしました。

 容姿などに関するあだ名をつけるなど、当時部員間で行われていた「いじり」と呼ばれる行為がいじめの原因となった可能性や、部員に対する指導・教育、いじめの相談体制が不十分だったことなどを指摘しています。

 調査委員会の原村憲司委員長は「大津高校の男子サッカー部、そして高校自体が非常にいじめが起きやすい、いじめのリスクの高い集団だと我々は考えた」と述べました。

 サッカー部には当時、全校生徒の26.6%にあたる176人が所属。試合に出場できないなど悩みを抱えた部員が多数存在し、いじめが発生しやすい状況にあるとして、一般的な対策に留まらず集団の特色を踏まえて対応することや指導者に対する研修、生徒に対する予防教育の強化などを提言しています。

 学校は、調査結果を受けて男性に謝罪したということです。

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(被害男性)「どうしても学校という閉ざされた環境で、従うのは先生の言葉なので、もっと上に立っている先生たちが変わらないと、先生の数を増やしても、人が変わっていないと環境も変わらない」

 熊本県の越猪浩樹教育長は「調査結果を精査し、いじめの未然防止と早期解消に取り組む」とコメントしています。

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